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宇宙背景放射 「ビッグバン以前」の痕跡を探る 集英社新書0807G
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2015/10/01 |
JAN | 9784087208078 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
宇宙の始まりといわれるビッグバンの前に、想像を絶する早さで空間が膨張したらしい。その痕跡を求めて宇宙背景放射を探っているという話。 物質を構成する最小単位を扱う素量子研究が宇宙の研究と関係しているといった科学の不思議について、なるべく分かりやすく解説してくれているのだが、「?」が...
宇宙の始まりといわれるビッグバンの前に、想像を絶する早さで空間が膨張したらしい。その痕跡を求めて宇宙背景放射を探っているという話。 物質を構成する最小単位を扱う素量子研究が宇宙の研究と関係しているといった科学の不思議について、なるべく分かりやすく解説してくれているのだが、「?」が点灯するとすんなりと理解できない。 光速と宇宙の膨張の早さの関係が(関係ないのかもしれないが)、どうも腑に落ちない。 いかん、脳細胞がそろそろ限界か?
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宇宙物理学の実験物理学者が、ビッグバン以前の痕跡を見つけるべく自らが行っている宇宙背景放射の観測実験について語った本。 インフレーション宇宙はすでに真実として結論が出た理論だと思っていたのだが、著者の説明によるとあくまで「インフレーション仮説」であって、宇宙の平坦性など多くのこ...
宇宙物理学の実験物理学者が、ビッグバン以前の痕跡を見つけるべく自らが行っている宇宙背景放射の観測実験について語った本。 インフレーション宇宙はすでに真実として結論が出た理論だと思っていたのだが、著者の説明によるとあくまで「インフレーション仮説」であって、宇宙の平坦性など多くのことを整合性よく説明することができるけれども、そのことを直接的に証明する実験的事実はまだ見つかっていないとのこと。また、そのインフレーションの速度など、どのようにインフレーションが起きたのかについては相異なる多くの説が提示されているとのこと。なにせ、「およそ1x10の-36乗秒の間に1x10の26乗倍に空間が膨らんだとされている。この宇宙論の最重要課題のひとつであるインフレーションの証拠を見つけることができれば、もれなくノーベル賞ものであると多くの科学者が思っている。著者が取り組んでいる宇宙背景放射からその痕跡を見つける実験にしても、多くのグループが取り組んでいるが、自らを含めて「一攫千金を狙う山師の集まり」だと表現する。 2014年、そうした著者含めた山師たちを震え上がらせたニュースが世界を駆け巡る。BICEP2により「重力波を検出」、「インフレーションの決定的証拠を発見」とされたニュースが世界を巡ったときの著者の落胆ぶりが正直につづられている。真実の解明を喜ぶべきだが、ライバルに先を越された悔しさやそれでも検証や精度の向上といった仕事に向けてチームをリーダーとして鼓舞しなくてはと思う気持ちの中でもつい出てしまう雰囲気や自虐的な言葉などの心の揺れがつづられるところは科学者の世界の人間味がにじみ出ていて、言い方は正しくないかもいしれないが面白い。なるほどチームを率いる著者が山師集団の頭領なのだというのもわかるところである。 BICEP2の成果は結局は不完全なものだという結論となり、おそらくは著者は今も「原始重力波によるBモード偏光」なる金塊を追い続けているのだろう。 本書では宇宙理論だけでなく、宇宙の観測技術についても一般向けの内容ではあるが多くのページを割いて触れられている。138億年前の宇宙の姿を観測するコービー、WMAP、プランクといったCMB観測がそのメインで、宇宙空間やチリや南極から宇宙空間に向けてその目を光らせている。 実際に著者らが追いかける「原始重力波によるBモード偏光」の説明については、懸命に伝えようとしてもらっているのは伝わるのだけれども、内容を理解できたかは心もとない。チリや南極まで出かけていって、かすかなそれを捉えようと全力以上のものを掛けていることはわかる。 理論物理学の特殊性について簡潔に述べている。「ゴールがある」と。 「こんな学問は、ほかにはないだろう。たとえば天文学や物性物理学は、自然界の「多様性」を追求する学問だから、そこに終わりはない。しかし僕たちは、自然界全体を支配する唯一の究極的な法則を求めている。その答えが見つかったら、閉幕だ」 著者は、加速器を使った素粒子実験物理学からインフレーション仮説の証拠を見つけるための宇宙実験物理学という分野にその研究テーマを移したという。最も小さなものから最も大きなものへその研究対象を変えた形になっているが、それほど自分にも違和感がなかったのは、この特殊性を共有しているからではないだろうか。 著者は「宇宙のルールブック」を見つけたいという。人類が最終的には手に入れるであろうルールブックを。僕らは、そのルールブックについてわかるように説明をしてほしいと思うのだ。地動説、ニュートン物理学、含めて多くの理論が新しい理論によってより深い形で塗り替えられてきた。宇宙の9割以上を占めるというダークマターの説明も付いていない現在の宇宙論なのだから、まだまだ新しいことが分かってくるものなのかもしれない。先端の研究が人間臭さも含めて垣間見ることができる読みやすい良書。
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実験物理学の方の書いた本。原始重力波発見のための泥臭い営み。理論物理とは違う、工学的な記述にも紙面を割いている。 ・プランク衛星が2014年に発表したCMBのパワースペクトルによって、宇宙年齢が138億年に修正された。 ・ダークマター、ダークエネルギーの量だけはCMB観測で調べ...
実験物理学の方の書いた本。原始重力波発見のための泥臭い営み。理論物理とは違う、工学的な記述にも紙面を割いている。 ・プランク衛星が2014年に発表したCMBのパワースペクトルによって、宇宙年齢が138億年に修正された。 ・ダークマター、ダークエネルギーの量だけはCMB観測で調べられる。エネルギー換算で、通常の物質は5%、ダークマターは27%、ダークエネルギーは68%。 ・インフレーション理論では、空間を押し広げる役割を持つ粒子「インフラトン」があると考えられている。これが不確定性原理で量子ゆらぎをもっている。 ・空間は物理的実体なので、量子ゆらぎをおこすのも不思議ではない。しかし、物質ではなく空間の量子ゆらぎを見た人はまだいない。原始重力波がみつかれば、その証拠になる。
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