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コンヴィヴィアリティのための道具 ちくま学芸文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2015/10/01 |
| JAN | 9784480096883 |
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コンヴィヴィアリティのための道具
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コンヴィヴィアリティのための道具
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商品レビュー
3.4
14件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
自律共生社会という思想で新たな視点を提供してくれる本である。 *日本語訳は自立としているが、私は自律の方がしっくり来るので、変えている。 人は必須の時期を越えると需要を喚起して、人々に必要と思わせるフェーズに入る。これが第一の分水嶺と第二の分水嶺である。 現代社会は広告により、かなりの部分が第二の分水嶺に入っているのではないかと思う。 加えて、私としては環境問題もこの部類に入ると考えている。 自分が本当に何を必要とするのか、何に愉しみと感じるのか、自分と向き合うことが第一の分水嶺にあると思わせてくれた。 以下はAIの要約 イヴァン・イリチ(Ivan Illich)が1973年の著書『コンヴィヴィアリティのための道具(Tools for Conviviality)』で提唱した**「コンヴィヴィアリティ(Conviviality)」**は、日本語では「自律共生」や「共に生きる喜び」と訳されます。 彼は、現代社会の技術や制度が人間を支配し、かえって人間性を奪っていると批判し、真に豊かな社会への転換を訴えました。 --- ## 1. コンヴィヴィアリティの定義 イリチは、コンヴィヴィアリティを**「人間が自分の周りの道具や環境をコントロールし、他者と創造的に関わりながら、自律的に生きること」**と定義しました。 * **道具の支配から人間の自律へ:** 道具(テクノロジーや社会制度)が人間の能力を拡張するのではなく、人間がその道具に使われ、依存してしまう状態を拒絶します。 * **個人の自由と相互扶助:** 効率性や生産性の追求ではなく、他者との自由な交流や、自らの手で何かを作り出す喜びに価値を置きます。 --- ## 2. 二つの「分水嶺(境界線)」 イリチは、近代化における技術発展には2つの段階があると説きました。 | 段階 | 内容 | 結果 | | --- | --- | --- | | **第1の分水嶺** | 科学技術が人間の苦痛を和らげ、生存を助ける段階。(例:初期の医療、基本的な交通手段) | 人間にとって有益。 | | **第2の分水嶺** | 技術や制度が巨大化し、効率を優先して人間を管理し始める段階。(例:過剰な延命治療、車中心の都市、管理教育) | **「根源的独占」**が発生し、人間から自律性を奪う。 | --- ## 3. 「根源的独占」と「専門家支配」 コンヴィヴィアリティを妨げる最大の要因として、イリチは以下の2点を挙げました。 * **根源的独占 (Radical Monopoly):** ある特定の技術(例:自動車)が普及しすぎて、それ以外の選択肢(例:歩くこと)を実質的に不可能にしてしまうこと。道具が生活の前提となり、人間がその維持のために働かされる逆転現象が起きます。 * **専門家による支配:** 教育、医療、福祉などのサービスが専門家によって独占され、人々が「自分で学ぶ」「自分で健康を守る」という能力を失い、消費者に成り下がってしまうことを批判しました。 --- ## 4. コンヴィヴィアリティのための「道具」 イリチは、産業社会の道具を**「操作的な道具(Manipulative tools)」**と呼び、それに対し人間が使いこなせる**「コンヴィヴィアルな道具」**への回帰を求めました。 * **コンヴィヴィアルな道具の条件:** 1. 誰でも、いつでも、どこでも使えること。 2. 自分の目的に合わせて自由に使えること。 3. 他者の自由を侵害しないこと。 * **具体例:** * **自転車:** シンプルで修理可能、エネルギー効率が高く、歩行者を脅かさない。 * **図書館:** 誰でもアクセスでき、何を学ぶかは利用者が決められる。 * **母国語:** 誰もが自由に表現し、他者と繋がるための根源的な道具。 --- ## まとめ:イリチの警告 イリチが伝えたかったのは、**「私たちは豊かさを追求するあまり、自分で生きる力を捨ててしまっていないか?」**という問いかけです。 コンヴィヴィアルな社会とは、無限の成長や消費を追い求める社会ではなく、技術に**「限界」**を設け、人間が主人公として他者と響き合える社会のことです。現代のDIY文化、オープンソース、スローライフ、脱成長などの考え方の源流には、この思想が深く流れています。 --- イリチの思想は、現代のデジタル技術(AIやSNSなど)を考える上でも非常に示唆に富んでいます。次は、**現代のテクノロジーが「コンヴィヴィアル」かどうかを判断するための視点**について深掘りしてみますか?
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産業主義的生産様式に対して、限界を設定しその中で生活を可能にする自立共生的のための道具の内容や取り戻し方について。 産業は成長していくなかで、第二の分水嶺を超えてしまうと進歩が価値のサービスとして社会のまるごとの搾取に対する理論的根拠に用いられるようになる。医療や教育などをはじめとして、専門化・官僚化が進みもはや自分で決断することができない。 産児制限についてなど、やや過激な表現もあったが、自立共生的な社会の実現方法は一般に産業主義的生産様式の危機が認識されて初めてなし得ると民主的な過程を重んじている部分が少し新鮮に感じた。 イリイチの伝えたいことの3割ぐらいしか、掬えなかったと感じている。いろんな本を読んで、レベルアップしたうえでもう一度読んでみたい。
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2025.05.27 コロナ禍くらいから積読していた本書を読了。過去に途中挫折したが、やはり一部か読むのに思考力が必要で、最後の方は文字を追いかけるだけで精一杯であった。 人間の生活を豊かにするはずの道具が、ある限度・規模を超えると人間を支配することになる。それは、人間が自立し...
2025.05.27 コロナ禍くらいから積読していた本書を読了。過去に途中挫折したが、やはり一部か読むのに思考力が必要で、最後の方は文字を追いかけるだけで精一杯であった。 人間の生活を豊かにするはずの道具が、ある限度・規模を超えると人間を支配することになる。それは、人間が自立して生きることを阻害する。 医療が医者によって独占され自分の症状を診断し対処する力を失わせる、学校が学ぶはずのための場所が逆に通わないものに落伍者の烙印を押す制度と変わってしまっている。
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