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密閉山脈 森村誠一 山岳ミステリー傑作セレクション 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2015/10/01 |
JAN | 9784334769826 |
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密閉山脈
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密閉山脈
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商品レビュー
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山岳で男性が遺体で発見された。 状況から、被害者を殺せるものはその時間に山におらず……という山を舞台にした密室殺人モノのミステリ。 面白いんだが、読み終えると作者さんこの時期に何かあったの……?って言いたくなる。
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タイトル通り、密閉された山脈を一つの密室に見立てた、スケールの大きい殺人事件を扱った物語。 北アルプス後立山連峰K岳北峰のバリエーションルートを単独登山中に死亡した影山。当初は事故死と考えられたが、山岳救助隊員の熊耳は遺品のヘルメットに不可解な矛盾点を見つけ、影山のザイルパートナ...
タイトル通り、密閉された山脈を一つの密室に見立てた、スケールの大きい殺人事件を扱った物語。 北アルプス後立山連峰K岳北峰のバリエーションルートを単独登山中に死亡した影山。当初は事故死と考えられたが、山岳救助隊員の熊耳は遺品のヘルメットに不可解な矛盾点を見つけ、影山のザイルパートナーであった真柄を容疑者として疑う。影山と真柄は、湯浅貴久子という女性を巡って、さや当てをしていたことが判明。しかし、事件当時、K岳北峰は人の出入りが確認されておらず、密閉されており、また、真柄にはアリバイがあった。真柄のアリバイに関して、影山と貴久子の間で交わされていた、山頂と山麓の山荘との間での懐中電灯によるメッセージ交換の時刻が問題となる。「メッセージ交換の時刻」と「真柄が山荘に現れた時刻」とを考えると、真柄には犯行は不可能であった。熊耳が仕組んだ罠によって、犯人は真柄であることが間違いないと思われるが、アリバイが崩せず、真柄が別の女性と婚約したことから、動機の面でも真柄の可能性は少ないと判断されるようになるが……。 事件の舞台を後立山連峰K岳としているが、位置や双耳峰であることから、登山好きな人であれば、鹿島槍ヶ岳のことをすぐに思い浮かべると思う。ただし、添付されている頂上図を見ると、標高が違うし、尾根や小屋などの名称が違うので、架空の山なのだろう。 懐中電灯のメッセージ交換によって作られたアリバイとそのトリック、ヘルメットの異常から他殺を疑う過程、貴久子を取り巻く男性との恋愛、影山と真柄の過去の登山にまつわる出来事、山岳救助隊員熊耳の執念の捜査や容疑者に仕掛けた罠、K2登山の顛末等々、良く練られたストーリーであり、山岳小説とミステリー小説とが巧く融合した秀作。アリバイトリックの方法に関しては、私はこの方法を可能性の一つとして考えていたので、意外性はなかった。 貴久子を巡る男性はすべて最後に不幸な目に遭っている。男性との交際に関して、ガードが低すぎるし、さげまんな女性。
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山岳ミステリーより一人の女性と二人のアルピニストの三角関係に比重が置かれていますが、二人のアルピニストの間で揺れ動く女性の心情や交際感覚がよく分からないため、人間ドラマとしてはやや消化不良です。 しかし、ミステリーとしては良作。山の地形を利用した密室はスケールが大きいですし、遺品...
山岳ミステリーより一人の女性と二人のアルピニストの三角関係に比重が置かれていますが、二人のアルピニストの間で揺れ動く女性の心情や交際感覚がよく分からないため、人間ドラマとしてはやや消化不良です。 しかし、ミステリーとしては良作。山の地形を利用した密室はスケールが大きいですし、遺品のヘルメットの壊れ方から「どうやって密室を作り上げたのか」「どうやってアリバイを確保したのか」を解いていく過程もよく練られています。真相は大掛かりなからくりを期待すると拍子抜けするかもしれませんが、なかなか巧妙な構成で好印象。初期の傑作と言われるのも頷ける内容だと思います。
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