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不思議な羅針盤 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2015/09/01 |
| JAN | 9784101253411 |
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不思議な羅針盤
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商品レビュー
4.2
49件のお客様レビュー
梨木さんのエッセイ。身の回りの自然の事や、人との事、梨木さんの人柄がよくわかる暖かいエッセイ。 「西の魔女が死んだ」の頃の、作品のヒントになるような話が良かった。大きな自然中に身をゆだねているような心地よさがある。 個人的に「アクのこと」が気に入っている。「アク」があるから味わい...
梨木さんのエッセイ。身の回りの自然の事や、人との事、梨木さんの人柄がよくわかる暖かいエッセイ。 「西の魔女が死んだ」の頃の、作品のヒントになるような話が良かった。大きな自然中に身をゆだねているような心地よさがある。 個人的に「アクのこと」が気に入っている。「アク」があるから味わいが深くなるし、人の心にも「アク」がある。完璧じゃつまらないってこと。
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※このレビューにはネタバレを含みます
★ 『西の魔女が死んだ』を読んで、梨木香歩さんの作品に興味を持った。 とても繊細な感覚で生き物や人、ものごとを見て、丁寧な言葉で表現されていて素晴らしいし、好きだなと思った。 このエッセイを読みながら、私が最近謎に思っていたことが解けたり、好きな自然や、きれいだなと思う言葉や感覚、懐かしい思い出に触れることができた。 また、自身の感覚に近いところが多々あり、親近感が湧いたし、深みを感じたので再読したいと思った。 15年以上前のエッセイなので、そういうところも興味深かった。 ◯『世界は生きている』 つい先日4月の末に、帰宅の道を歩いていたら近くの校舎の脇の高い木の上からセミの声が聞こえてきた。〝こんな時期にセミ⁈やっぱり気候がおかしくなっているのか!?〟と不思議に思っていたことがあった。そして、この本を読んであれはハルゼミだったのかなと思った。 調べるとハルゼミの生息域は局所的で、市街地にはまず出現しない、とある。地域によって絶滅危惧種だとも。でも、ハルゼミだった可能性はゼロではない。ハルゼミっていうのがいるんだと知れたことは新鮮だった。 ◯『夢と付き合う』 ・夢って不思議、何かのメッセージであることもあるんだろうなと私も思っている。どんな意味があるんだろうと謎解きのようなことをしてしまうことも。でも梨木さんの〝心にずしんと響く夢を見た、という実感があるときは、その夢の全体を丸ごと抱きしめる感じで、長く意識のどこかにおいておく方が、「効く」ような気がする。〟という夢の捉え方には、なるほどとうなずけた。 ◯『小学生の頃』 ・「-略-エルネストのつつしみ深さは、ずっとわたしのものの感じ方のお手本でしたわ。」《ゼーバルト著『パウル・ベライター』》 梨木さんは、このように自覚しているマダム・ランダウに好感をもたれたが、私はこれに共感した。 私も、幼い頃の何気ない場面が、いくつか映像として浮かび残っている。直接的なメッセージを与えられた場面ではないけれど、やはり、それは私にと ってとても大切で、人生の羅針盤のような意味のあるもののようで、今も度々思い出しているのだと感じる。 ◯『「アク」のこと』 ・とても興味深かった。 春先の植物のアク、人が身体に溜め込んだ毒素、大きなショックを体験したことにより宿るアク、肩凝り…いろんな質の「アク」 アクは出した方がスッキリするが、〝自分にも、誰か、にもその時のコンディションがあるので、白黒つけようと追い込まないことも群れ社会で生きる智慧の一つのようだ〟と著者が考えるのに、そうだなぁと思うところがあった。
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日常のふとしたことから、梨木さんが徒然に思いを馳せてゆくエッセイ。 「ゆるやかにつながる」では、ツルの群れの話から私たち人間もまた群れる生き物だという話へ。 「できるならより風通しの良い、おおらかな群れをつくるための努力をしたい。個性的であることを、柔らかく受け容れられるゆるや...
日常のふとしたことから、梨木さんが徒然に思いを馳せてゆくエッセイ。 「ゆるやかにつながる」では、ツルの群れの話から私たち人間もまた群れる生き物だという話へ。 「できるならより風通しの良い、おおらかな群れをつくるための努力をしたい。個性的であることを、柔らかく受け容れられるゆるやかな絆で結ばれた群れを。傷ついたものがいればただそっとしておいてやり、異端であるものにも何となく居場所が与えられ生きていけるような群れを。ちょっとぐらい自分たちと違うところがあるからといって…(略)…詰め寄り排斥にかかることがないような群れを。」 これにはとても共感した。 「世界は生きている」では、清里の森から様々に思いを巡らす。 『西の魔女が死んだ』にちらりと触れられているのも嬉しいところ。 (特別編として、「『西の魔女が死んだ』の頃」という章もある) 「刻一刻と様相の変わってゆく「生き物の現場」を、きっと「世界」と呼ぶのだろう。」という結びの文章が好きだ。 ここで言う「生き物の現場」とは森のことだ。 カッコウやホトトギスの托卵という習性に目を向け、梨木さん独特の、どこか飄々とした風情で「生き物の現場」を捉える。 「「スケール」を小さくする」での切手を買いためてしまうお話にも共感する。 あの方へは、このレターセットが似合いそう。 そしてこのレターセットには、こちらの切手がぴったりだ。 などと、選ぶ作業はとても楽しいものだが、このご時世、殆どがLINEとメールで済むようになってしまった。 「忙しさのあまり便利さを選ぶ心に、風流の棲みつく場所はない」と梨木さんも仰有る。 実際は寂しいことなのだけれど、この表現、素敵だなーなんて思ってしまった。 次の章「金銭と共にやり取りするもの」にも、小さな共感や素敵な表現が潜んでいた。 新聞の集金だけは、口座引落しをやめ、集金に来て貰うことを選んだ梨木さん。 通信販売には対人の煩わしさがないかわりに人の気配が足りないと仰有る。 対人で支払う瞬間には、ただの金銭のやり取りだけではない、「ありがたさ、(ときには)恐縮、会えたうれしさ、細やかな感情のやり取り、ささやかなあるいは(その人にとっての思いがけない)重要な情報の交換」が含まれているという。 だからこそ、「やり取りすることに金額の持つ以上の価値がある気がする」と。 動植物にお詳しい梨木さんであるからか、このエッセイは、まるでマイナスイオンを発しているかのようだった。 透明度の高い、澄んだ感じ。 清涼感を感じるような。 また、梨木さんの文章から、自分らしく慎ましく暮らすことの美しさを感じた。 そして、人は、群れる生き物としてどうあるのが好ましいか。 どんな距離感を保つのが好ましいか。 日常の小さな物事も丁寧に経験し、考え、深く味わうこと。 それは案外難しい。 けれど、なるべくそうありたいと思った。 好きな章 「近づき過ぎず、遠ざからない」 「金銭と共にやり取りするもの」 「ご隠居さんのお茶と昼酒」 「夢と付き合う」 「百パーセント、ここにいる」
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