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GDP<小さくて大きな数字>の歴史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2015/08/01 |
JAN | 9784622079118 |
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
購入した本。GDPの歴史、今後の未来について書かれた本。 GDPの歴史は17世紀に始まる。元々は戦争開始前に、財務状況などを確認するために推計を開始したもの。 Statistics(統計)とは語源がstate(国家)と同じ。元々は国家の数字という意味。 GDPは消費者支出と...
購入した本。GDPの歴史、今後の未来について書かれた本。 GDPの歴史は17世紀に始まる。元々は戦争開始前に、財務状況などを確認するために推計を開始したもの。 Statistics(統計)とは語源がstate(国家)と同じ。元々は国家の数字という意味。 GDPは消費者支出と投資と政府支出と貿易額(輸出ー輸入)の合計で決まる。 90年代のアメリカの生産性の向上にはウォルマートが大きく貢献している。中国など安価な国で生産し、アメリカで販売するなど、貢献度は高い。 GDPはイノベーションなど新たな価値を測るのに適していない。イノベーションを測るには経済の大きさではなく、サービスなどの多様性に目を向けなくてはいけない。 GDPと幸福度には相関性がない。幸福度はどこかで頭打ちになる。 「生産性(1時間あたりの生産量)で測れる仕事はたいてい自動化したほうがいい。人間が得意なのは時間を無駄にすること。実験し、遊び、創造し探究すること。長期的な経済成長にはこれらが必要。」 普段何気なく、GDPという指標を参考に仕事をしているが、歴史や意義など知る機会となった。変わりゆく時代の中で、指標なども同じく変化しないといけない。
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「ギリシアでは、統計は格闘技なのです」で始まる本書では、GDPが如何にでき、それが徐々にいまの時流と合わなくなってきたことを分かりやすく述べています。 英語の「statistic(統計)」という単語は「state(国家)」と語源が同じであり、もともとは大恐慌や第二次世界大戦...
「ギリシアでは、統計は格闘技なのです」で始まる本書では、GDPが如何にでき、それが徐々にいまの時流と合わなくなってきたことを分かりやすく述べています。 英語の「statistic(統計)」という単語は「state(国家)」と語源が同じであり、もともとは大恐慌や第二次世界大戦などで国の経済をどう図るかがきっかけだったそうです。しかし、「ハウスキーパーと結婚して無償で家事をしてもらうと、GDPは減少する」「災害が起きるとGDPは伸びる」「教師の価値を何で測るのか」など様々なパラドックスも生じ、現代の経済に合致していない部分も多々あると論じられています。「GDPは単に産出量を測るものであり、人々の豊かさは考慮外」であり、実は国によってもその算出方法はまちまちというのが分かりました(単純比較は難しい)。 手に取ったのは、8月19日付・日本経済新聞の「リーダーの本棚」で林外相が、愛読書として紹介していたためです。実は、昨年、林外相とは外務大臣室でお目にかかり、「以前は10曲程度入ったレコードが2,500円くらいだったものが、いまでは月980円で聞き放題。こうした差額を『消費者余剰』と言って、これまでのようなGDPでは計算できなくなっている」ということを話されていましたが、この「消費者余剰」について、この本にも書かれていました。多くのネット・サービスが「無料」で、一日の多くの時間を費やしながらも充分満足できるので、GDP云々ではもう測れない部分もあるとも思いました。 「何事も量がすべてではない」ことがわかり、漠然と捉えていた言葉に新しい視点を投げかけてくれる良書と思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日経新聞の書評で林外相が推奨本として載せており読んでみた。まず政府関係者はこうした内容からGDPの統計のあり方を見直す分科会を立ち上げ、議論しているという。意外と地に足のついたことをしている印象。 本の中身についてはGDPの定義や歴史、課題、将来に向けてGDPに代わる統計指標は何かといった話で進む。 GDPは新聞でよく見ていて経済成長を測る絶対的な指標という印象があった。ただこの本を読むとあくまで生産量、価値を合算したもので、ある意味で手動で集計、またその定義も曖昧であるといったことやイノベーションや多様性といった点の価値をGDPからでは見いだせず、必ずしも絶対的な指標ではないということがよく理解できた。 GDPは合算した価値を季節変動やインフレ調整、国単位の購買力を加味して調整し初めて国際比較が出来る。非常に複雑。 GDPが増えれば手放しで良いという論じ方等をしている場合は注意が必要。またGDPが増えると確かに豊かにはなるが、より人々の生活の潜在性に焦点を当てたHDI人間開発指数という指標がある。将来的にはこうした指標も使われる可能性がある。 一人あたりGDPによって世界銀行は中所得国、低所得国といった分類をして、融資する際の金利などが変わってくる。 今後は環境面も考慮していなかったり、IT分野等の形のないもの・サービスが増えていることから見直しが必要となるかもしれない。 今まで何の疑問も持たずにGDPという指標を受け入れていたが、しっかりその指標が何を指しているかを理解し、またただ鵜呑みにするだけではいけない。指標主義に気をつけたい。
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