横井軍平ゲーム館 「世界の任天堂」を築いた発想力 ちくま文庫

横井軍平【著】, 牧野武文【インタビュー・構成】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2015/08/08
• JAN: 9784480432933

商品レビュー

2024/04/26

花札の任天堂から現在知られるゲーム会社、任天堂へ発展していくなかで、横井軍平という存在は大きい。そんな彼は非常に多作な玩具、ゲームを生み出し、クリエイターかつディレクターとしての手腕が光っていたことがわかる。（現在そのほとんどの実機はみることもできないが……。）もちろん0→1で生み出されたものにかぎらず、他社に追随して生み出された作品もある。“枯れた技術の水平思考”は時代のスキマをつくいい方法論。

2024/01/27

「枯れた技術の水平思考」で知られる横井軍平氏のインタビューを軸にした本。仏教的な観点で商品開発をし、マーケティングをし、マネジメントをしていたのではないかと感じた。

今にも生きる思考法。いろいろな気づきが詰まっている。ユーザーが求めていないものを知る、というのは示唆深い。若い頃の生き方もとても素敵だ。

横井軍平氏が独立してまもなく50代で不慮の事故で亡くなられたのが本当に惜しい。彼が存命であれば72歳。ご意見番として活躍されていてもおかしくない。

2023/03/12

本人は「枯れた技術」と表現しているが、「足るを知る」というか必要なスペックを伸ばすために不要な部分のスペックをいかに下げたり落とすことを許容できるか、最善ではなく次善を選択することができるかという話なのだと理解した。
ゲームボーイであれば「カラー液晶で電池持ちもよく価格も安い」というのがベストだが、「価格を下げたうえで重要なのは電池持ちのほうである」と判断して画面スペックを下げることを許容したことが成功に繋がった。
こと組織において「できるけどしない」という判断はなかなか難しいものである。あれもこれもと欲張ることがベストに見えるが、その方向性が現在の行き詰まり感を招いたのではなかろうか。実際に必要なスペックを伸ばすためにそれ以外を妥協する「打開のための妥協」の方向性を模索することが重要なのではないかと感じている。