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朝顔の日
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朝顔の日

高橋弘希(著者)

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朝顔の日

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2015/07/01
JAN 9784103370727

朝顔の日

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商品レビュー

3.5

17件のお客様レビュー

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2026/04/15

 サナトリウム文学的な作品。  前作の指の骨と同様に舞台が戦争の最中ということもあってか、似ている部分が結構あるように思う。  ただ、こちらはずっと静かな空気が流れているというか、淡々と生と死の間にある日常みたいなものを書いているような気がする。  前作よりも印象的なシーンは少な...

 サナトリウム文学的な作品。  前作の指の骨と同様に舞台が戦争の最中ということもあってか、似ている部分が結構あるように思う。  ただ、こちらはずっと静かな空気が流れているというか、淡々と生と死の間にある日常みたいなものを書いているような気がする。  前作よりも印象的なシーンは少なかったが、やはり文章が素晴らしい。  特に妻への手術のシーンは読んでいてハラハラとして、何回も本を閉じてしまった。

Posted by ブクログ

2024/10/20

高橋弘希著『朝顔の日』(新潮社) 2015.7発行 2020.4.6読了  「一体医者の薬は利くものでせうか」とは、漱石全集第一巻「吾輩は猫である」の主人の言である(p349)。私はこの台詞に本書全体を貫く主題が約言されているような気がしてならない。人類と感染症の歴史は、よく戦...

高橋弘希著『朝顔の日』(新潮社) 2015.7発行 2020.4.6読了  「一体医者の薬は利くものでせうか」とは、漱石全集第一巻「吾輩は猫である」の主人の言である(p349)。私はこの台詞に本書全体を貫く主題が約言されているような気がしてならない。人類と感染症の歴史は、よく戦いに喩えられる。病に打ち勝って、健全なる身体を手に入れて、お国のために軍務に就き、あるいは勤労戦士として働き、あるいは銃後の守りのために子どもを産むことが、戦前の国民の「目標」とされていた。  日中戦争が泥沼化し、大日本帝国が真珠湾攻撃に手を染めた1941年(昭和16年)12月を時間軸にして、肺結核を患う妻を看病する一組の夫婦を描いた物語だが、静かな麗筆をふるって綴られる文章は決して闘病生活というような熾烈極める戦いを感じさせない。当時、死の病として最も怖れられた結核菌(TB菌)の感染率は成人で90%を上回るという(p77)。そのうちの何割かが発症し、さらにその何割かが死に至るわけだが、当時の治療法といえば、外科的療法以外にはなく、あとは大気・休養・栄養の自然療法しか打つ手立てが存在しなかった。竹中医師は、清心会病院のことを「ここはラザレットやら修道院やらとは違います」(p12)と言うが、主人公の凜太は、日常とは違う規律が働いているのを嗅ぎ取る。その規律とは何か。私はそれを3号棟1階の大広間の壁に掲げられていた「健康なる身體に健全なる精神が宿る」という言葉に見出す(p11)。身体が精神に先立つという思想は、医学の宿痾に思えてならない。死の病に身体が蝕まれた時、それを「直す」ことは果たして妻を助けることになるのか。顕微鏡で覗いた妻のTB菌は赤く染色され、メチレン青の中を楽しげに泳いでいた。人体のどこにでもいる細菌—それは凜太の中にも存在している。赤はTB菌の色、喀血の色、命の色。線香花火の火花のように一瞬にして燃えあがって散っていく色(p56)。生物が皆死ぬ運命なのだとしたら、どのようにして死ぬのが一番の幸福なのだろう(p77、漱石全集第一巻p537)。「治療行為」という人体の破壊行為によって、妻の心は、妻の生の分量は少しずつ抜け落ちてゆく(p89)。妻に命を吹き込んでくれるものは、果たして医療なのだろうか。むしろ、去年の冬着や卵焼き(p90)や心遣い(p36)なのではないだろうか。妻は最終的に胸郭形成術を拒否する。妻は生きることを諦めたのか。啓兄が見舞いでトランプの手品を披露した時、妻はこう言っている。——違ひますよ。わたしが選んだのはハートのエース(p93)。  劇中劇で催される「かぶらのたね」は、TB菌に対峙する医師の立ち位置を象徴的に表している。大きなかぶはTB菌で、それを医者や看護婦、そして、演劇に参加できるまで健康になった患者たちが土の中から引っ張り抜く。そこに妻の姿はない。やはり、医師が看ているのは、病そのものではなく、外傷ということなんだろう(p114)。  ホオヅキの皮が次第に落ちていくほどに、赤い円い実が一層色付くように、妻の命は最期の閃光を放とうとしている。作中何度も登場する季節外れの花々は、妻の「早季」の早すぎる死を暗示すると共に、生命の逞しさすら感じないだらうか。もう決して見ることのない夏空に咲く朝顔を、万物がきりりとする冬の朝の日差しの中に見た。それは「凜太」が祈りを託して買ってきた青と赤のびいどろのコップが織りなす色だった。そこにはもはや戦うべき敵の姿はなく、ただ命が咲くばかりだった。  凜の偏はニ水(にすい)といい、字形は仌で、氷の結晶にかたどる。稟は米倉の中の稲を意味し、天命をも意味する。凛とは、天命を前にして、おそれ慎しむ意味がある。本の表紙が氷の結晶なのは「凜」からきている。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I026598574

Posted by ブクログ

2020/10/05

ちょっと昔の小説を読んだような不思議な感覚。作者はまだ若い。結核病棟のそれも現代的ではない空気が感じられた。

Posted by ブクログ

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