学校の怪談 ベストセレクション 講談社青い鳥文庫

常光徹(著者), 楢喜八

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2015/07/11
• JAN: 9784062855020

商品レビュー

2022/05/22

学校にはたくさんの子ども達がいますが、それと同じぐらい怖いものや不思議なものがいます。友達とワイワイ楽しくしている間には気づかなかった何かが確かに息づいているのです。そっと覗いてみましょう。怖いものが平気ならね。

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小学校時代に怖い話に興味をもって、読む本といえばこの「学校の怪談（常光徹）」、「学校の怪談（日本民話の会　学校の怪談編集委員会）」、「怪談レストラン」だろうか。私は本日読み終えた「学校の怪談（常光徹）」シリーズではなく、もう一方のシリーズでだったため、この著者の本は初めて。
こちらのシリーズはとてもたくさんシリーズが出ているらしく、今からこのシリーズを追いかけるのは大変そうだが、手に取ったこちらは運よくベストセレクションとのことなので、著者のお気に入りの話を少しずつ読めるようだ。

冒頭に、中学生から実際に収集した話という事があるためか、内容は非常にあっさりしていて、怖がらせの表現は控えめ。
あった事実を整然と語っているだけなので淡々とした印象を受ける。

今まで他の怪談本で読んだことがある話や七不思議のような話もあったが、聞いた事がないような話もあり、面白かった。
世の中の中学生がこんなにたくさんの怖い話を知っていて、話していることに驚いたと同時に、非常に興味深い。

また、聞いた事がある話でも結末が違ったり、途中の話が違ったりしてそれも非常に良い。

特に「メリーさんからの電話」は多くが電話がかかってくる部分だけが強調されて、メリーさんがどのような経緯でメリーさんたる怪異になったかという事に触れている話は読んだことがなかったので、非常に面白かった。

他にも一人だけ時代のはざまに取り残されてしまった様な話の「かくれんぼ」、奇妙な夢の話「ちがうじゃねぇか」なども楽しめた。

他にもたくさん面白い話があって、さっくり読めて楽しい一冊だった。ベストセレクション以外も機会があれば読んでみたい。