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右傾化する日本政治 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784004315537 |
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右傾化する日本政治
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商品レビュー
3.9
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近読んだ新書の中では一番面白かった。 本書全体の内容は序章にコンパクトにまとめられているので、序章だけでも読むといい。 「右傾化する」といっても、ずっと常に「右」へとシフトしていったわけではないとする。 「右」に揺れれば「左」への揺り戻しが起こる。その後再び「右」へと転じる。近年の日本政治はまるで振り子のようだと筆者は例える。 しかし同時に、振り子自体が徐々に「右」へとシフトしているという。 したがって、「左」への振り戻しの後の「右傾化」は、以前よりさらに「右」へと移動する。 これは言い得て妙だと思った(4ページの図1および6ページの表1は実に分かりやすい)。 近年、ネット上のみならず言論界においても、論敵・政敵に「左翼」だとか「ネトウヨ」だとかいったレッテルを貼ることが多く、政治概念での「右」「左」の概念が相当に曖昧になっている。大抵の場合、こうした表現はあてにならないどころか、ただの悪口にすらなってしまうこともある。 なので、『右傾化する日本政治』という題を見たとき、これもまた同様のレッテルの類なのではないかと思った。 しかし、本書の冒頭で何をもって「右」とするかを定義し、この定義に従い「右傾化」が生じていると論じており、理解しやすかった。 さらに「右」にも様々な立場があるとして「旧右派連合」「新右派連合」という概念を用いているのは、本書ならではと言えるだろう。 これらの概念を旧来の「保守本流」「保守傍流」と重ねつつ、中曽根政権から第二次安倍政権に至るまで徐々に「新右派連合」が勢力を伸ばしている様子を図式的にまとめているのは、非常に分かりやすかった。 また、現在の日本政治を主導している「新右派連合」の政治家らが何を目指そうとしているのかもよく分かった。 また、本書では「リベラリズム」「自由主義」「新自由主義」を明確に区分し、概念の混同を回避しようとしている。 これも「右」「左」同様、明確に図式化して描かれている。 そして、民主党内にも様々な立場があり、自民党の現在の主流と同じく「新右派連合」を形成している集団があることを指摘しているのは面白い。 民主党の各グループがどのような系譜を辿って民主党に至ったのかを見るのは、日本政治全体を理解する上でも重要と感じた。 さらに自民党と読売新聞などのメディアが裏でどのようにつながっているか、自民党がNHKや朝日新聞に対してどのような攻撃を仕掛け、朝日新聞の購読者数減少に成功したのか、などにも触れられている。 昭和から平成にかけての日本政治の見取り図を端的に描いた作品と言える。 あまりにも明確に描かれているため、議論がやや単純化されすぎていたり反証になりうる事例が出されていない、などの欠点があるのも確かだが、新書という形態をとる本書は日本政治の概説書としては分かりやすく、内容も十分であると思う。
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過去の歴代政権を時系列でたどりながら政治を振り返ってみるという目的でもいい本です。アプローチはリベラリズムから見ているという前提を考慮して読む必要はあります。ただ政治の現在地としてなぜここに至ってしまったのか考える上で参考になるのではないのでしょうか。特に印象的なのは左派自由主義...
過去の歴代政権を時系列でたどりながら政治を振り返ってみるという目的でもいい本です。アプローチはリベラリズムから見ているという前提を考慮して読む必要はあります。ただ政治の現在地としてなぜここに至ってしまったのか考える上で参考になるのではないのでしょうか。特に印象的なのは左派自由主義が新自由主義とは似て非なるものであり決別の意思を感じ取れるのですが今の中道左派はどう考えているのでしょうか。
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戦後から日本がどのように「右傾化」していったのかを辿る。保守について論ずる時、欧米ではグローバル化、宗教、多様性などが、論点になる印象の一方、日本では安全保障、平和主義、歴史修正主義などが議論の中心となるように感じた。
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