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しろいろの街の、その骨の体温の 朝日文庫
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しろいろの街の、その骨の体温の 朝日文庫

村田沙耶香(著者)

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しろいろの街の、その骨の体温の 朝日文庫

定価 ¥770

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2015/07/07
JAN 9784022647849

しろいろの街の、その骨の体温の

¥550

商品レビュー

4.1

310件のお客様レビュー

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2024/09/04

本は、いつでも自分が欲しかった答えをくれる。 最近、中学校の同窓会が開かれたが、生徒の8割が欠席した。 もちろん、私もその1人だ。 私が中学生の頃は、この本と同じく子どもが溢れかえるほど沢山いて 3年間あったとしても1/3とはクラスも一緒にならないほどだった。 クラスが同じにな...

本は、いつでも自分が欲しかった答えをくれる。 最近、中学校の同窓会が開かれたが、生徒の8割が欠席した。 もちろん、私もその1人だ。 私が中学生の頃は、この本と同じく子どもが溢れかえるほど沢山いて 3年間あったとしても1/3とはクラスも一緒にならないほどだった。 クラスが同じになったとしても、話さなかった人も含めると おそらく約半数ほどの人間とはほぼ初対面になるだろう。 だから、それもある。 私は、なぜ自分が行かなかったのか、 そして、同窓会に対する(もっと詳しく言えば同窓会のその雰囲気に対する) このモヤモヤとした気持ちはなんだろうとずっと考えてきた。 参加した2割の人達はとても楽しそうだった。 それを見ると、『素直に行けばよかった…』とも思った。 もちろん、同窓会に参加している人に嫌な思いをさせられたことなどないし(一部を除き) 行ったら行ったで楽しめる自分も容易に想像できた。 (私は所謂太宰治でいうピエロのような役回りの存在だった) だったらなぜ。 私は、中学生の時の自分が嫌いだった。 人から嫌われることに怯え、常に道化を演じる自分が嫌いだったし辛かった。 しかし、そこに歪んだ愉悦も覚えていた。 もちろん、仲の良い友達と心から楽しく過ごしている時間は別として、だ。 なので、最初はそんな自分に戻りたくないからだと思った。 それもあるが、もっと根本的なところに答えはあった。 この本の中で、グロテスクに描かれているスクールカースト。 それは当たり前に私の学校にもあった。 あったのだ、確実に。 そして、本文を引用するならごくごく一部の『幸せさん』を除き、 全ての生徒の中にそれはあった。 そこまで明確にはなくとも、確実に存在していたのだ。 下層の人間はもちろん、上層の、所謂『容姿が良くてモテていた層』であったとしても それを意識しないで生きてきたとは言わせない。 そして、生徒の約8割を占める中間層。 本書で言うところの主人公である。 そこが1番、熾烈で、過酷で、グロテスクなのである。 それ以上落ちようも無いところにいるわけではなく、確固たる地位が保障されているわけでも無い。 毎日、ひやひやとした戦線を潜り抜けている感覚。 全ての人間が傷つき、傷つけて生きていたはずだ。 意識的にも、無意識的にも。 それを、なかったことにはできない。 なかったことにして欲しくなかった。 大人になったから、それを俯瞰で見るのならいい。 『かつて存在したもの』として、丸ごと、生々しい痛みさえも懐かしいものとして抱えるのであればいい。 だけど、なかったことにして、仲良くなかった人や、話したこともない人、そして、傷つけてきた人と 笑って肩を組んでお酒を飲むことはできない。 そこにこそ、言いようのないグロテスクさを感じるのは、私だけなのだろうか。 かつて好きだった人と話ができた、写真が撮れた、 といった話と同じくらい かつて嫌いだった人に嫌いと言えた、 という話も同じ価値のある良い話であると思う。 どちらも『確固たる自分の価値観や意思』を言葉にした 本書の言葉を借りれば『世界に触れた』瞬間であるのだから。 もし、私が今後同窓会に行くことがあれば、その時は 『世界に触れる』覚悟を持って行こうと思う。 その波紋はさぞかし美しいであろうと思う。

Posted by ブクログ

2024/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思春期の女の子の成長を新興住宅地に重ねた考えが面白く納得しました。小学生から中学生の間の精神と身体的な急成長による悩みは彼女らにとって世界のすべてなのが伝わり、またリアルで共感しました。ずっとこのままじゃないのかと絶望しながらも、終盤に視界が開けたとき、同じく新興住宅地の開発も始まる終わり方は先が明るいことを示唆しています。そのことがこの物語をすっきりとした読了感で味わえると思います。

Posted by ブクログ

2024/08/05

2024.8.5読了 クラスで目立たない存在の結佳の、小学生から中学生までのお話し。 うぅ、、。辛い、ヒリヒリシクシクするこの感じを村田さんが上手に書いてくれていて、自分の中学時代を思い出してしまったなぁ。 「○○のこと無視していいからぁ」とか、違う人がターゲットになると今いじめ...

2024.8.5読了 クラスで目立たない存在の結佳の、小学生から中学生までのお話し。 うぅ、、。辛い、ヒリヒリシクシクするこの感じを村田さんが上手に書いてくれていて、自分の中学時代を思い出してしまったなぁ。 「○○のこと無視していいからぁ」とか、違う人がターゲットになると今いじめられてる人はしれーっと前いたグループに戻ってるとか、よくあるのよね。今思えば大したことなかったんだけど、当時はホント怖くて怖くて。次のターゲットになっちゃったらどうしようって。ささいなことでターゲットになって。あー怖いね。大人も上下あるけど、大人だから普通に対応するじゃない?ほんと、大人になれて良かったー。 タイトルがまた、ぴったりなんですよね。読み終わったあとタイトル見て、うーん♡てなった。

Posted by ブクログ

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