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しろいろの街の、その骨の体温の の商品レビュー

4.1

335件のお客様レビュー

  1. 5つ

    115

  2. 4つ

    123

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

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2025/02/04

評価が高かったから読んだけど刺さらなかった。 小学校から中学校にあがって、カーストに分けられて仲良かったのに別のグループになるとかリアルではあったけど、、、んーーーー どこが面白くてみんな高い評価にしているのかわからない。

Posted byブクログ

2025/02/02

ずっしりと重い質量のある感情がもやもやと大きくなって、読み終わったあともしばらくもやもやしていました。 嫌なもやもやではなく、結佳ちゃんのことを全部受け止めて理解しきれない切なさのような感じです。 教室の中のリアルさは学生時代を思い出してあんな露骨でシビアな世界に晒されていた自分...

ずっしりと重い質量のある感情がもやもやと大きくなって、読み終わったあともしばらくもやもやしていました。 嫌なもやもやではなく、結佳ちゃんのことを全部受け止めて理解しきれない切なさのような感じです。 教室の中のリアルさは学生時代を思い出してあんな露骨でシビアな世界に晒されていた自分、よく頑張っていたなあと思いました笑 村田先生の小説を読んだあとは、毎回普通の人間とはどんなひとのことだろうかと考えてしまいます。

Posted byブクログ

2025/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思春期第二次性徴期だからこその悩み、葛藤、衝動が顕著に描かれている。 途中で工事が中断した不完全な白い街と骨がわかりやすく象徴されている。ここまでわかりやすく、言葉を尽くしてくれて、村田沙耶香さんが下界に降りてきて下さった!って感じがある。 スクールカーストの中にいた透明な自分と、はみ出た時の本当の自分の視点との対比。自分の容姿に対するコンプレックスと他人の観察。この辺りの描写がすごくて、何度も読み返したい作品だと思いました。 すごく好き。 西加奈子さんの解説にあったけれど、村田沙耶香さんの作品って人にすすめにくい気がします。ひりひりした生傷のまま、感情剥き出しって感じだから、リアル人間関係でこういうのが好きなんです!と言いづらいと言うか…。本当の自分を出していないんですねー。

Posted byブクログ

2025/01/20

ニュータウンに暮らす小学四年生の女子が、開発で広がっていく街と、日々成長していく自身の体や心を重ねながら成長してゆくお話。 思春期の女性を描いた作品は数あれど、今まで読んできた他の本と比べると、心情や身体に関する描写が極めてリアルで少し怖かった。 そして何よりも、自身の成長を日...

ニュータウンに暮らす小学四年生の女子が、開発で広がっていく街と、日々成長していく自身の体や心を重ねながら成長してゆくお話。 思春期の女性を描いた作品は数あれど、今まで読んできた他の本と比べると、心情や身体に関する描写が極めてリアルで少し怖かった。 そして何よりも、自身の成長を日々感じながら、その正体が分からないが故に受け入れられずに苦悩し、とにかく「気持ち悪い」と思ってしまう主人公が持つ鬱屈したパワーに、思春期の時の自分を無理やり引っ張り戻されるような感覚。その吸引力がとにかく凄い。 主人公を取り巻く登場人物も、無垢で残酷な子ども達ばかりで、読み進めるたびに何だか少しずつ苦しくなってくる。 ただ物語を通して蓄積されていくそのパワーが最後に爆発する時、読んでいるこちらの気持ちも何か解放されるような気がした。 大人も楽しめるが、中学生以上の子も読んでみてもよいのではないかと思う。性に関する描写が結構リアルなので万人におすすめは出来ないが、言語化できない自分の中に溜まった澱の正体が少し分かるかもしれない。

Posted byブクログ

2025/01/10

誰もが一度は抱える思春期の問題をリアルに表現されていて、そのリアルさに何度か読むのを止めようと思った。ニュータウンが開発されていく様子と骨の成長、それが同時に止まってからの何処にも行けない心の状態がリンクしていて入り込みやすい世界観だった。自分は他人とは違うとか少し大人になった気...

誰もが一度は抱える思春期の問題をリアルに表現されていて、そのリアルさに何度か読むのを止めようと思った。ニュータウンが開発されていく様子と骨の成長、それが同時に止まってからの何処にも行けない心の状態がリンクしていて入り込みやすい世界観だった。自分は他人とは違うとか少し大人になった気分に浸っていたり、他人を観察することで自分を安心さる事はとても解る。他人の価値観に合わせて演じることは楽で自分を守れるけど、いつしか本当の自分を出すことが出来なくなり空気を読む事に慣れてしまったりする。中高生の時に出会いたかった。

Posted byブクログ

2025/01/01

高校生の頃、一人一人は優しくて普通に話してくれるのにクラスの中やグループになるとどこの輪に入れてもらえない、話しかけると困ったように苦笑いされる。そんな経験を思い出した。 同情と蔑みと少しの罪悪感から2人きりの時だけ相手をしてあげている、結佳の姿を見ていると、そうか私はそんなふう...

高校生の頃、一人一人は優しくて普通に話してくれるのにクラスの中やグループになるとどこの輪に入れてもらえない、話しかけると困ったように苦笑いされる。そんな経験を思い出した。 同情と蔑みと少しの罪悪感から2人きりの時だけ相手をしてあげている、結佳の姿を見ていると、そうか私はそんなふうに見られていたんだなと思い知らされた。 主人公の結佳は、きっと頭がいい。だからクラスメイトや教室での「上下関係」が見えてしまう。そんなに苦しむくらいなら、なにもわからず気づかずのんきに過ごせた方がずっと楽だろうに。 性的にも恐らく早熟で、でも心は不安定で、容姿へのコンプレックスも相まってどんどん拗らせていく。その解像度と表現力の高さに、読んでいるだけで苦しくなる。 「そんなに自分を追い詰めないで、伊吹の優しさに甘えてみればいいのに」 と、何度も何度も祈ってしまった。 本心を知られてボス的存在の女子に目をつけられるのを恐れて、ダミーの好きな人を作るが、それが仇となってダミーに痛烈な言葉で振られたことで 「偽物の自分が傷つくくらいなら、きちんと伊吹で傷つきたい。」 と、暴走してしまうところは、結佳の強さを感じた。 普通は逆だ。私だったら、本物が傷つきたくないから、偽物を差し出す。 小学生の頃からの結佳の衝動性を見ていれば、納得なのだけれど。 必死にしがみついていた教室での安全なポジションも失い、落ちるところまで落ちた後に開けた視界。怒りを隠すことなく表現する信子ちゃんとの衝突。人を馬鹿にする大嫌いな男子への初めての反撃。そんな自分に向けられた数々の心無い言葉たち「きもーい」「気持ち悪い」「死ね」 それと時を同じくして、初めての性の目覚め。 それらを大事に受け止めることで、ちゃんと自分になれたと、まさに、憑き物が落ちたように生まれ変わる。 最後、伊吹としっかりと言葉で向き合えて、本当によかった。

Posted byブクログ

2025/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クラス内のヒエラルキー、急激に変化する自分の体といやでも思い知らされる容姿の差、性への目覚め、自分は他の人とは違う特別な存在と思いたいこと。 思春期だったら誰もが感じたことがぜんぶぜんぶ詰まっていて息が詰まりそうだった。(人生の回想すぎて) 白い町に閉じ込められていた結桂は自分のことを自分の皮膚の下にある白い骨の中に閉じ込めてしまっていた、俯瞰してものを見る斜に構えた態度を“するしかなかった”結桂が信子のことを心の底から綺麗だと言ったとき、もう成長することはない骨の外に結桂が出てこれたと思った。 伊吹への気持ちを恋愛感情だと認められない、認めるなんて、と怯え 暴力的にしか発散できない結桂を抱きしめてあげたかった。 “正しさ”だけでは生きていけない思春期のなかで伊吹の存在だけがずっと希望にみえた。被害を受け続けながらも何度も何度も結桂に向き合ってくれてありがとうと思ってしまった、ごめんね。でも本当にありがとう。

Posted byブクログ

2024/12/23

小学生から中学生になった結桂、信子、若葉。 クラスのカーストの中で考え抜いた行動をとりながら伊吹に発情する結桂も「変身してやる」宣言をして自分の美に突き進む信子も、熱い。 熱く生きてる様に苦しくなる 西加奈子さんの解説が自分のきもちを的確に教えてくれた 「誰かをおかしいと思うとき...

小学生から中学生になった結桂、信子、若葉。 クラスのカーストの中で考え抜いた行動をとりながら伊吹に発情する結桂も「変身してやる」宣言をして自分の美に突き進む信子も、熱い。 熱く生きてる様に苦しくなる 西加奈子さんの解説が自分のきもちを的確に教えてくれた 「誰かをおかしいと思うとき、それは本当に、自分の気持ちから立ち上がった思いだろうか。美しくなりたいと願うとき、その美しさは本当に、自分が心の底から思った美しさなのだろうか」 自分のほんとうの美しさをみつけられるかな もう半分をとうに切ったこの人生を終えるまでに

Posted byブクログ

2024/12/17

あまりにもリアルでむごかった、、 私自身中学のときまさにこのカースト制度や女子の上辺だけの関係が嫌で嫌で、本当に居心地が悪くて、その全ての印象が言語化されていて恐ろしかった、、心の中を覗かれたみたい 黒歴史を思い出してしまった〜嫌だ〜(褒めてる) 無機質な街の表現、自身が斜に構...

あまりにもリアルでむごかった、、 私自身中学のときまさにこのカースト制度や女子の上辺だけの関係が嫌で嫌で、本当に居心地が悪くて、その全ての印象が言語化されていて恐ろしかった、、心の中を覗かれたみたい 黒歴史を思い出してしまった〜嫌だ〜(褒めてる) 無機質な街の表現、自身が斜に構えて特別であるように思い込んだ心情表現、全てが良かったしリアルだった 恐ろしい...

Posted byブクログ

2024/12/17

良い意味で、二度と読みたくない。 10年近く封じ込めた暗黒の中学時代がフラッシュバックして、羞恥心のあまり何度も叫びたくなったし、すごく泣きたくなった。 私にも教室に蔓延る狭い価値観に囚われて身動きができなくなった時期があったし、なんなら今だって広さが世間になっただけの価値観に囚...

良い意味で、二度と読みたくない。 10年近く封じ込めた暗黒の中学時代がフラッシュバックして、羞恥心のあまり何度も叫びたくなったし、すごく泣きたくなった。 私にも教室に蔓延る狭い価値観に囚われて身動きができなくなった時期があったし、なんなら今だって広さが世間になっただけの価値観に囚われていると思う。 だけど中学生の自分よりはよっぽど自分の価値観でものを見ることができていると思うから、タイムスリップして当時の私に「自分の価値観で生きてもいいんだよ」って一言言いたくなった。

Posted byブクログ