文集

ミムラ(著者)

• 販売会社／発売会社: SDP
• 発売年月日: 2015/07/01
• JAN: 9784906953301

商品レビュー

2016/08/04

◆きっかけ
Amazon読みたいリストからの移動 2016/8/4
◆感想
高校生の時にビギナーを見て以来、好きだったミムラさん。彼女が本を出していることを知り、読んでみたいと思っていた。図書館でリクエストして。能登町立中央図書館からの他館貸し出しを利用。
同時に借りた ミムラの絵本日和 の方に今回は興味が行って、こちらは途中からざっと読み。p66で魔女の宅急便のキキとウルスラはどちらも声は高山みなみさんだったとあり、声を思い出してみて 確かに！と驚いた。
演じた役のことや、読んだ本をテーマにしている文章が特に好きだった。
トットチャンネルで演じられていた向田邦子さん役がすごく好きだったけれど、それ以前にも向田さんを演じていたことをここで知った。「おまえなしでは生きていけない 〜猫を愛した芸術家の物語〜第三夜 向田邦子」だそう。見てみたい。2017/7/1

2015/09/01

以前からミムラさんのブログを読んでいて感じていたのだが、彼女の日常への視点と切り取り方が、向田邦子さんに似ていると思う。観察眼の鋭さとか、良いものや素敵なものに対する敏感さとか。それはすなわち優れたエッセイストとしての資質だと思う。
幼少期の思い出や、好きな食べ物などに関するエッセイたちは、どれもクスッと笑えて温かいものだ。
しかし、女優として自身の出場作を振り返った部分では、壮絶な経験と、血のにじむような努力が語られる。この部分はファンとしても衝撃的だった。知的で優しげな風貌、またどこかのんびりした印象のエッセイからは想像がつかないものだ。役者がいかに過酷な仕事かというのが垣間見える。
このエッセイで知ったのは、彼女が仕事、そして目の前にあるものや人に対して非常に真摯であるということだ。それが彼女の文章の、また芝居の魅力に表れているのだ。ますますファンになりました。