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トマス・クイック 北欧最悪の連続殺人犯になった男
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784152095442 |
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トマス・クイック 北欧最悪の連続殺人犯になった男
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商品レビュー
4.8
4件のお客様レビュー
人は自分が見たいものしか見ないのだ。 薬物依存症(医者の処方により坂道を転げるように重症化していく)の患者が語る嘘連続殺人の自白を(殺害現場の状況を何一正しく語れていない)、盲信の元にパズルを組み立てるがごとく事実に仕立て上げ、裁判で有罪判決までにいたらせた人達。そして、数多の人...
人は自分が見たいものしか見ないのだ。 薬物依存症(医者の処方により坂道を転げるように重症化していく)の患者が語る嘘連続殺人の自白を(殺害現場の状況を何一正しく語れていない)、盲信の元にパズルを組み立てるがごとく事実に仕立て上げ、裁判で有罪判決までにいたらせた人達。そして、数多の人と面会し膨大な資料を読み込み、全てを調べあげ白日の下に晒した著者であるジャーナリストは、この本の原稿完成直後に亡くなり、その後、お騒がせ犯は無罪となったそうである。カッコ良すぎですな。 (もちろん、捜査チーム側にも疑惑の眼差しを向け、狂言と確信した人は多数いたが、それでも有罪判決となっている) 「みんな、ものすごくうれしそうだった!〜中略〜おれたちはおしゃべりしながら次々とたいらげた。あれじゃあまるで現場検証の成功のあとで殺人犯が祝福されているみたいだった!胸くそ悪くなったし、ぞっとしたね……」P273 人は見たいものしか見れないと、常に忘れずに生きたい。
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多くの登場人物の名前が非常に似通っている。 特に厄介な箇所は、同名の病院関係者と警察官が絡む場面。本書の容疑者のファミリーネームとそのセラピストのファーストネームが似通っている場面(この二人は絡みが多い)。 他にも似通った名前(たとえば容疑者の弁護人と、その共同会社設立者など)が...
多くの登場人物の名前が非常に似通っている。 特に厄介な箇所は、同名の病院関係者と警察官が絡む場面。本書の容疑者のファミリーネームとそのセラピストのファーストネームが似通っている場面(この二人は絡みが多い)。 他にも似通った名前(たとえば容疑者の弁護人と、その共同会社設立者など)が多いし、そもそも馴染みの薄い北欧の人物名が難しく、人物関係が混乱して非常に読みにくい。昔読んだドストエフスキーを思い出す。 但し内容は非常に素晴らしく、面白い。 翻訳のルールなど考えずに登場人物の表記を日本人に分かりやすく変更出来れば、本書は名著になるのでは。 「シリアルキラー」「冤罪」「心理学」「ジャーナリズムの勝利」など日本人に大人気のテーマだし。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トマスクイックと名乗り、30人以上の人間を殺し、遺体の一部を食べたと自白していたスウェーデン人の犯罪者を記者が掘り下げた話なのかな~、と思っていたら、実はそれがすべて冤罪だったという恐ろしい話。 第1部で、トマスクイックが犯罪を自白して有罪が次々と確定していった最後に、実は自分は殺していないんだ、と作者に話す部分を読んで、鳥肌が立ちました。これが随分と昔の話というのであればまだしも、2000年代に入ってからこんな大規模な冤罪が。 第2部は主に著者がひたすらトマスクイックの取り調べや判決について詳細に調べていくシーンが描写され、最後の第3部が、それまでの流れが覆っていくやりとりがまとめられています。 人生に一度だけ、自分は冤罪で市長をやめさせられたんだ、という人に会ったことがありますが、こういうことが実際に起きているんだな、と思い出させられました。 とにかく衝撃の次々と出てきて、かたずをのんでいる間に終わってしまった印象。厚みも重みもありますが、読む価値十分の一冊でした。
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