原発労働者 講談社現代新書2321

寺尾紗穂(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2015/06/19
• JAN: 9784062883214

商品レビュー

2025/09/06

作者（シンガーソングライター兼文筆業）がライブで「絶版になったので自費出版した」と言っていた本。図書館で借りました、すみません。
原発の現場で働いていた人達へのインタビューだが、日常的に原発の中で何が行われていたのか、それがどう問題なのかが分かりやすく書かれている。以前に原発での事故が報道された際に、ルールを守らない労働者の問題かと思っていたが、雇う側に問題があるんだな、と。
放射性廃棄物を何万年も保管しないといけない以上「原発の電気は安い」と言うのは嘘だと思っていたが、原発を普通に動かす中にもこれだけのデタラメが行われ、社会的に弱い立場の人（外人まで・・・）が犠牲になっていると言う事実に愕然。インタビューの内容は昔の話だが、今でも改善しているとは思えない・・・。多重請負も続いてるんでしょう。原発はいろいろダメだなと思った。

2023/08/30

著者の取材姿勢や書きぶりは誠実だ。どのような経緯で取材を始めたのか、どのようにしてインタビュイーを見つけたのか、著者自身がどのような気持ちや考え方でインタビューをしたのか、インタビュイーはどんな人なのか、インタビューで、語られたことの信憑性や一般性について、著者自身がどこまで確認できているか、等々、できる限り単純化や図式化を避け、その上で自身の思いを述べている。汚染水の放出や原発再稼働が既得権層によって叫ばれる中、この本が多くの心ある人に人にもっと読まれるべきだと思う。

2018/12/29

ここに収録されているのは、たくさんの原発労働者の中のほんの数人の語りでしかない。だけど個人の、生の体験からしか捉えられないものがある。