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剣の刃 文春学藝ライブラリー13
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2015/06/20 |
JAN | 9784168130373 |
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
名著だと思う。訳書であるが、読みにくさは全くない。 私は、シャルル・ド・ゴールが生きた時勢と比べれば平和なときを生きている。戦争を経験したことはない。だからこそドクトリンの章は馴染まなかったが、威信の章などには集団を指揮する人間が覚えておいて損はないことが相当書かれていて、引...
名著だと思う。訳書であるが、読みにくさは全くない。 私は、シャルル・ド・ゴールが生きた時勢と比べれば平和なときを生きている。戦争を経験したことはない。だからこそドクトリンの章は馴染まなかったが、威信の章などには集団を指揮する人間が覚えておいて損はないことが相当書かれていて、引き込まれた(軍隊を指揮することと平時の集団を指揮することは性質を異にするものであるが。) 人を指揮することやリーダーシップなどに関する本が巷にたくさんあり、それらは本のタイトルから何が書いてあるか直接的にわかるもので、本の中身も読者が解釈する手間が少ない本が多い。しかし我々はときに、私たちが自ら解釈と消化を丹念に行う必要のある本書のような本に向き合うべきだ。 平和な時代を生きる我々は戦時下の軍や国の指揮官から何を学べるのか。それを知るためには、読み、理解し、述べられている事実を一般化し、自らの領域に導入するという手間が必要である。歴史から学ぶにはこれを怠ってはいけない。
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P20 ベルクソンの分析によれば、「知性は流動的な現実に接するとき、不安を抱く」。 すなわち、彼は言う。 「思考のどの範疇も生の事象にはピタリと、当てはまるということはない。したがって、人間は苦痛を感じるのである。この生成流転する生の事象を我々の思考の枠内に押し込めようとすれば必...
P20 ベルクソンの分析によれば、「知性は流動的な現実に接するとき、不安を抱く」。 すなわち、彼は言う。 「思考のどの範疇も生の事象にはピタリと、当てはまるということはない。したがって、人間は苦痛を感じるのである。この生成流転する生の事象を我々の思考の枠内に押し込めようとすれば必ず枠の方が先にこわれるだろう。なぜならこの枠は狭く硬直し過ぎているからである。人間の推論は固定的かものに対するときは自信に満ちているが、かような未知のものに対すると不安を憶える。」と。 そこで直観、本能が必要になってくるが、決して知性が無用なわけではない。 指揮官に必要なのは、知性、本能、権威(P38)であり、そうした指揮官の養成こそ最大の戦争準備である。
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戦争において、状況把握は本能、状況の整理と構造化は知性が行う。どちらもなければならない。 軍人にも知性は必要だし、理論家・研究者とて本能を鍛えなければならない。 そして、リーダーに必要なのは自分が成功させてやるという気骨であり、それが無ければどんな能力も無駄である。成功すれば部下...
戦争において、状況把握は本能、状況の整理と構造化は知性が行う。どちらもなければならない。 軍人にも知性は必要だし、理論家・研究者とて本能を鍛えなければならない。 そして、リーダーに必要なのは自分が成功させてやるという気骨であり、それが無ければどんな能力も無駄である。成功すれば部下を奨励し、失敗すれば責任を全て負う。その様な覚悟とたゆまぬ自己規律こそ権力をもつリーダーには必要であり、軍人たるもの自己規律と自己犠牲を怠ってはならない。その様な犠牲の代償として武器という力を持つことが許されている。 なにごとも状況に依存する。普遍的な理論などなく、状況に応じて型を適用するしかない。組織論、戦略論の究極体である軍隊にこそ、マーケティングにも通じるものがある。 あと、平和な時代には軍は疎まれるが、群衆はもっと軍に感謝しなければならない。 日本で言えば戦争反対はするべきだが、いざ戦争になった時の備えはかかしてはならないと教訓を得ることができるのではないか。
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