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もののはずみ 小学館文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2015/06/05 |
JAN | 9784094061772 |
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はたから見ればただのがらくたに過ぎない中途半端な物たちに惹かれる著者が、主にフランスで出会った物たちについてペンを走らせた好エッセイ。 スライド映写機、珈琲ミル、陶製のペンギン、木製のトランク、ドアノブ、キッチンスケール、木靴、ビー玉etc. 年代物の高価な骨董品ではなく、2...
はたから見ればただのがらくたに過ぎない中途半端な物たちに惹かれる著者が、主にフランスで出会った物たちについてペンを走らせた好エッセイ。 スライド映写機、珈琲ミル、陶製のペンギン、木製のトランク、ドアノブ、キッチンスケール、木靴、ビー玉etc. 年代物の高価な骨董品ではなく、20年から100年くらい前の使われなくなったものたちである。 「物心」という言葉があり著者はそれに心思いを馳せる。 もののはずみで買ってしまったものたちは、著者と心を通わせ世界を広げるための力となっていく。 堀江敏幸さんの文章は、小説にしてもエッセイにしても独特の静けさを持っていて大好きだ。 芥川賞作家であり、明大教授の堀江さんは毎日多忙な生活を送ってらっしゃると思うのに、彼の描く世界はまるで時がゆっくりと再生しているようで、その静謐の中に贅沢な空間を見出す。 劇的主題を持つわけでもなく、強烈な光を放散するでもなく、レトリックに凝るわけでもない。 静かに時を流し、静かに独創的な世界を作り上げる。 その白き静けさに堀江さんの文章を読んでいるとゆっくりと満たされていくのだ。
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ものが持つ、独特のいい雰囲気。 堀江さんがここで取り上げるのは、フランスの蚤の市や古道具屋で見つけた過去の生活道具たち。 アンティークとしての価値がつくほどまではいかない、ちょっと過去の生活道具。 そのもののもつ、独特なたたずまいを、短いエッセイの中で掬い取っている。 古道具を...
ものが持つ、独特のいい雰囲気。 堀江さんがここで取り上げるのは、フランスの蚤の市や古道具屋で見つけた過去の生活道具たち。 アンティークとしての価値がつくほどまではいかない、ちょっと過去の生活道具。 そのもののもつ、独特なたたずまいを、短いエッセイの中で掬い取っている。 古道具を自分の生活に取り入れたり、そうでなくても賞翫するというのは、センスがないとできるものではない。 この本で、自分は文章を通して、堀江さんの目を通してそれらのものに触れて、良さがわかった気がしているが、実際にそのものを見て、その良さがわかるとは思えない。 写真や文章から漂うおフランス的な雰囲気への憧れもあるのか、と幾分やっかみながら、そう思う。 ただ、ものが、あるものの隣に置いたとたんに精彩を放ち始めたり、違う光、違う空気の中にあることで、魅力を失ってしまうことは、自分の経験にもある。 そういうところのリアルさは、よく理解できる。
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偶然に出会った「もの」たちをめぐるエッセイ集です。対象に対する逸話と愛情が、心地よく混じり合っています。 小川洋子さんとかなら、これら「もの」たちをモチーフにして物語を紡いでいるかもしれません。しかし、堀江敏幸さんの場合、あくまでエッセイにとどめている感じが個人的には好印象です...
偶然に出会った「もの」たちをめぐるエッセイ集です。対象に対する逸話と愛情が、心地よく混じり合っています。 小川洋子さんとかなら、これら「もの」たちをモチーフにして物語を紡いでいるかもしれません。しかし、堀江敏幸さんの場合、あくまでエッセイにとどめている感じが個人的には好印象です。
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