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障害者殺しの思想 増補新装版
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 現代書館 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784768435427 |
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4件のお客様レビュー
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やはり、横田氏の「障害者が健全者に迎合するということへの強い批判」が印象的。 障害者当事者の視点の強さ、その確固たるもの。 障害者が健全者の文化に入っていくのではなく、障害者は障害者の文化を築く、築かざるを得ない、そして健全者と障害者の文化がぶつかっていくこと自体が「闘争」であり...
やはり、横田氏の「障害者が健全者に迎合するということへの強い批判」が印象的。 障害者当事者の視点の強さ、その確固たるもの。 障害者が健全者の文化に入っていくのではなく、障害者は障害者の文化を築く、築かざるを得ない、そして健全者と障害者の文化がぶつかっていくこと自体が「闘争」であり「ふれあい」だ、という考え方(「文化」を「エゴ」に置き換えたほうが、より横田氏の意図に近い)。 たしかにそうかもしれないと思いつつ、あまりにハードで、非融和的・非妥協的で、いつまでも摩擦がなくならなそうで、社会の多くの人にとっては受け入れがたいのではないか、と。 そしてその「多くの人にとっては」という(自分の)発想こそが、マジョリティとマイノリティの構図になっている、という、デッドロック的な状態なのか。 とにかく、横田氏自身が、意思と思想が非常に強い。障害者であることを差し引いても、だと思う。誰もが(特に障害者が)、強く自分の立場、状況を意識し、その上で強く意思を表明していくべきである、という考え方。共感する部分はあるが、たくさんの人がうごめく社会のなかで、実際に難しいんだよね。コテンラジオの民主主義の話ともつながってくる気がする。
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著者の横田氏は1933年横浜生まれ、2013年に80歳で亡くなった。本書は1974年にしののめ発行所から刊行された『炎群(ほむら)──障害者殺しの思想』に加筆修正して1979年にJCA出版から刊行された『障害者殺しの思想』を、2015年に増補新装版として復刊されたものだ。 ...
著者の横田氏は1933年横浜生まれ、2013年に80歳で亡くなった。本書は1974年にしののめ発行所から刊行された『炎群(ほむら)──障害者殺しの思想』に加筆修正して1979年にJCA出版から刊行された『障害者殺しの思想』を、2015年に増補新装版として復刊されたものだ。 著者は生まれつき脳性麻痺の重度身体障害者で、歩くことはもちろん、食事から排泄まで全て介助を必要としていた。戦前のことなので学校も町もバリアフリーには程遠かったろう。小学校に通うことも当然のように「免除」され、兄に文字を教わったそうだ。 本書は1970年に起きた、脳性麻痺の子供を母親が殺害した事件に対する減刑嘆願運動への批判から始まる。当時、障害児の世話に疲れて我が子を手に掛けた母親が世間から同情されて無罪になる事件が相次いだことに対し、それでは障害児は殺されても仕方ない存在だということになり、自分たちの生存権を否定されることになるというのが彼の主張だ。 その他、優生保護法の問題点や、経済的に役立たない者が抹殺される資本主義社会への批判、善意を装った差別への糾弾などが強い熱意を込めて語られている。著者が取り組んだテーマの中で大きなものは学校教育における障害者の扱いで、障害のある児童が強制的に養護学校へ入れられる制度に強く反発し、希望すれば普通の学校で健常児と学べることが障害児と健常児の双方にとって良いことであるとの信念を持っていたようだ。 70年代という時代背景と彼の活動した団体(青い芝の会)の傾向によるものか、安保闘争時代の学生運動のアジビラみたいな論調と言葉遣いが随所に見られる。現在であればこんなに強く激しい言葉で物を言う人は「めんどくさい人」として敬遠されるだろう。と言うか当時もそうだったと思われる。74年の時点で41歳だった著者はその後ほぼ同じ年月を生きたわけだが、晩年はどのような人物になっていたのだろうか。 本書を読んで印象的なのは、70年代はまだ人口爆発が懸念されていて、このまま人口が増え続けたら日本はパンクしてしまう!という心配をしていたのだということ。半世紀も経たないうちに少子化で人口減少に転ずるとは全く思っていなかったのだろう。そして同時に高齢化が進んだことで、社会のバリアフリー化が進んでいる。障害者というマイノリティのためには遅々として進まなかったであろう対策が、マジョリティの問題になったことで急速に進んだということは、良いことかどうか微妙だが。
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