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最果てアーケード 講談社文庫
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最果てアーケード 講談社文庫

小川洋子(著者)

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最果てアーケード 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2015/05/01
JAN 9784062931021

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最果てアーケード

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商品レビュー

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2024/07/15

この物語は「小さい時の思い出から」と、エッセイ『遠慮深いうたた寝』に書いてあった。 だから、このアーケードでの出来事を語る「私」とは小川洋子さんだ。 小川洋子さんは、岡山市中区森下町で生まれ育ち、11歳に祇園町に引っ越している。 岡山市のどのアーケードの思い出なのだろうと思って...

この物語は「小さい時の思い出から」と、エッセイ『遠慮深いうたた寝』に書いてあった。 だから、このアーケードでの出来事を語る「私」とは小川洋子さんだ。 小川洋子さんは、岡山市中区森下町で生まれ育ち、11歳に祇園町に引っ越している。 岡山市のどのアーケードの思い出なのだろうと思っていたが、パリのパサージュをイメージしていたそうだ。 日常の「とるにたらないものもの」への想いを綴った、江國香織さんの作品を思い出したが雰囲気は違った。 「最果てアーケード」は、だれがそんなものを必要とするの?という品物を扱っている商店の人々の物語だった。 『ブラフマンの埋葬』でもそうだったが、本書も人の名前が出てこない。 舞台となるお店が違う10篇の物語でできているので、"店主さん"と呼べばどの店の店主さんか分かるのだ。 人物が多人数登場する小説が苦手な私にとってはありがたい。 名前で呼ばれるのは飼い犬の べべ だけだ。 登場人物は、 物語を語る「私」。私の「父」。 レース屋の店主、かつて衣装係だった老女。 百科事典のセールスマン、同級生のRちゃん。 義眼屋の店主、(店主の)婚約者さん、兎夫人。 輪っか屋(ドーナツ屋)さん、元体操選手。 紙店の店主(レース屋の姉)、雑用係のおじいさん。 ドアノブ専門店の店主"ノブさん"。 未亡人の勲章店の店主。 遺髪レース編み師。 軟膏屋さん。 大学の助手。 どんな商品を扱っているお店かは、登場人物の呼び方でわかると思うが、 こんな(商売になりそうもない)お店が連なっているアーケードなどあり得ない風景だ。 だが、昔はアーケードの中のどこかに、似たような雰囲気のお店が紛れ込んでいた記憶がうっすらとある。 その品物が必要で探し求めてくるお客さんと店主さんのこだわりや想いが伝わってきます。 さり気ない動作や心情の描写がうまい小川洋子節が堪能できる物語だと思います。

Posted by ブクログ

2024/06/02

ささやかな生活と、死 年を重ねて変わるもの、変わらないもの アーケードの住人になったような気持ちになる

Posted by ブクログ

2024/04/21

とあるアーケードを軸にした短編集。それぞれの話が絡み合って短編集全体として一つの作品となっている。何かをテーマにした短編集は小川洋子さんのよくあるパターンだが、それぞれの話が関連し合うというのは意外と珍しいかも。こういう個別の話はそれぞれで完結するものの全体として大きな話が流れて...

とあるアーケードを軸にした短編集。それぞれの話が絡み合って短編集全体として一つの作品となっている。何かをテーマにした短編集は小川洋子さんのよくあるパターンだが、それぞれの話が関連し合うというのは意外と珍しいかも。こういう個別の話はそれぞれで完結するものの全体として大きな話が流れてる、というのは連続もののTVドラマとかでよくある手法と思うが、1話ずつの長さがちょっと読むのにちょうどいい分量なのもあり、TVドラマを見ているような趣もある。 内容は小川洋子さん特有の現代のファンタジー。レースの切れ端、使われた絵葉書、義眼など、何だか美しくて儚い雰囲気がいい。特に以前読んだ『猫を抱いて象と泳ぐ』の空気感と似たイメージ、好きな人には堪らないと思う。また最後のエピソードもとても素敵。全体の儚さをまとめ上げるような役割で、これがこの作品全体の読後感を決定付けていると思う。 意味だけではなく、文章そのものが生み出す空気感を堪能できる小川洋子さん好きなら必ず満足のいく作品だと思います。

Posted by ブクログ