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七時間半 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2015/05/08 |
JAN | 9784480432674 |
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商品レビュー
3.7
47件のお客様レビュー
むちゃくちゃ面白い。昭和35年,東海道線を走る特急列車内を舞台にした,食堂車のウェイトレス,コック助手,女性客室乗務員,成金社長らのグランド・ホテル形式物語。今回は首相も乗車していて,爆弾がしかけられたとの噂も。風俗小説としても絶妙。
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ずっと昔に一冊読んだきりの獅子文六。 電車コメディは昔から好きなジャンルなので手にとってみた。 まずはタイトルから鮮烈。 1960年には東京ー大阪が7時間半もかかったのか。 新幹線の出現前、ちどりという名の特急列車の物語。 このころ、既に、ちどりより速いものが出始めたが、それで...
ずっと昔に一冊読んだきりの獅子文六。 電車コメディは昔から好きなジャンルなので手にとってみた。 まずはタイトルから鮮烈。 1960年には東京ー大阪が7時間半もかかったのか。 新幹線の出現前、ちどりという名の特急列車の物語。 このころ、既に、ちどりより速いものが出始めたが、それでも7時間くらいはかかるみたい。 表紙をみた子供から、「名作くんだ!」と言われたけど本それ(笑)。 和む表紙で楽しい一冊に仕上がっている。 ちなみに、作者は『はなかっぱ』の《獅子じゅうろく》博士の元ネタだと教えといた。 ちどりが出発するまでの登場人物紹介や列車のトリビア、準備シーンが長くて少しダレた印象はあるが、わかりやすい恋の鞘当てに、列車テロ予告、泥棒は誰だ、など、ドキドキワクワクのエンタメのもとがぜんぶきれいに並ぶさまはまさに幕の内弁当。 そして、幕の内弁当というか、駅弁も楽しいけれも、食堂車にはロマンがあるよねという作品。 おもに食堂車が舞台となる。 このスピード感だからこその食堂車。 こんな時代の空気を想像して楽しくなる。 でもまあ、客車もタバコ当然の時代、紫煙もくもくの電車は辛いよねーとも思った。 有女子のラストには、ちょっと驚かされたけど、まあまあ順当な物語だと思った。 泥棒の正体もわかりやすくて良い(ニッコリ)。 個人的にはこの時代の自由な表記が大好きなので、文六らしい読点の付け方やカタカナ表記が出るたびにニヤニヤしてしまう。 《チャーンと》とか可愛い。 車内放送の出だしの《ミ、ナ、サマ》も好き。 あとは頻出する関西弁?があまりわからなくて困った。 ネキってなんだろう? 姉貴じゃないのはわかるけど、と調べたら、ネキは近く、の意味。 ほかにも関西弁満開だけど、文六は上手だなあ。横浜の人なのにすごい。 そのほかの用語メモ。 メレボは、雌列車ボーイの略。いろいろひどい。 ちぼ、スリのこと。 プルニエ定食はミックスフライのことらしい。 列車ネタ、列車用語が楽しかった。 いずれ、悦っちゃんを読んでみたい。
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新幹線が運用される前は東京↔大阪間にかかった時間が書名。伊豆に行くときに東海道線の車内で読む本を何にしようかな、と考えて頭に浮かんだ本。1960年代の特急列車の1等車内の販売員や、接客員の女性は、当時の花形職業で、イメージ的には90年代のファーストクラスのスチュワーデスみたいな...
新幹線が運用される前は東京↔大阪間にかかった時間が書名。伊豆に行くときに東海道線の車内で読む本を何にしようかな、と考えて頭に浮かんだ本。1960年代の特急列車の1等車内の販売員や、接客員の女性は、当時の花形職業で、イメージ的には90年代のファーストクラスのスチュワーデスみたいな感じだった。嫁にするなら、特急「ちどり」の乗務員女性、ということで、終始お嫁さん探しのドタバタ群像劇の小説。フランキー堺主演で映画化されたこともあるみたいだ。面白い。だけど、やっぱり今の時代には合わないかなぁ。尻切れトンボみたいに終わるんだよね。
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