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宝塚・やおい、愛の読み替え 女性とポピュラーカルチャーの社会学
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宝塚・やおい、愛の読み替え 女性とポピュラーカルチャーの社会学

東園子(著者)

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宝塚・やおい、愛の読み替え 女性とポピュラーカルチャーの社会学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新曜社
発売年月日 2015/04/01
JAN 9784788514164

宝塚・やおい、愛の読み替え

¥2,750

商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

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2022/08/03

今年イチ読んで良かった本。目から鱗がハラハラと。 高校の時、受験対策の小論で、テーマは忘れたのだけど「BL的漫画の発展は女性の性的欲望を満たす側面がある説」を書いたことがあり、ウン十年ぶりにその疑問に向き合った感じがした。 そういうことに、昔から躓いたり、それゆえ興味があった...

今年イチ読んで良かった本。目から鱗がハラハラと。 高校の時、受験対策の小論で、テーマは忘れたのだけど「BL的漫画の発展は女性の性的欲望を満たす側面がある説」を書いたことがあり、ウン十年ぶりにその疑問に向き合った感じがした。 そういうことに、昔から躓いたり、それゆえ興味があったんだと思う。 大学のとき、すごく大切な男友達が、恐らく私のことを好いている、という状況になったことがある。私は、大切なこの人間関係が、ずっと続いてほしいと思っていたから、恋愛なんて脆いものにこの関係を変化させたくなかった。結局うまく逃げて付き合うことはなかったのだけど、(そもそも「逃げる」という表現も変)私はその時、「多くの人は、私と違って恋愛の方が関係が上だと思ってるんだ」と知った。すごい違和感だけど、自分が変なんだと思うしかなかった。 「誰よりも幸せになってほしい大切な人」がいる。それは元カレの1人なんだけど、彼のことが大好きだった。今も好きだと言っていい。でも一緒にいても、彼が望むもの(それが何か彼は決して口にしなかった。それは恐らく私を喜ばすことのできないものだったから。)をあげられないと思って、8年付き合って別れた。周りからは「あんな良い人いないよ?」とも言われたし、「2人で妥協点を探っていけばいいじゃない。」とも言われた。そんなの私が一番分かってるし、考えもなく別れるわけがない。その頃の人生の1/4くらいを一緒にいた相手の考えてることが分からないわけない。でもどう頑張っても、彼の幸せが私といることだという公式を成立させることができなかった。それは多分、私の恋愛への考えや優先度が、多くの人のものと隔たりのあるものだったからだと思う。 そういう躓きやらしくじりやらの出どころを、うまく説明してくれるかのような本だった。

Posted by ブクログ

2022/03/29

宝塚、やおい。男同士の絆を描くポピュラーカルチャーに、なぜ女性は惹かれるのかという問いは、多くの人が抱いたことがある問いだろう。そして、宝塚ややおいのファンであったとしても、それを言語化するのは難しいのではないだろうか。 本書では、セジウィックの「ホモソーシャル」概念に、ルーマ...

宝塚、やおい。男同士の絆を描くポピュラーカルチャーに、なぜ女性は惹かれるのかという問いは、多くの人が抱いたことがある問いだろう。そして、宝塚ややおいのファンであったとしても、それを言語化するのは難しいのではないだろうか。 本書では、セジウィックの「ホモソーシャル」概念に、ルーマンの「愛のコード」の議論を組み合わせて、宝塚とやおいが女性たちにどのようにして想像力をかきたたせ、のめり込ませているのかを丹念に紐解いている。 とくにやおいに関しては、ファンはホモソーシャルをホモセクシュアルに読み替えて、ホモセクシュアルの方に「萌えて」いるのだという立場が主流だと思うが、本書はそうではなく、ホモソーシャルの方だとする。ホモセクシュアルは、ホモソーシャルに萌えるためのあくまでも手段だとするのが画期的だと思った。 第1章のホモソーシャルをめぐる議論は、刺激的でとてもおもしろかった。宝塚ややおいといったポピュラーカルチャーだけでなく、社会全般の男性支配を読み解いていくうえでも、いろんな示唆があり、そこから今度は読み手の想像力が刺激されるような議論が展開されている。 丁寧で緻密な論理展開に感服した。

Posted by ブクログ

2021/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私たちには、夢見る事が必要である。 p96 タカラジェンヌの四層構造。 作品内の役名、舞台上の芸名、 舞台裏の愛称、非公開の本名。 p243 やおいを好む女性たちは異性愛から阻害されているわけでも、拒絶しているわけでも、異性愛を欲しているわけでもない。彼女たちはただ異性愛を排除したところで成り立つ女同士のホモソーシャルな絆がもたらす快楽を求めているのである。 p254 宝塚的な相関図消費は、タカラジェンヌが舞台上で表現する異性間の恋愛や男同士の友情といった親密性を、舞台裏のタカラジェンヌ同士のホモソーシャルの絆の表れとして捉える。他方やおい的な相関図消費は原作で描かれる男同士のホモソーシャルの絆を恋愛的な関係として解釈するものである。どちらの相関図消費もある物語で表される人間関係を別の関係性に読み替えている。 p258 なぜ宝塚ファンとやおい愛好者がホモシャリティーを補足するために相関図消費と言う複雑な方法を採用しているのだろうか。それは友愛の行動を学ぶための友情物語が女性に対して提供することが少ないために、女性は男性に比べて友愛のコードに習熟していないと考えられる。女性は同性との関係ではなく異性関係を最上位の関係とみなすよう教え込まれる。女性は同性とのホモソーシャリティ強固な関係性として認識し難く友愛のコードが適用される強い親密性に対して実感を持ちにくい傾向があるのではないだろうか。 p261 友愛のコードには排他性規範が備わっておらず、排他性規範のある恋愛関係よりも親密性が弱く見えてしまう。 p268 なぜ女同士の関係には友愛のコードを適応しづらいのだろうか。共有された目標のために協力し合うと言う点において公共性を帯びるチーム男子は、単なる友情とは異なり移ろいやすい情動に左右されない安定した特別な絆とみなされやすい。公的領域は男同士のホモソーシャル関係に支配されている。 p43 コネ就職は「成長(効率性)」「公平」「平等」の観点からすれば望ましくない。インパーソナルな公的領域で、パーソナルな関係を働かせれば有利になる。出身校を同じくする学閥などの派閥が力を持つのはその一例。19世紀後半の第一波フェミニズムは参政権運動など公的領域での不平等を中心的な争点にした。セジウィックの『男同士の絆』によれば男性支配社会は男性が社会的権力を有する他の男性と関係を持つ(親族の婚姻)ことによって成立する。ただ近代は親族関係を持たずとも関係をもてるようになった。 p55 男性が社会的権力に近づくのに必要な公的領域の男同士のパーソナルな絆は、友愛の行動によって非性的と認められるからこそ、非性的でインパーソナルな公的領域に存在することができる。ホモセクシャルは男性支配のメカニズムを揺るがすために存在を許されない。 p60 男性が社会的資源を支配する社会では男女とも自分の欲求充足のためには他の男性から資源を得る必要がある。女性にとって異性愛は社会的資源を獲得する唯一の近道になっている。 p64 親密性を規定するコードとしては恋愛のコードが中心にある。 恋愛のコードは結婚を基礎づける。 恋愛のコードは性的とみなされる親密性に、友愛のコードは非性的とみなされる親密性に適用される。 友愛のコードは基本的には公的領域における男同士の親密性を補足するためのものである。 友愛のコードが適用される関係は、恋愛のコードが適用される関係よりも劣位化される。 友愛のコードが適用される関係は、性的な公的領域においてのみ最上位にある関係として認識/表現されることが可能になる。

Posted by ブクログ

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