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歴史と私 史料と歩んだ歴史家の回想 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2015/04/25 |
JAN | 9784121023179 |
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歴史と私
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商品レビュー
3.9
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これぞ歴史学者、というのが良く分かった。ただ過去の文献を調べるだけではなく、目録作成などアーカイブもしっかりやろうとするあたりが一流の歴史学者だということを感じさせる。実際にその人物から話を聞いて調べる「オーラル・ヒストリー」という言葉は初めて知った。 岸信介や中曽根康弘、渡邊恒雄へのインタビューなどはこれらの人物を知っているので生々しさが伝わってきて面白かったが、知らない人物へのインタビューの部分はイマイチピンとこなかった。自分の知識がもっと豊富になって読み直すと、もっと面白いと思える本かもしれない。
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日常の何気ない選択が人生を決定的に変えることがある。もしもデモに参加していなければ樺美智子は長生きしたことだろう。ブントと訣別していた可能性もある。国史を研究していたわけだからひょっとすると保守論客になってもおかしくはない。今日の行き先次第では自分が死ぬこともあり得るのだ。 ht...
日常の何気ない選択が人生を決定的に変えることがある。もしもデモに参加していなければ樺美智子は長生きしたことだろう。ブントと訣別していた可能性もある。国史を研究していたわけだからひょっとすると保守論客になってもおかしくはない。今日の行き先次第では自分が死ぬこともあり得るのだ。 https://sessendo.blogspot.com/2020/09/blog-post_52.html
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東大名誉教授の日本近現代史学者である伊藤隆氏の自伝というか、オーラル・ヒストリー。1人の歴史家の人生として、非常に面白かった。 著者は、学生当初こそマルクス主義を信奉していたが、その後、反マルクス主義、実証主義を貫き、反対の立場の歴史学者からは、「反動歴史学者」や「御用学者」と非...
東大名誉教授の日本近現代史学者である伊藤隆氏の自伝というか、オーラル・ヒストリー。1人の歴史家の人生として、非常に面白かった。 著者は、学生当初こそマルクス主義を信奉していたが、その後、反マルクス主義、実証主義を貫き、反対の立場の歴史学者からは、「反動歴史学者」や「御用学者」と非難されてきた。著者の主張は、「マルクス主義の一般法則、発展段階説と階級闘争論で日本近代史を読み解こうとすると大変な矛盾が生じる。それを解決するためには、前提(=マルクス主義;評者注)を取っ払わなければならない」というもので、今から思うと至極当然のことと感じるが、マルクス主義史学が歴史学会を席巻していた当時に一貫してこのような主張をしてきたことは大変勇気がいることだったろうと思うし、敬意を表する。ただ、東大受験生の入試答案を採点していると、受験生の大半が過激な左翼としか思えないという感想も述べられていたが、それは言い過ぎではないのかと感じるなど、著者にも「反共」というバイアスが結構かかってるのではないかという印象も持った。また、「新しい歴史教科書をつくる会」に関わったのは著者にとってあまり良い判断ではなかったのではないかと考えるが、そのことについてあまり触れられていなかったのはちょっと物足りなかった。 本書で述べられている、歴史学者の人的つながりの話や、オーラルヒストリーのインタビュー等での人間模様はなかなか興味深く、面白いものだった。特に、平泉澄氏へのインタビューのエピソードが印象深かった。 本書を読んで、近現代史史料の開拓と蒐集の重要性もよくわかった。近現代史史料の整備という点で著者の功績は大きなものがあると感じた。著者がいなければ、今頃、散逸して所在不明になっていた史料がたくさんあったのではないかと思われる。
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