森は知っている

吉田修一(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2015/04/01
• JAN: 9784344027541

商品レビュー

2024/10/22

感想
凄まじい幼少期から産業スパイへ。

どちらが本人にとって幸せだったのかは分からない。

あらすじ
太陽は沈まないの続編。AN通信の鷹野が高三の時の物語。石垣にある南蘭島にある高校に通っていた。

他人は信じないように教育されていた鷹野や柳。他の人のことを聞いてもいけない。

18歳になると本格的に任務開始となる。柳と彼が面倒を見ていた寛太がある日突然居なくなる。

鷹野はVOエキュという水メジャーに関わる資料を盗み出すように言われる。そこで韓国の同業者に資料を奪われそうになるもなんとか任務をやり遂げる。

その後、柳が任務を放棄して逃げ出したことを聞く。VOエキュの香港支社長の娘に近づくように任務を受ける。

VOエキュは、和倉地所を通して日本の水源の上流にあたる土地を買い漁り、きたる上下水道法の変更に向けて水資源を独占しようとしていた。

その後、風間がAN通信に入った経緯や鷹野の幼少期について語られる。

鷹野は初めての任務を自分たちの面倒を見ていた徳永と行うが、ダムから車毎落ちる事故に遭う。AN通信では、二人が死亡したと判断したが、柳の弟を追ううちに徳永が柳、鷹野を巻き込んで、VOエキュの取り引きを行い、金を独り占めしようとしていた計画であることに気づく。

鷹野と柳は爆発する車からなんとか逃げ出し、駆けつけた風間に助けられるが、風間は凍傷で両足を失う。

鷹野はAN通信に入る道を選ぶのだった。

2024/09/01

「太陽は動かない」がすごくよかったので、続編のこちらも読んでみた。
鷹野の幼少期からAN通信で働くようななるまでのことが色々わかってすごく切なくなった…

2024/08/26

どうも3部作の真ん中みたいです。
もっとも、時系列でみればこれが頭。
最初に産業スパイ・鷹野一彦の活躍を描いた『太陽は動かない』があり、そのあとで鷹野一彦の生い立ちを描いた本作が出たようです。と言う訳で、読む分には問題なく。
きわめて不幸な生い立ちの幼児が、組織にリクルートされて育ち、訓練を受けながら住む南の島。高校生らしい友情と淡い恋。そして初めての任務。裏切り。おやおや吉田さんがと思うような、思い切りエンタメ・サスペンスです。
面白いのですが、私の分野では無く。このシリーズはここまでとしましょう。