東大ハチ公物語 上野博士とハチ、そして人と犬のつながり

一ノ瀬正樹(編者), 正木春彦(編者)

• 販売会社／発売会社: 東京大学出版会
• 発売年月日: 2015/03/09
• JAN: 9784130661621

商品レビュー

2015/07/10

ハチにまつわるエピソードや様々な分析が講じられ、新たなハチの一面が知れました。ハチといえば、映画ハチ公物語のイメージが強く、人に都合の良いように解釈されている部分も多々あるようです。何はともあれ、核となっているのは上野博士のハチに対する無償の愛で、2015年に東大に建てられたモニュメントの姿に象徴されているように感じました。

2015/04/25

ハチ没後ハチ十年を記念に東大の先生方でまとめられたハチと飼い主の上野博士にまつわるあれこれ。上野先生は徒歩で職場に通っていたのに、なぜハチは渋谷駅で待ったのか。ハチは上野先生が出張で数日うちを開けるときは渋谷駅から電車に乗っていったはずと理解していたので、亡くなった上野博士を渋谷駅で待ったと考えられるというお話がいちばん印象に残りました。賢い犬でした。上野博士の奥様は上野博士の両親に結婚を反対されており籍を入れておらず、上野博士の死後は松濤の屋敷を離れました。教え子の支援を受け広い庭がないうちに移り住んだのでハチを買いきれず、松濤の屋敷に出入りしていた庭師に預けたとのこと。上野博士53歳で亡くなった後、ハチも残された奥様も淋しい生活を余儀なくされたのだなと心が痛みました。