アーティストが愛した猫

アリソン・ナスタシ(著者), 関根光宏(訳者)

• 販売会社／発売会社: エクスナレッジ
• 発売年月日: 2015/03/01
• JAN: 9784767819525

商品レビュー

2019/08/07

画家・作家・写真家等のアーティストと猫のポートレート写真集。
彼らの経歴＆猫とのエピソード、猫との写真の2ページ構成で、
56のアーティストと猫を紹介。
参考文献とウェブサイト一覧有り、写真のクレジット有り。
アンリ・マティス、ジョン・ケージ、ジャン・コクトー、
グスタフ・クリムト、エドワード・ゴーリー、ワンダ・ガアグ･･･。
日本人では藤田嗣治とオノ・ヨーコ。
一人、或いはパートナーと共に。
ユトリロのように家族での写真もある。
そして、彼らの愛した猫たちがいる。
誇らしげに抱き上げる、見つめ合う･･･。
肩や頭に乗る、膝の上に普通に納まる、寄り添う･･･。
自分の姿は撮らせず主役は猫、のアンリ・カルティエ＝ブレッソン。
バルティスの触れる手の優しさ。グランマ・モーゼスの微笑み。
猫と同じようなポーズのヘルマン・ヘッセの姿。
猫への愛しさが現れていて、ほっこりさせられました。

2015/05/21

エクスナレッジは写真集を乱発しすぎな気がする。わかっていても捕まってしまう。特に猫。猫好きホイホイ。

まえがきの一文がしびれる。

「すべてのアーティストは想像力の源泉(ミューズ)を必要とし、すべての猫は自分の意のままになる人間を必要とする。万が一、この自然界の基本法則が崩壊すれば、宇宙は急激に収縮してしまう……かもしれない。」

アーティストというのは、まあとかく猫みたいに身勝手で不可解で愛くるしいから、アーティストと猫、というのはものすごく合うか、まったく合わないか、どちらでも納得できる。

とはいえ、猫好きの僕としては、こんな破綻していそうな人に猫飼ってほしくねえなあ、なんていうアーティストも出てくるわけで…。

ところで、サルバドール・ダリ！　あんたの飼ってるのは猫じゃないよな？

ヤマネコの一種オセロットを、「実はふつうの猫で、野生の生き物に似せてペイントしただけだ」と言って飼っていたそうだ。当のオセロットは、他の猫と遊んだり、ダリの靴下を引き裂いて遊んだりしていたそうだ。うーん素敵。

欧州では四つん這いは忌み嫌われると聞いたことがあるが、ヘッセが猫と一緒に四つん這いになったりしている。コクトーの抱いている猫は、いまにも飛び出しそうな他人行儀な感じだ(が、うちの猫だって抱けば大抵はそうだ)。

アーティストと猫の関係から何かが読み取れるのではないか…と期待してページを行ったり来たり。

いや、猫に何かを求めちゃ駄目だ。存在だけでじゅうぶん。