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超国家主義の論理と心理 他八篇 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2015/02/19 |
JAN | 9784003810439 |
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超国家主義の論理と心理 他八篇
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丸山眞男ほど毀誉褒貶の激しい思想家もめずらしい。解説子の指摘を待つまでもなく、丸山の日本ファシズム論が「社会科学」として実証に耐えないことに異論の余地は少ない。それでもなお繰り返し議論の対象とされ、こうして生誕百周年にアンソロジーが編まれるのは、一面的であるにせよそこに何ほどか真...
丸山眞男ほど毀誉褒貶の激しい思想家もめずらしい。解説子の指摘を待つまでもなく、丸山の日本ファシズム論が「社会科学」として実証に耐えないことに異論の余地は少ない。それでもなお繰り返し議論の対象とされ、こうして生誕百周年にアンソロジーが編まれるのは、一面的であるにせよそこに何ほどか真理が含まれており、それが我々の琴線に触れ、また痛いところをついてるからであろう。 肯定するにせよ否定するにせよ丸山を論じる時、誰もが否応なく「熱く」語ってしまう。これは我々日本人の深層心理と関係があるに違いない。確か福田恆存が言ってたと思うが、明治以降日本人は自らの短所ばかりあげつらうことと、逆に長所ばかり強調することを交互に繰り返してきたが、それは自分に自信を持てないことの表れであると。おそらくこれが丸山への愛憎の正体ではないか。西洋文明という怪物の脅威におののき、師と仰ぎ、乗り越えようと苦悶した近代日本の悲劇であり宿命でもあるだろう。 丸山の言う「無責任の体系」とは、山本七平が「空気」と呼び、河合隼雄が「中空構造」と名付けたものと重なり合うが、好むと好まざるとにかかわらず日本文化に深く根ざすものだ。時代が置かれた状況により、それは短所となりまた長所ともなるだろう。確かなことは我々が歴史と文化に規定された「日本人」であることを逃れようもないということだ。反省や批判でどうなるものでもない。であればそれを運命と思い定め、愛しみ、自信を持つより他ないだろう。その上で自らの長所と短所を曇りなき目で見つめ、それと正しく付き合うことだ。これは無批判な現状肯定でもなければ「ズルズルべったり」でもない。自分だけを日本人から除外して、安全地帯からなされる日本批判は「ズルズルべったり」の裏返しでしかない。『日本の思想』を読めばわかるように、それは丸山自身が忌避したことだ。 かく言う評者とて自信のない一介の本好きに過ぎない。丸山を語る時は人並みに熱くなる。学生の頃この有名な表題論文を読んだ時の異和感は、四半世紀を経た今読み返してもやはり変わらない。あの戦争が絶対悪であるという大前提からスタートし、それに繋がる一切を否定するという態度には根本的な錯誤と欺瞞を感じざるを得ない。真理は多面的である。過ちも非道もあったであろう。しかし総力戦を戦うということは「無責任の体系」や「抑圧移譲の原理」といった概念装置で説明できるほど簡単なものとは思えない。「天皇制ファシズム」という神話から丸山を解き放つ時、この偉大な知性の遺産を継承する「可能性の中心」が開けると思う。
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『日本ファシズム の思想と運動』 この論文は、初めて読んだが、日本のファシズム 運動について、担い手とか明晰、明快に分析されている。 『軍国支配者の精神形態』 東京裁判の公判の速記録から分析。 何ら計画性もなく、日本の支配者層が、日米開戦に踏み切ったのは、連合国人を驚かせ、理解に苦しんだ。 枢軸国側で日本に特質的な事は、指導力の欠如である。 2.ナチ指導者との比較 ナチ指導者と日本の戦犯の比較を進める。 ナチ指導者は学歴が低かったが、日本の戦犯は、学歴が高かった。 ナチ指導者は、自覚的に残虐行為を行う。 日本の戦犯は、顕著な無計画性と指導力の欠如により、目的意識により手段をコントロールできず、手段としての武力行使が、ずるずる拡大して行き、自己目的化してしまった。 日本の戦犯ら指導者たちは『弱い精神』の持ち主、弱い性格であった。 "日本支配層を特色づけるこのような矮小性を最も露骨に世界に示したのは戦犯者たちの異口同音の戦争責任否定であった。"(p 162) "被告を含めた支配層一般が今度の戦争において主体的責任意識に希薄だということは、恥知らずの狡猾とか浅ましい保身術とかいった個人道徳に帰すべくあまりに根深い原因をもっている。それはいわば個人の堕落の問題ではなくて後に見るように『体制』そのもののデカダンスの象徴なのである。"(p 167) 3.日本ファシズム の矮小性 その1 既成事実への屈服と権限への逃避。 既成事実の屈服は、自民党のお家芸。 起こってしまったこと、決まってしまったことは、仕方がないというスタンス。 "ここで『現実』というものは・・・(略)作り出されてしまったこと、いな、さらにはっきりいえばどこからか起って来たものと考えられていることである。"(p 173) 東京裁判での支配層にいた戦犯の証言を分析して。 皆、責任転嫁し、何処に政策決定の主体があったのかが、わからない。
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