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土神と狐 画本宮澤賢治
定価 ¥1,870
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 好学社 |
発売年月日 | 2015/03/04 |
JAN | 9784769023173 |
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土神と狐
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土神と狐
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自分よりも優れていると感じるものに嫉妬してしまう土神。知識を披露することでうわべを飾ろうとする狐。ふたつの間で揺れ、”身動きの取れない”樺の木。三者それぞれが対人関係において人の心にどうしようもなく発生してしまう感情そのものを表している。 しかし必ずしもそれらままならない感情のみ...
自分よりも優れていると感じるものに嫉妬してしまう土神。知識を披露することでうわべを飾ろうとする狐。ふたつの間で揺れ、”身動きの取れない”樺の木。三者それぞれが対人関係において人の心にどうしようもなく発生してしまう感情そのものを表している。 しかし必ずしもそれらままならない感情のみで心は構成されているわけではない。樺の木と狐が仲良く話している姿を見た土神は、そのことを考え続け、時に感情に流され誰かにやつあたりをしたり、ときに感情に支配されてしまう自分を嫌悪したり、ときに全てを忘れて晴れやかな気分になったりする。人の感情はゆらゆらと変化するものなのだ。 だが、そうはいっても他者が存在する限り感情は発火してしまう。自身の身体はどこまで行っても心と切り離すことはできず、そのせいで人は苦しい思いをするのだろう。 神である土神は自由に動き回れる身体を持ちながら感情は同じ場所から動かない。知識で自身をコーティングし続けても狐が神のような力を持てるわけではない。ひとつの場所に根を張り、移動することが出来ない樺の木もまた不自由な存在だ。 不自由な心。不自由な身体。 三者それぞれが己の不自由さを別の何かで埋め合わせようともがき、しかし誰も救われることはない。 心からも身体からも自由になれたら、いや、自分自身でその足りなさを埋められたら、もう少し違った結末を見ることができたのだろうか。
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見栄と嫉妬と僻みが交錯する、悲劇の物語 登場するのは、綺麗な女の樺の木、洗練された物腰の優雅な狐、そして人から忘れられつつある粗暴な土神 狐も土神も樺の木を愛しており、お互いの存在を煙たく感じている しかし樺の木は、狐の方をずっと好ましく想っていた… 辛い話です 物語の半分以上...
見栄と嫉妬と僻みが交錯する、悲劇の物語 登場するのは、綺麗な女の樺の木、洗練された物腰の優雅な狐、そして人から忘れられつつある粗暴な土神 狐も土神も樺の木を愛しており、お互いの存在を煙たく感じている しかし樺の木は、狐の方をずっと好ましく想っていた… 辛い話です 物語の半分以上は、狐への嫉妬と樺の木への執着に気が狂わんばかりにぶつぶつ言い続ける土神の独白で占められており、凄く気が滅入る一方で気持ちも分かってしまう、そんなしんどさ 取り返しのつかない凶行に及んでしまってから、土神が知った狐の真実に彼は涙を流しますが、彼はあまりに愚かだし無力だった 「いのちをくれてやる」ことは、もともと出来なかったのだろうか、それともあの時にいよいよ力を失なったのだろうか 土神を陰キャのヤンデレストーカーとして、まるで人間の男のように書かれていて現代的でもあるし、人間みたいな神様として書かれていることや、命があまりにも軽くあっさりと終わってしまう雰囲気は日本の神話らしくもある 樺の木に、ずっとおれのことだけを見てくれよって素直に言えたら良かったのに いや、みんなして、素直じゃない話なんだよな… 樺の木を好きだから見栄を張ってしまって、何度も後悔してるらしい狐 狐を心から好ましく想っていて、土神のことはどう扱ったらいいか分からず、それでも疎んじている樺の木 樺の木への執着のあまりに、べらべらとしゃべったり、ぐるぐると思案に明け暮れる土神 出口のない救いのなさが堪らないお話でした こんな書き方をしてますが、すごく好きですし読み応えあります 良い本です 絵の陰うつなムードも絶品です 表紙絵の禍々しくもある土神の顔が、作中で現れるシーンでは、こんな感情をこめてこの顔をしていたのか…と胸が痛くなる(が、胸糞も悪くなる、それがいい) 樺の木のなよやかさや、狐の涼やかな好ましい好青年ぶり、ふたりが見上げてた夜空の美しさを感じていたら、現れてしまう土神の“邪魔もんが来ちゃった”感が何度読んでも辛い 絶妙に好きになれない禍々しさの土神の姿が悲しい 彼はいつからこんなんだったのだろう 信仰が途絶えて忘れられつつあるせい? 宮沢賢治さんの作品として知らないでいたのがもったいなかった、あちこち物申して深掘りしたい物語でした 青空文庫にもあるだろうか、探してみよう
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