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花鳥の夢 文春文庫
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花鳥の夢 文春文庫

山本兼一(著者)

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花鳥の夢 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2015/03/01
JAN 9784167903183

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商品レビュー

4.1

22件のお客様レビュー

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2023/08/31

造り手として読むと 苦しくて苦しくて逃げ出したくなる本。 永徳と等伯 桃山展で並んで展示されているのを観て 息が止まったし、 少し離れて眺めて涙が出そうになった。 才能の方向がちがったんだよね… 苦しかったね。 って思った。

Posted by ブクログ

2020/05/20

安土桃山時代に活躍した、狩野永徳が主人公。 曽祖父の代に始まった狩野一門は、足利将軍家、織田信長、豊臣秀吉など、時の権力者に愛された御用絵師の家系だから、永徳は生まれながらにしての、絵師の家の棟梁。 小説の主人公としては、少し感情移入し難い立場の人物だ。 なぜならば、芸術家の一...

安土桃山時代に活躍した、狩野永徳が主人公。 曽祖父の代に始まった狩野一門は、足利将軍家、織田信長、豊臣秀吉など、時の権力者に愛された御用絵師の家系だから、永徳は生まれながらにしての、絵師の家の棟梁。 小説の主人公としては、少し感情移入し難い立場の人物だ。 なぜならば、芸術家の一代記となるとどうしても、「カビの生えた伝統をぶち破る風雲児」…的なキャラクターが愛される。 狩野派といえば、そういったニューカマーに対してはどちらかと言えば「敵」の立ちはだかる壁側だからだ。 (実際に永徳は、長谷川等伯に発注された仕事を圧力を掛けて取り上げたりもしている) しかし、有名な絵師の家といっても、いいかげんな仕事をしていて続くはずはないのである。 そして、長く続く組織の中でも、新陳代謝が必要だ。 生まれながらに天才的画力を持っていても、常に、「己の絵とは何か」を追い続け、新境地を開こうとあがき続けた永徳の姿は鬼気迫るものがある。 そして、高みを目指す者が避けて通れないのが、他者の才能に対する嫉妬。 これも、長谷川等伯に対する複雑でどす黒い感情がエグいほどに描かれている。 また、上手くてもありきたりな絵を「つまらない絵」と言ってみたり、情熱をぶつけ過ぎて個性的なものを描けば今度は「見ていて圧迫感がある」と、勝手な言い分の顧客も、芸術あるある。 移りゆく時をとどめて、或いは目に映る以上の絵師の魂を込めて…襖や壁に描いたものは永遠ではなく、多くは建物とともに失われて行ったことが儚く残念だ。 一番身近な弟子として、いつも付き添っていた友松が、検索してみたら、桃山時代最後の巨匠とうたわれた有名な画家だったことを知ってびっくりでした。

Posted by ブクログ

2020/04/16

狩野派中興の祖と言われる永徳の物語。 信長、秀吉、と仕える相手が移り変わる世の中で、ひたすらに自分の絵をより良くしようとする。一生懸命とか精進しているとかいうレベルを超えて、神がかっている、あるいは画狂のようとまで見えるその姿がだんだん怖くなってくる。それでも、求道者としての反面...

狩野派中興の祖と言われる永徳の物語。 信長、秀吉、と仕える相手が移り変わる世の中で、ひたすらに自分の絵をより良くしようとする。一生懸命とか精進しているとかいうレベルを超えて、神がかっている、あるいは画狂のようとまで見えるその姿がだんだん怖くなってくる。それでも、求道者としての反面、一門のことを考え父を尊敬したり、仕事は断らず受けたり、注文主の意向に従ったりと、大派閥を抱える者としての面も垣間見せる。その二面性が、怖さだけでない魅力につながってるのかな。 自分の絵に絶対の自信を持ちながら、納期のためには弟子の手も借りなければならないというもどかしさや、等伯の技量を認めたくなくて嫉妬からケチをつけずにいられないというような心境も手に取るように感じられる。史実かどうかは別にして・・・天才にも、そういう気持ちがあるのかなと思った。

Posted by ブクログ

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