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新訳 フランケンシュタイン 角川文庫
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新訳 フランケンシュタイン 角川文庫

メアリー・シェリー(著者), 田内志文(訳者)

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新訳 フランケンシュタイン 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2015/02/01
JAN 9784041012406

新訳 フランケンシュタイン

¥220

商品レビュー

3.5

7件のお客様レビュー

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2023/03/21

数年前に青空文庫だったか、他の訳で読んだものの、改めて読み返してみようと思い手に取った。 「フランケンシュタイン」は怪物の名前ではなく怪物を作った作中人物の名前だよというのは、もはやだいぶ定着してきたことと思う。 怪奇小説ということで、主人公は怪物だと思われるが(私は本書はフラン...

数年前に青空文庫だったか、他の訳で読んだものの、改めて読み返してみようと思い手に取った。 「フランケンシュタイン」は怪物の名前ではなく怪物を作った作中人物の名前だよというのは、もはやだいぶ定着してきたことと思う。 怪奇小説ということで、主人公は怪物だと思われるが(私は本書はフランケンシュタインと怪物のW主人公と思っている)、なぜ作者のシェリーはタイトルを「怪物」ではなく「フランケンシュタイン」としたのだろうか、と思いながら読んだ。 というわけで、本書でスポットが当たっているのは怪物ではなく、フランケンシュタインであるという考えのもと、感想を書こうかと思う。 特に内容はないけど。 感想を書くと言ったものの、大体本書を読んでいいたいことは、冒頭のシェリーのまえがきと…特に訳者あとがきに詰め込まれているのです。 訳者は本書を翻訳するにあたり、この物語が今まで読み手にどのような印象を与えてきたか知るために、様々なレビューを読んだとのこと。 そうすると、「やはり多いのは、望んでもいない醜き生を受けた怪物に同情し、あらゆる責任を放り出して自分に都合のいい言い訳をするフランケンシュタインに腹を立てる声であった。」 訳者自身も、「ジュスティヌ・モリッツの裁判を傍聴したフランケンシュタインが「彼女の受けていた責め苦も、私のそれには及びますまい。彼女には無実の信念を心頼みとできても、私の胸は決して逃してはくれぬ呵責の牙に引き裂かれていたのですから」などと語って見せる場面は、自己正当化も甚だしいように見受けられ、実に腹立たしい。」と述べている。 まあ正直、私も同感である。 人命錬成という研究に取り憑かれたように打ち込み、いざ自分の設計通りに怪物が生まれた途端、怪物に対し嫌悪を剥き出しにし怪物が何を語りかけようとも怪物を悪と決めつけるところは、一体お前は何がしたいんだヴィクトル・フランケンシュタイン?といった気持ち。 まるで欲望のままにセックスをし、いざ子どもが産まれたらトンズラこく無責任な父親のようである。 訳者も父と子の物語であるとしているが、本当にそうだなぁ、育児放棄した父親とそれに対して憎悪を抱きながら救いを求める子どもの図だ… もし産まれた怪物が美しい天使のような外見だったら、フランケンシュタインはどうしていたのだろうか。若さと苦を知らぬ裕福さゆえかもしれないが、そうなったら怪物を怪物と呼ばず祀り上げていたかもしれない…かな? フランケンシュタインの怪物に対する感情、偶然北極で出会った野心に溢れた青年にこの自分の今までを教訓として語り聞かせるところ、間違った方向に向かっているのかはたまた正しいと言えるのか分からない正義感…様々な彼の感情、行動が、まさに人間だと思わされる。 怪奇小説でありながら、主人公は人間なのだと感じました。

Posted by ブクログ

2021/12/05

200年前の小説は、表現が大袈裟に感じるところもあって、読み始めは少ししんどいけれど、読み慣れてくると、豊かな表現にリズムが乗ってきて、心地よかった。命を生み出すことでの苦悩が描かれているが、何かを構築したり生み出したりすると、そこに責任が生まれ、生み出した人それぞれに苦悩するこ...

200年前の小説は、表現が大袈裟に感じるところもあって、読み始めは少ししんどいけれど、読み慣れてくると、豊かな表現にリズムが乗ってきて、心地よかった。命を生み出すことでの苦悩が描かれているが、何かを構築したり生み出したりすると、そこに責任が生まれ、生み出した人それぞれに苦悩することもあるなと思った。それにしても、現代では隠れ住むことも難しいだろうな。

Posted by ブクログ

2020/07/24

広く知られながらも一般にはあまり原作が紐解かれない著書も少なくありませんが、この『フランケンシュタイン』も代表的なひとつとして挙げられるでしょう。本作についてはフランケンシュタインが怪物と誤解されていたことが今ではかえって有名になりましたが、わたし自身、そのほかの知識は映画やアニ...

広く知られながらも一般にはあまり原作が紐解かれない著書も少なくありませんが、この『フランケンシュタイン』も代表的なひとつとして挙げられるでしょう。本作についてはフランケンシュタインが怪物と誤解されていたことが今ではかえって有名になりましたが、わたし自身、そのほかの知識は映画やアニメから間接的に得たステレオタイプなものを離れていませんでした。 最もイメージと違っていたのは怪物の特徴です。 知能は低く会話はできるどうか程度の朴訥としたもので緩慢な動作をするものとイメージしていましたが、原作の怪物は教養を得ることに貪欲で学習能力が高く、饒舌であり、身のこなしはしなやかで通常の人間に不可能な敏速な移動が可能と、醜くい容貌ではありながらも一種の超人として描かれています。外形的にも身の丈2.5Mは想像していたよりも巨大で、アニメなどでは坊ちゃん刈りのような髪型は長髪、内面や動作も相まって牧歌的なモンスター像は覆されました。 ほかの点での発見は物語の中心であるヴィクトル・フランケンシュタインは中年から老年のマッドサイエンティストのようなものを思い描いていましたが、怪物を造り出した時点でのヴィクトルは裕福な家庭に育った留学中の理系大学生とされています。そしてこの怪奇小説が、第一稿の時点で19歳の女性によって書かれたことにも驚かされました。著者メアリー・シェリーについては、彼女の小説さながらの波乱に満ちた人生を解説が教えてくれており、読了後には併せて解説にも目を通すことをお勧めします。 ストーリー上の構成としては三人による語りが入れ子状になっていることが特徴として言えるでしょう。 第一に隊を率いて北極点を目指し航海をする28歳の青年ウォルトンが姉に送った手紙を通し、氷原で偶然にも救助したフランケンシュタインについて綴られます。第二はフランケンシュタインがウォルトンに語った、彼が生み出した怪物を中心とした彼の生涯であり、ここが物語の中心となります。第三にフランケンシュタインから離れて再会するまでに目にし、その身に起こった出来事が、怪物自身の口からフランケンシュタインに伝えられたものです。このように三人の語り手による告白を入れ子状にして怪物をめぐる事件の全容を明らかにする形式をとっています。 物語そのものは新訳のおかげもあってか読みやすく、重要な登場人物もそれほど多くはない、わかりやすいものです。ヴィクトル・フランケンシュタインが造り出し、そして遺棄した怪物は、次第に自らの生と造物主であるフランケンシュタインを呪い、彼に影のようにつきまとういます。そしてヴィクトルは他でもない彼自身の手によって生み出された製造物によって苦しめられるのです。ヴィクトルと怪物の関係が何を意味するのか、解釈は読み手に委ねられており、現代まで読み継がれる本書の面白さはそこにあるのではないでしょうか。 ちなみに原題は『フランケンシュタイン―現代のプロメテウス』とされています(プロメテウスはギリシャ神話で人間を創造した神)。

Posted by ブクログ

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