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海を照らす光
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海を照らす光

M.L.ステッドマン(著者), 古屋美登里(訳者)

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海を照らす光

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2015/01/24
JAN 9784152095145

海を照らす光

¥220

商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2022/10/23

 オーストラリア西部の孤島、ヤヌス・ロックの灯台守のトムとその妻イザベルは、ある日漂着した小舟に男と女の赤ちゃんが乗っているのを見つける。  赤ちゃんは生きていたけれど、男は既に亡くなっていた。トムはこのことを報告しようとするが、イザベルはそれを押しとどめ、自分が赤ちゃんの母とな...

 オーストラリア西部の孤島、ヤヌス・ロックの灯台守のトムとその妻イザベルは、ある日漂着した小舟に男と女の赤ちゃんが乗っているのを見つける。  赤ちゃんは生きていたけれど、男は既に亡くなっていた。トムはこのことを報告しようとするが、イザベルはそれを押しとどめ、自分が赤ちゃんの母となって育てるとトムに告げる。赤ちゃんをルーシーと名付けた。  母親はその赤ちゃんを探しているかもしれない、誰にもこの事実を告げずに黙ってルーシーを育てていることに、トムは時に良心の呵責を感じる。  ルーシーが洗礼式を受けるときに、トムとイザベルはルーシーの実母がずっと夫と娘の行方を捜していることを知る。  そして、トムは2回にわたり、ルーシーの実母、ハナにルーシーが生きていることを伝えた手紙を送る。そして、トムとイザベルがルーシー、本当の名前はグレース、を育てていることを当局が知るところとなり、ルーシーはハナの元へと連れて行かれる。でも、ルーシーはハナには懐かず、イザベルとトムのところに帰りたいと泣き叫ぶ。  また、トムは全ては自分が決めたことと、イザベルをかばって逮捕される。  でも、トムもイザベルも許せないハナだったけれど、結局は彼女の口添えのおかげでトムは釈放され、イザベルも罪には問われずにすむ。  それから20数年が経過した最終章で、大人になった、ルーシー(グレース)がトムの前に現れる。  そんなストーリー。途中からは読むのを止められず、引き込まれて一気に最後まで読んだ。最後の方は涙。  イザベルの初めの決断は間違っていた。流産を3回くり返した後だとしても。そのイザベルの思いを結局は受け入れたトム。その時に、もう少し踏み込んで話し合っていたら、イザベルもトムも、そしてハナも、あそこまで苦しまずにすんだと思う。  また、トムの行動は理解出来ないわけではないし、いい人なのは分かるけれど、やってしまったことが中途半端だったと思う。  でも、人って、多分そういうものなだと思う。  その時、その時に、自分にとって「善」と思える行動をとる。  そこに、他者は不在となる。そして、それが時に悲しみや苦しみを生み出してしまう。  それでも、真摯に向き合っていくなら、前を向いて歩いていける。  そんなことを思いました。  それにしても感じるのは、戦争が引き起こす悲しみ。

Posted by ブクログ

2020/07/11

孤島の灯台守,3年間に一度の休暇,まるで監獄のような環境だと思った.自分を罰するかのようなトム,彼を愛したイザベルも3度の流産は心を蝕んだことだろう.この二人が救いを求めるように犯した過ちが心に響く.もちろんあの時ああすればという思いもあるが,ルーシー・グレースに関わった人たちの...

孤島の灯台守,3年間に一度の休暇,まるで監獄のような環境だと思った.自分を罰するかのようなトム,彼を愛したイザベルも3度の流産は心を蝕んだことだろう.この二人が救いを求めるように犯した過ちが心に響く.もちろんあの時ああすればという思いもあるが,ルーシー・グレースに関わった人たちの愛する気持ちは紛れもない.波の砕ける音が響くこの物語は愛と許しの壮大な祈りのようだ.

Posted by ブクログ

2018/11/11

愛する人と正義との狭間で揺れ動く心理描写が巧み。人を愛すること、信頼すること、そして正しいこととは何かについて考えさせられる秀作。映画撮影中ということなので、どのような映画に仕上がるか楽しみ。

Posted by ブクログ

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