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れるられる シリーズここで生きる8
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れるられる シリーズここで生きる8

最相葉月(著者)

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れるられる シリーズここで生きる8

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/01/01
JAN 9784000287296

れるられる

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商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2022/02/04

平凡な人生が、思いがけないタイミングで変転することはだれにでもきっとありえるのでしょう。「れる」側がだったのが、「られる」側へ、あるいはその逆へ、もしくはその境目を漂うようにもなるのでしょう。 だからこそ、どちら側へも見渡せる眼を持たなくてはいけないし、知らなくてはいけない。い...

平凡な人生が、思いがけないタイミングで変転することはだれにでもきっとありえるのでしょう。「れる」側がだったのが、「られる」側へ、あるいはその逆へ、もしくはその境目を漂うようにもなるのでしょう。 だからこそ、どちら側へも見渡せる眼を持たなくてはいけないし、知らなくてはいけない。いつどうなっても、できるだけ正しく自分自身であるために、少しでもそう考えて生きなくてはいけない、ということを考えました。 自分は眼に対して強い不安を常に持っているので、「聞く・聞かれる」の章で描かれている盲目となった方の話や展示の取り組みに強く興味を抱きました。116ページにある、「かろうじて光に支えられているだけの存在」という表現は、今、かなり実感として感じます。その有難さを慈しみながら、自分が知らないうちに引いている境界線について、考えてみようと思いました。

Posted by ブクログ

2021/12/13

タイトルからとっさに日本語の表現の本かと思って予約したが、いい意味で裏切られた。 私は、他人のちょっとしたケガも直視できないくせに、ミステリーや推理ドラマが好きで、ドラマだからと遺体を見ても何の感情もわかないのだが、実際災害救助の現場で活動されている自衛官や消防士への心のケアが...

タイトルからとっさに日本語の表現の本かと思って予約したが、いい意味で裏切られた。 私は、他人のちょっとしたケガも直視できないくせに、ミステリーや推理ドラマが好きで、ドラマだからと遺体を見ても何の感情もわかないのだが、実際災害救助の現場で活動されている自衛官や消防士への心のケアがここまで必要なことだとは、本書を読むまで知らなかった。 第2章 支える・支えられる 人を「してもらう/してあげる」関係に区分けするとはなんと切ないことか。しかし災害多発国であるこの国の頼もしさは、その切なさを知る人々がたくさんいるということなのかもしれない。強い国とは、軍事力でも経済力でもなくそういう国をいうのではないか。第一次世界大戦下のフランスに派遣されて献身的な看護活動を行った赤十字救護看護婦、竹田ハツメの言葉にあるように、きらびやかな「飾り石」ではなく、目立たずとも人の役に立つ「裏石」のごとく地道な支援活動を続ける人々を通して、私はそう感じている。 第5章 聞く・聞かれる 私たちは文字を聞くのではない。言葉を交わす時、人が相手に聞いて欲しいのは文字情報だけではない。メールですれ違っても、会ってみたら誤解が解けたことは何度もある。言い淀んでいるのか、ため息まじりなのか、はずんでいるのか、微笑みながらなのか、しかめっ面なのか、あせっているのか、怒っているのか、相づちや沈黙、目の表情もまた、その人の存在そのものがコミュニケーションである。 私たちに必要なのは聞くことと聞いてもらうこと。 耳を閉じることはできないにもかかわらず、聞く耳がなければ聞こえない。言葉にしてもらわなければわからないといわれても、聞く耳がなければ聞こえない。聞く耳があって初めて聞こえる。聞き始めると聞かずにはいられなくなる。聞いてばかりいると狂い出す。

Posted by ブクログ

2020/03/03

著者の著作は本作が初読み。出生前診断についての章が最も心に残った。技術の進歩により出生前診断は容易に可能になった。しかし「診断を依頼した」という事実だけでも、母は罪悪感に苦しむ場合もある。だからと言って障害を持って生まれる児を全て歓迎する、と言うのは無責任には言えない綺麗事。一組...

著者の著作は本作が初読み。出生前診断についての章が最も心に残った。技術の進歩により出生前診断は容易に可能になった。しかし「診断を依頼した」という事実だけでも、母は罪悪感に苦しむ場合もある。だからと言って障害を持って生まれる児を全て歓迎する、と言うのは無責任には言えない綺麗事。一組の夫婦で担うにはあまりに重い生命倫理の問題。でも、誰しもが直面する可能性がある。 この他の章のテーマである問題も、どれも「れる/られる」の境界は実は非常に薄く、自分が「られる」側に転じることもある。そのことを想像する力は、常に養っておきたい。

Posted by ブクログ

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