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怒りの葡萄 新訳版(上) epi文庫
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怒りの葡萄 新訳版(上) epi文庫

ジョン・スタインベック(著者), 黒原敏行(訳者)

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怒りの葡萄 新訳版(上) epi文庫

定価 ¥924

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2014/12/01
JAN 9784151200809

怒りの葡萄 新訳版(上)

¥605

商品レビュー

4.4

9件のお客様レビュー

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2024/01/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

名作には名作と呼ばれるだけの確たる理由がある、というのを名作を読むたびに感じる。共産主義者になりたいわけでもないが、これを読んでいるとつくづく資本主義というものが嫌になってしまう。富める者は更に富み、貧しい者は更に貧しくなっていく。どうにもならなくなった人達を集めて、考えられない程の低賃金で働かせる。幸せを夢見て移住してきた人間が増えすぎると、オーキーと呼んで蔑み、差別する。大恐慌で先が見えない中で、誰もが未来に不安を覚えていた時代。土地に直接触れ、作物を育てることもせずに書類上だけで全てが進んでいく。先祖代々の土地を取り立てに来る者に怒りをぶつけても、そいつはいや、社長や経営者が悪い、と言う。社長や経営者に直談判しに行っても、今度は銀行が悪い、と言う。誰もが資本主義を盾に非情なことを平気でしてしまう、あの心理や描写は、今になっても、この時代と何ら変わる所が無い気がしてしまう。カリフォルニアを夢見て移動を続けるジョード一家は祖父と祖母を喪い、バラバラになりかけている。チラシの文句に踊らされる母ちゃんを見て、どうしてあんなものに騙されるんだ、と私は言いたくなってしまったが、ジョード一家にはそもそも選択肢が無い。元々の土地に居ても強制的にトラクターが家を壊し、西に行っても低賃金でこき使われる。選択肢がない、差別されていることも知らない、それが問題なのだ。誰かが違う道もあるよ、と教えてくれなければ、幸せなのかもしれない。どうなのだろう。知らなくても、知っていても地獄。どちらが幸せなのか決めるのは、自分だとしても、やはり複雑な気持ちになってしまう。あまりまとまっている気がしないが、この本を読んで心が大いに揺さぶられているのは事実。下巻で少しでも希望があると良いけれど、どうなんだろうなぁ。

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2023/07/26

人間は自分の創り出すものを超えて成長し、自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに立ちあらわれる。▼圧制は被圧制者の力を強め、結合させるのみである。▼飢えた人々の目の中には、次第にわき上がる激怒の色がある。人々の魂の中には「怒りの葡萄」が次第に満ちて夥(おびただ...

人間は自分の創り出すものを超えて成長し、自分の考えの階段を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに立ちあらわれる。▼圧制は被圧制者の力を強め、結合させるのみである。▼飢えた人々の目の中には、次第にわき上がる激怒の色がある。人々の魂の中には「怒りの葡萄」が次第に満ちて夥(おびただ)しく実っていく。スタインベック『怒りの葡萄』1939

Posted by ブクログ

2021/07/13

生まれた土地を追いやられ、たった一枚のチラシに夢を託し、遠い遠いカリフォルニアの地を目指す小作農が主人公の物語。 貧富の差の拡大により、富める者はますます富み、飢える者はますます飢えていく、現代社会にも通じる問題が今以上にリアルに感じられる。 人生のどん詰まりにうって、それでも生...

生まれた土地を追いやられ、たった一枚のチラシに夢を託し、遠い遠いカリフォルニアの地を目指す小作農が主人公の物語。 貧富の差の拡大により、富める者はますます富み、飢える者はますます飢えていく、現代社会にも通じる問題が今以上にリアルに感じられる。 人生のどん詰まりにうって、それでも生き続けなければならない彼らが、やっとの想いで辿り着いた西の大地は確かに美しく、またそれ以上に残酷な現実を突きつけていく…。 登場人物たちの息遣いとその苦しみまで聞こえてきそうな迫力ある描写に、一気に引きこまれる。 彼らの怒りが向かう先は果たして…

Posted by ブクログ

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