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イスラム国の正体 ベスト新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ベストセラーズ |
発売年月日 | 2014/12/01 |
JAN | 9784584124659 |
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イスラム国の正体
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商品レビュー
2.6
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距離的にも文化的にも遥か遠い世界である中東諸国。2014年ごろに日本人が拉致され残虐な手法で処刑される映像がネット配信されて以降、イスラム国という言葉を聞くと極端な残虐性を持つ「イスラム教過激派集団」という認識が一般的になった。他にもアルカイダやヌスラ戦線など、我々からは一括りに...
距離的にも文化的にも遥か遠い世界である中東諸国。2014年ごろに日本人が拉致され残虐な手法で処刑される映像がネット配信されて以降、イスラム国という言葉を聞くと極端な残虐性を持つ「イスラム教過激派集団」という認識が一般的になった。他にもアルカイダやヌスラ戦線など、我々からは一括りに前述の様なイスラム教の過激派として捉えられている。実際にどの組織とどの組織が誰と手を組んで誰相手に戦っているのか、正確に答えられる日本人はそう多く無いと思うし、名前ぐらいは聞いたことのあるビンラディン、ザワヒリ、ザルカウィ、一体誰がどの組織を率いているかまで認識できている人は多く無い。日本人が英語圏の人たちの見分けぐらいはようやくできても、立派な髭を生やした中東の男性を見分けるのは難しい。何故なら我々の生活にイスラム世界はまだまだ遠い世界だからだと思われる。名前の付け方も違えば、聞き慣れない言葉の様で中々頭に入らない。 その様なイスラム社会において残虐な処刑を初めとして世界中を震撼させてきたイスラム国(ISISやISILとも)ではあるが、一時期はイラクやシリアにまたがりかなり広範囲な地域を支配下に入れ、正に国際的には誰も認めないが、イスラム社会に領域に縛られない国家「イスラム国」として君臨してきた。元はと言えばシリアのアサド独裁政権(シーア派)に対する反政府組織として、他の勢力とも同じ敵を持つ集団の一つであったが、反政府組織がアサド政権妥当を最優先するのに対して、イスラム国はイスラム教の絶対的な教えを最重要視し、的対するアサド政権妥当を主目的とはしていない。だから反政府組織側でも主義主張を異にする勢力と時に対立してきた。当然アサド政権側から見れば、敵同士が勢力を削り合うのは自分たちにとって有利であるから黙認を続ける。その間に実戦と武器の強奪で確実に力を蓄えていったイスラム国は、前述の様な強大な勢力になっていくのである。ここまで書いていても、様々な国や宗派の利害関係が複雑怪奇に絡み合い、我々には中身がよく見えない所以だ。 かつてその様な力を持ったイスラム国ではあるが、現状はといえば数年前にアメリカの軍事作戦により主導者のザルカウィや後継者のハシミなどが次々と殺害され、一時期ほぼ壊滅状態と思われたが、元々中東の武装勢力の勃興は激しく、一時的に分散して散らばった状態にあるだけとも言われている。 こうした勢力の動きに大きく影響する、アメリカ、トルコ、イスラエル、シリアの動き次第では、またいつ何処から類似の勢力が出たり、息を潜めているイスラム国が表に出てくるかわからない。先日始まったハマスとイスラエルの戦争が大なり小なり刺激となって何かが起こりそうな嫌な予感はする。 本書はそうした中東情勢やイスラム社会の複雑な関係性をイスラム国中心にわかり易く伝える内容となっており、ニュースに飽きたときも、ニュースの理解度を上げるためにも一読の価値がある。 最後に念のために記載されているが、イスラム教自体がこの様な過激思想である筈もなく(一時期はメディアもイスラム原理主義=過激派の様な呼び方をしてしまっていたが)、あくまで平和を愛する宗教であり、一部の過激思想とそれに魅せられる世界各国の義勇兵こそが問題であるとする。
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ISは支配地域で数百人単位の集団処刑を行ったが、内戦の犠牲者の大多数はシリア政府軍の爆撃で亡くなっている。
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ISISがどこから来たのか。どうしてここまで来たのかについてよくまとまっている。序文の「イスラム国の存在は、今や世界のテロ問題になっていますが、それよりもむしろシリアとイラクの国内問題です。そこは敵味方が入り組んだ非常に複雑な事情があります。」と、「こうしたイスラム国を相手に、平...
ISISがどこから来たのか。どうしてここまで来たのかについてよくまとまっている。序文の「イスラム国の存在は、今や世界のテロ問題になっていますが、それよりもむしろシリアとイラクの国内問題です。そこは敵味方が入り組んだ非常に複雑な事情があります。」と、「こうしたイスラム国を相手に、平和的な交渉で妥協することは、まず不可能です。イスラム国はその性質上、妥協というものはしません。彼等と平和的に共存するとすれば、彼等の絶対的な統治を認めて、世界中がその下に屈服するしかほうほうがありません。つまり、イスラム国との平和的共存は無理なのです。」第7章結びのこの文章に尽きる。
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