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六花落々
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2014/12/01 |
JAN | 9784396634537 |
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六花落々
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商品レビュー
3.7
28件のお客様レビュー
面白かった。雪の結晶の話、時代の流れに飲み込まれながらも魅力的な登場人物にどんどんはまってしまった。
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タイトルは「りっかふるふる」と読みます。六花は結晶の形からくる雪の異称です。 下総国古河藩を舞台に、幕末に向かって動き始めた文化・文政から天保時代(1813~1835)を描いた本格歴史小説です。 主人公は藩主・土井利位(後の老中首座)の御学問相手で軽輩出身の小松尚七。そしてもう一...
タイトルは「りっかふるふる」と読みます。六花は結晶の形からくる雪の異称です。 下総国古河藩を舞台に、幕末に向かって動き始めた文化・文政から天保時代(1813~1835)を描いた本格歴史小説です。 主人公は藩主・土井利位(後の老中首座)の御学問相手で軽輩出身の小松尚七。そしてもう一人重要な登場人物が古河藩家老となる鷹見十郎左衛門忠常。後書きによれば著者の西條さんがこの鷹見忠常に興味を持った事がこの作品が書かれるきっかけなのだそうです。 鷹見忠常は私にとって未知の人物だと思っていましたが、実は渡辺崋山の代表作(鷹見泉石像/国宝)の人物だそうで、この絵は良く目にしていました。広く世界を知ろうとした蘭学者であり「土井の鷹見か、鷹見の土井か」と言われるほどに有能だった人物です。 その為、当時を代表する知識人が次々に登場します。蘭学者の大槻玄沢や渡辺崋山、『おろしや国酔夢譚』の大黒屋光太夫、北方探検の近藤重蔵や間宮林蔵、シーボルト。そして土井利位が大阪城代として赴任中に乱を起こす大塩平八郎。 ただ、残念なことに綺羅星の如き登場人物も現れては消える感じで、物語のスケールは大きくはありません。それは鷹見忠常では無く軽輩の小松尚七を主人公に置いたせいでしょう。一方で「何故なに尚七」と呼ばれた主人公の世俗から浮き上がる学者肌も十分に生かしきれておらず「狭いけど深い」という感じでも無いのです。 小松尚七が御学問相手として出仕し始めた時から藩主・土井利位、家老・鷹見忠常と共に雪の結晶を顕微鏡で観察しまとめた『雪華図説』の完成で物語は閉じられます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ノンフィクション『幕末の女医楠本イネ、シーボルトの娘と家族の肖像』を、読んだ直後のこの本だったので、より強烈な印象を持った。江戸幕府がその寿命を終えようと加速する時期。外国との交易と情報入手は、知ること以上に国力に寄与することだった。国際という視点で地球上にある色々な情勢を知ることは、国の行く末も知ることに相違ない。 場所は渡良瀬川周辺古河藩。 小松尚七という、貧乏な下士であり、世の中の理をなんでも知りたい『何故なに尚七』という別名も知られていた。 何にでも興味を持ち、雪の結晶を見ようと2時間も四苦八苦していると、この本の主題でもある、鷹見忠常と出会う。 その出会いが、尚七の運命を変える。 江戸に上京し養子となった新しい若君の御学問相手として、召し抱えたいと言われる。 ここから、世にいう「シーボルト事件」や「大塩平八郎の乱」や天候不順な時代での大きな飢饉がおこる。 天才でありたゆまぬ研究も続け、野心もあり政にも、長ける鷲見との2、30年の月日を描く。 江戸文化、歴史的事件も臨場感あふれる一冊になっていて、読みごたえは十分です。
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