暴力と差別としての米軍基地 沖縄と植民地 基地形成史の共通性 未来への歴史

林博史(著者)

• 販売会社／発売会社: かもがわ出版
• 発売年月日: 2014/11/01
• JAN: 9784780307382

商品レビュー

2024/06/26

タイトルは米軍基地であるが、それ以外の沖縄の琉球王国の併合やカムチャッカ半島のアイヌの強制移動などの話もあり、多岐に渡る。沖縄の米兵ではあるがフィリッピン兵の沖縄住民への強姦についても他書では書かれていないことを書いている。ただし、書き方が固いので学部生が読み込むのは難しいのかの知れない。

2022/04/26

【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB17014441

2015/01/16

沖縄における米軍基地の押しつけと暴力に心を痛める人ならば、そこに植民地主義と人種主義を嗅ぎとらずにはいられないだろう。本書は歴史学の立場から、米国の世界各地における基地建設のプロセスを検証し、この直感を跡付けるものである。焦点は特に現地住民からの基地用地の収奪、および米軍の性犯罪とその不処罰におかれている。
世界各地の基地建設の事例や、沖縄における基地建設のプロセスを詳述していて、細かい事実についていろいろと学べる本ではあるが、事実を配置するダイナミックな議論が見えないために、「アメリカひどい」で終わってしまいそう。土地収奪と性暴力、犯罪不処罰がどのように植民地主義を構成しているのか、アメリカとその従属国による二重の支配を植民地主義という概念でどのように整理するのか、理論が欠けているのが残念である。