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一私小説書きの日乗 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2014/10/25 |
JAN | 9784041020456 |
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一私小説書きの日乗
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一私小説書きの日乗
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
西村賢太の作品が私小説であるが故に、この単なる日記も同じ主人公であり、こういう日常を面白おかしく膨らませて私小説が書かれているとおもうと面白い。でも何より解説にもあるが、文章のリズムの良さが飽きさせずに読み進めさせるのだろう。
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昨年突然の訃報を目にして結構ショックだった著者の日記本があると知って読んだ。「苦役列車」と「小銭を数える」くらいしか読んだことなかったけど、これからたくさん著者の小説を読もう!と決意させられるくらいに魅力的な日記だった。 芥川賞を受賞した後の2011年3月から日記は始まる。あの311が起こったまさに真っ只中である。しかし彼は地震や原発に関してほとんど書いていない。あれだけのことがあって日記にそれを書かない選択をしている点に作家の矜持を感じた。彼が書いているのは基本的に自分の身の回りのことのみであり、他者に言及したとしても自分の周辺人物のことのみ。SNSを中心として各種インターネットの発達に伴い、色んなことに言及できるようになったけど、昔は自分の半径5mくらいしか見ていなかったのかもなと改めて気付かされた。そんな中で出版社の方々が実名で登場、特に新潮社の方々がとても魅力的に見える。祝杯をあげたり、仕事のことで喧嘩して絶交したのち飲んで和解する流れなど、最後の方はそういったものを期待している自分がいた。 日記を書くと言っても、どこまで書くか?のラインは各人で異なる。彼の場合、仕事と飲酒を含む食事の二つが中心になっている。前者については芥川賞受賞バブルの中、毎日のように原稿を書きまくり締切と格闘する姿が興味深かった。怒りやすく根に持つタイプでありながら情に厚いところもあったり、自分の尊敬する対象への畏敬の念の抱き方がオタクのそれなので親近感があった。後者は明らかにToo muchな分量を毎日淡々と摂取している様子がとにかくオモシロい。よくこれだけ食べて飲んで逆に54歳まで生きれたな〜と思う。藤澤清造の没後弟子を自ら名乗り古書への造詣が深いからか言葉使いが特徴的でそれが読んでいるうちに癖になった。本著で知った「深更」は今後使っていきたい日本語だ。日記本だけで6冊もあるので隙間時間でどんどん読んでいきたい。
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日記の面白さに気づく一冊だった。 書いてあることといえば、主に朝から晩までの行動についてだけ。何時に起床、入浴し、一日こういう仕事を行い、食べた物の記録があり、明け方に酒を呑み一日を終える。時々、尊敬する人物への熱い思いが綴ってあり、編集者との喧嘩や愚痴も書いてある。 でも日記として気楽に楽しめる範囲の事しか書かれていない。3.11の時は平静でいられない日々が続いたと思うが、それについての記述がほぼ無いことから、何を書いて何を書かないかというのが徹底しているように感じた。この日記を読んでいて不思議と癒しを覚えるのは、その取捨選択が絶妙だからなのかもしれない。 まだ『苦役列車』しか読んだことがないが、その時に感じた面白みを本書でも得られたのが良かった。妙に人懐っこさを感じるのと、憎めなさがあると思う。ほかの著作も読んでみたい。
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