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二〇世紀の歴史 岩波新書1499
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2014/09/22 |
JAN | 9784004314998 |
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二〇世紀の歴史
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商品レビュー
4.2
19件のお客様レビュー
タイトルが近代史ではなく二〇世紀の歴史であることがこの本の特徴だった。 歴史の単語としての帝国しか知らない私にとって、今もそれが帝国に当てはまるような動きがあることを知る機会になった。
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20世紀を「長い20世紀」として捉え、帝国主義体制が広がった頃1870年代から冷戦が終結した1990年代までを描いた作品。当時の世界がどのような流れであったのか手に取るようにわかる作品
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本書では20世紀を「帝国主義の時代」と位置付けている。 帝国主義とは、「一つの国家または民族が自国の利益・領土・勢力の拡大を目指して、政治的・経済的・軍事的に他国や他民族を侵略・支配・抑圧し、強大な国家をつくろうとする運動・思想・政策」などと定義づけられている。第二次大戦前の日本...
本書では20世紀を「帝国主義の時代」と位置付けている。 帝国主義とは、「一つの国家または民族が自国の利益・領土・勢力の拡大を目指して、政治的・経済的・軍事的に他国や他民族を侵略・支配・抑圧し、強大な国家をつくろうとする運動・思想・政策」などと定義づけられている。第二次大戦前の日本は、韓国・台湾・中国、その他のアジアの国々を侵略・支配・抑圧しようとしており、自ら大日本帝国と名乗っていた通り、帝国主義国家であった。 20世紀が帝国主義の時代であったということであるが、帝国主義の流れ・動きは、実際の暦上の20世紀とは少しずれている。帝国主義的な動きは、まず、ヨーロッパ諸国がアフリカ諸国を分割・支配しようとした時に始まったとされる。フランスがチュニジアを植民地化したのは1881年、イギリスがエジプトを実質支配したのが1882年のことなので、帝国主義の時代は、暦上は、19世紀後半に始まっている。その動きは、アジアにも広がり、イギリスがビルマを植民地化したのが1886年、日本が台湾を植民地化したのが1895年である。 アフリカ・アジアの国々が植民地化した後は、大国間での領土をめぐる争いが起き始め、それはそのまま戦争に結びつく。第一次世界大戦、第二次世界大戦ともに、帝国間の覇権争いの結果起こったという解釈が成り立つのである。 第二次大戦後、旧植民地国での独立の動きが起き始める。1945年にはインドネシアが独立宣言を行い、1947年にはインドとパキスタンが分離独立する。1950年代に入ってからは、アフリカ、アルジェリアで独立戦争が起き、また、他のアフリカ諸国でも独立の動きが強まる。共産主義・社会主義諸国も実は、ソ連が帝国的に、東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、等といった国を支配していたという構造であったが、それも、1989年のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連解体により、体制が崩壊する。このあたりをもって、帝国主義時代は終焉を迎えたとされており、それは、おおよそ100年強続いた時代だったというのが、本書が示している20世紀の時代の流れである。 そういう風な見方をすれば、確かに現代史の大きな流れを理解しやすい。 本書には、その間の出来事についての解説が多く書かれているが、各地の戦争や紛争、あるいは、アウシュビッツでのホロコースト等、世界での帝国主義的活動の結果失われた人命は気が遠くなるほどの規模になる。確かに第二次大戦時代に比べると、そのような活動で人命が犠牲になることは少なくなったが、今でも、ロシアのウクライナ侵攻を典型とした帝国主義的な活動の残渣はあちこちに見受けられる。人間は歴史から学んではいるが、学び方は十分ではないのだ。
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