アイネクライネナハトムジーク

伊坂幸太郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2014/09/01
• JAN: 9784344026292

商品レビュー

2025/04/08

楽しい。

そうそう、これですよ！こんな作品を待ってたんですよ！

と伊坂幸太郎さんに言いたい程だ。

最近の作風であるところの、目に見えない、国家権力のような大きな力に翻弄されるような話も勿論大好きだが、本作のような愉快で繋がりのあるお話こそ伊坂幸太郎の持ち味ではないか、と思う。

兎に角、読んでて楽しい。ずっと読んでいたい。

2025/04/03

久しぶりに読書して泣いた。
運命だ、なんて強く言える自信もないまま恋人になり、結婚することになり、いざ結婚しても相手は不本意だったのではと自信が無かった…そんな時にこの本に出会った。
出会えて良かった思う１冊であり、私の結婚相手は出会えて良かったと思う相手だと気付いた。

2025/03/29

斉藤和義から「恋愛をテーマにしたアルバムを作るので「出会い」に当たる曲の歌詞を書いてくれないか」と依頼をもらったが、歌詞は書けないので小説を書いたというこの作品。

短編のように見えて全て繋がっているという伊坂幸太郎らしい作品。
特に「あ！この人があの人か！」という感覚が嬉しい。
ただ、登場人物が多いので私はメモしながら読んだ。
面倒のように思えても、その方が初見での理解が早くて面白さは倍増すると思う。

アイネクライネ
主人公は佐藤。
データを破損させた先輩社員、藤間の代わりに該当でアンケートの仕事をする。
本編には他に、大学の同期の友人の織田一真、由美夫妻、子供の美緒が登場。
また、ヘビー級のタイトルマッチの日本人ボクサーの試合がテレビで流れる。
何かが始まりそうな第一話。

ライトヘビー
主人公は美容師の美奈子。
美奈子はお客の板橋香澄から弟を紹介される。
実は美奈子の高校時代の友人が第一話で登場した由美。
そして、第一話に登場したボクサーも再登場する。
美奈子の昔のライブ友達である山田寛子も登場。
第二話はちょっとした恋の話。

ドクメンタ
アイネクライネでデータを破損させた藤間の話
藤間がなぜデータ破損というミスを犯したかというと、妻と娘が出て行ったことがきっかけだった。
そして運転免許の更新で出会った1人の女性との不思議な偶然について描かれる。
このストーリーが1番好きかも。
大切なことを教えてくれる。

ルックスライク
高校生の久留米和人が主人公。
同級生の織田由美に頼まれてちょっとした事件の犯人探しをすることに。
そしてもう一つがファミレス笹塚朱美がお客に難癖をつけられるエピソード。
主人公が父親と似ているというキーワードから最後にいろんなことが繋がる。
まさに伊坂ワールド。
そして、同級の織田由美。あれ？どこかで聞いたことがある名前だな、と思って読み返すと面白い。

メイクアップ
主人公は窪田由衣。
学生時代のいじめっ子に偶然会ってしまう。
同僚は「復讐だよ」というけれど、人生ではすでに勝ち組の由依にとってはあまり興味もなく。
さて、どうなるか？
ここに登場する広報部の部長補佐山田さんとは、「ライトベビー」で登場する美奈子の友達の山田さんかな？

ナハトムジーク
ウィンストン小野の物語。
今まで登場した、織田夫妻、佐藤、藤間亜美子、織田美緒などが登場して、最後繋がる。
特にラウンドボーイが登場するところが熱い。

佐藤がどうなったのか、小久保亜紀はどうなったのか、書いてしまうと蛇足になるのかもしれないが気になる。
それでも全体としてかなり練って作られていて、読み進めるに連れて発見があるのが面白い。