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大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | NTT出版 |
発売年月日 | 2014/09/01 |
JAN | 9784757123267 |
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商品レビュー
3.4
20件のお客様レビュー
前著「大停滞」を読んだ直後に本書も読みましたが、それがよかったと思います。巻末に掲載されている早稲田大学の若田部教授の解説にも記載されていましたが、「大停滞」とは議論のトーンがかなり変わっています。若田部氏はこれこそコーエン氏の「コントラリアン(大多数とはあえて逆のことを言う、あ...
前著「大停滞」を読んだ直後に本書も読みましたが、それがよかったと思います。巻末に掲載されている早稲田大学の若田部教授の解説にも記載されていましたが、「大停滞」とは議論のトーンがかなり変わっています。若田部氏はこれこそコーエン氏の「コントラリアン(大多数とはあえて逆のことを言う、あまのじゃく)」である証であって、自分の前著に対してあまのじゃくてきな本を書いていると解釈されています。 前著と何が違うか。まず前著「大停滞」の主張を集約すると以下の2つになります。1)容易に収穫できる果実が少なくなってきた。その中にはイノベーションも含まれる。つまり現在起きている技術進歩は漸進的でたいしたものではない、2)イノベーションの公共財的特徴が薄くなり、特定少人数だけが恩恵を受ける私的財的な特徴を強めている、というものです。 この主張に対して、MITのブリニョルフソン、マカフィーは「機械との競争」という本で、1)について反論をしています。AIなどに代表される現在のテクノロジー進歩は等比級数的に進んでおり、漸進的とは全く逆である。つまり猛スピードで進化する技術に人間が追いつかず「技術失業」が起きていることが経済の停滞の主要因である、というものです。 そしてコーエン氏の本著について。若田部氏も指摘しているように、コーエン氏は本著の中でブリニョルフソン、マカフィーの主張を受け入れているように見えます。それをコンピューターチェスを例に述べていて、今後高所得を受けられるのは「機械と協働するとより高いアウトプットを産出できる人材」だと断言しています。経済学的に言えば、機械と「補完的」な人材です。そして機械と協働できない、あるいは協働してもプラスの付加価値を生み出せない人材を「限界生産力ゼロ」人材と酷評しています。この点については個人的には共感しました。しかし著者は述べていませんでしたが、機械と円滑に協働できても他の人間と円滑にコミュニケーションが取れない人間が大量生産されないだろうか、という懸念は頭をよぎりました。他の人間に何か発言する前に自分専用のAIに「彼になんて言えばいいの?」なんて聞く人間が大量に出てきたらイヤですね。
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感想 機械を過大評価しているのでは?という疑問。産業革命の前から格差はあったが、機械の出現により拡大したのか縮小したのか。そこから問い直したい。
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AIが進化すると人間の仕事がなくなる可能性があることを書いた本ですが、流石に日本で2014年に発刊では情報の古さは否めません。 最後の「3 新しい世界」は現代においても示唆に富む部分があるので、時間が無い人はそこだけ目を通せば良いです。
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