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詩集 じぶんのための子守歌
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
発売年月日 | 2013/09/11 |
JAN | 9784569811406 |
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詩集 じぶんのための子守歌
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商品レビュー
4.4
8件のお客様レビュー
工藤直子さんの詩集ですね。 工藤直子さん(1935年、台湾生まれ)詩人、童話作家、翻訳家、作詞家。 「のはらのうた」を読んですっかりファンになりました。 あとがきに「この本は『詩集』といっているが中身は『詩』という気がしない。ダンゴの芯をはげましてやろうとして『うた』をうたい...
工藤直子さんの詩集ですね。 工藤直子さん(1935年、台湾生まれ)詩人、童話作家、翻訳家、作詞家。 「のはらのうた」を読んですっかりファンになりました。 あとがきに「この本は『詩集』といっているが中身は『詩』という気がしない。ダンゴの芯をはげましてやろうとして『うた』をうたいかったみたいだ。」 ダンゴは工藤直子さんの心です。自分をこの詩を読む人を励ましたい、いろんな気持ちを『詩』にたくされた『詩集』ですね。 はじめて 「あした」というじかんは はじめて会うじかんだから あしたになったら ちゃんと あしたに 「こんにちは はじめまして」 と いおう じぶんのための子守歌 吐く息が ため息のように通りすぎると わたしは目を閉じて 心の扉をひらき 忘れていた風景を さがしはじめる そしてうたう子守歌 ー自分で自分を ゆすってやって 「ひと」って せつないね 「ひと」って さびしいね 「ひと」って がんばるね 「ひと」って けなげだね 「ひと」って おかしいね 「ひと」って がんこだね 「ひと」って こわがりね 「ひと」って ふしぎだね そして それだからこそ 「ひと」って いじらしいね 吐く息が しずまり わたしは ゆっくり眠りはじめる あおむけに寝て 地球に抱かれ 寝返りうって 地球を抱いて 抱いたり……抱かれたり 抱いたり……抱かれたり だっこ 風はいろんなものを だっこする 風にだかれて 鳥は 空のゆりかごであそび 風にだかれて 花は 葉っぱをまくらにねむる あ いま 風がひろがった 地球をだっこするのかな ひかる たんぽぽ 春が素足でやわらかく歩いてきた 野原はうっとり目をさまし 花柄のブラウスに着がえる ブラウスに てん・てん・てん・てん 金色の水玉模様がまぶしい ああ たんぽぽだ たんぽぽだ 太陽がこぼした光のしずくだ モンシロチョウが かけつけて はたはた たんぽぽに拍手 てんとう虫は 用事をわすれ うとうと たんぽぽの中でひるね かぜが吹き かげろうがのぼり じまんの春のブラウスをみせたい野原は 綿雲をひきとめて いつまでも話しこんでいる ひとつきりの心 まぶしい朝 腫れた目で 今日あうひとのことをおもってみました 心がにぶくなったのでしょうか 毎晩チクチクつくろっていた痛みが すこしずつ薄れてきます いわばまあ「分別」ですか わたしもそろそろ ー世の中とはそんなものー うなずくようになるのでしょうか ひとつきりの心です ひとつきりの あのひとをおもうときも この心で となりのおばさんと話すときも この心で ごはんを食べるときも この心で ひとつきりの心 けっとばして大の字にねます ひとつきりの心 毎朝けっとばして起こします スッキリとして清々しい、あふれるばかりの命の賛歌ですね。工藤さんの詩には、はっとさせられます。心の移ろいに寄り添いながら、自分らしさをしっかりと見つけようとされています。擬人化も柔らかいイメージで、自分の心を捉え、前に進めるエネルギーに変えていきます。素敵ですね。ますますお気に入りになりました。
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「身の上ばなし」「うっとり」「きびきび」。 こんなすてきな言葉だったか、とほれぼれ。 擬人化されたたくさんの生き物、植物たちがそれぞれの世界を生きている。 「さようならこんにちは」という詩には、どきっとさせられた。
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前回読んだ、「あいたくて」は、愛についての内容が多かった印象でしたが、本書は、より広い視野において、自分自身を見つめ直してくれる歌ばかりで、その新鮮なものの見方に、はっとさせられたり、共感させられたりして、もう、最初の歌「はじめて」から、既に惹き付けられました。 「あした」と...
前回読んだ、「あいたくて」は、愛についての内容が多かった印象でしたが、本書は、より広い視野において、自分自身を見つめ直してくれる歌ばかりで、その新鮮なものの見方に、はっとさせられたり、共感させられたりして、もう、最初の歌「はじめて」から、既に惹き付けられました。 「あした」というじかんは はじめて会うじかんだから あしたになったら ちゃんと あしたに 「こんにちは はじめまして」 と いおう 若い頃は何故か、こうした内容に共感できなかったけれど、今の年になると、とても清々しくて心地好いものを感じました。 そして、これを発展させた「こんにちは」には、思わず、居住まいを正してしまうような、私たちの住む世界を敬うことの大切さも感じさせられます。 うえむいて あ、そら ──こんにちは したむいて お、じめん ──こんにちは みぎをみて ほ、風がふく ──こんにちは ひだりみて わ、いいにおい ──こんにちは いろんなものが わたしのまわりで おたがいに 「こんにちは」と いっている これが「いる」ってことかな これが「いきる」ってことかな そんな敬服さは、「いきる」にも。 川には川のかんがえがあるような 花には花のはからいがあるような 虫には虫の「宇宙」があるような 鳥には鳥の「宇宙」があるような それぞれが いっしょうけんめい 生きているから わたくしも いっしょうけんめい 生きたくなります 世界は敬服するだけじゃなくて、わたしと一体化することもできるって教えてくれた、「深呼吸」。 息をすうと 「せかい」は わたしに すいこまれ 「せかい」が わたしになる すん・すん・すん 息をはくと わたしは 「せかい」に はきだされ わたしが 「せかい」になる ほっ・ほっ・ほっ 「せかい」とわたし いったりきたりして わたし いきている わたしと一体化できれば、きっと孤独も怖くないね、「ひとりぼっち」。 「ひとりぼっち」は さびしいね 「ひとりぼっち」は せつないね あなたも どこかで そう思っているのかしら だとしたら 「ひとりぼっち」が ふたり いるのね 「ひとりぼっち」は さむいわね 「ひとりぼっち」は なきたいね みんなも どこかで そう思っているのかしら だとしたら 「ひとりぼっち」は いっぱい いるのね そう思ったら なんだか にぎやかな 「ひとりぼっち」 そう思ったら なんだか あたたかい 「ひとりぼっち」 泣いた後には、きっと笑顔になれる、「双子の心」。 「はい」といったら ウソになってしまう 「いいえ」といっても ほんとうではない 「はい」と「いいえ」のあいだに 一00万の 虹色の 答えがある それが「こころ」っていうもんさ 「はい」と「いいえ」の 双子の心 「おお笑い」のおくに 悲しみの泉がわき 「おお泣き」のはてに 希望のカケラが浮かぶ 「おお泣き」と「おお笑い」のあいだに 一00万の虹色の 人生がある それが「こころ」っていうもんさ 「わらい」と「なき」の双子の心 あとがきで、工藤さんは、子どもの頃の「なぜ? どうして?」と「ふしぎだな」を感じると、ちょっと涼しい風が吹いてきて、息がしやすいではないか、と書かれていて、そこには、子どもの頃に感じたことが、大人になった自分自身を救う鍵になることを、示しているとともに、自分は何も知らない存在であることを、無意識に自覚していた当時の、自然な気楽さが(あるいは無垢さなのか)、精神的に楽にさせるのかもなんて思いましたし、工藤さんのオマジナイの一つである、『三日坊主も十回やれば三十日』には、子供の頃の私に教えてあげたい気持ちにさせられて、いい言葉だと感じました。 そんな子供心に感じたことがよく表れてる、「いのち」。 ひとは いのちに「かぎり」があるって どうして わかっちゃったかな だんごむしなら たぶん そんなとき (あれっ? ぱたっ)って かんじなんじゃないかな ……だんごむしに感想きけないけど 限りがあるから、こんな言葉を贈りたくなる、「また来てね」。 ありがとう と 日に五十回言い ごめんなさい と 日に千回言い また来てね と 星の数ほど言う それくらい また来てね また来てね また来てね そして、今後この詩集(歌集)を捲る度に、私は、笑顔でこう叫びたくなるだろう、「えいっ」。 じんせいに 飛び越えねばならぬ川 …みたいなものがあらわれたら 「えぇぇぃっっっ!」と飛ぶ そのとき 「チャランポラン上等!」 と叫ぶ
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