鎌倉府と相模武士(下) 関東の大乱から戦国の時代へ

湯山学(著者)

• 販売会社／発売会社: 戎光祥出版
• 発売年月日: 2014/08/11
• JAN: 9784864031202

商品レビュー

2025/04/24

鎌倉公方と関東管領の関係: 鎌倉公方（関東を拠点とした足利氏）と、それを補佐する関東管領（特に山内上杉氏）は、協力関係にありながらも、しばしば対立し、永享の乱のような大規模な争乱を引き起こしました。
永享の乱の原因: 鎌倉公方足利持氏が室町幕府の将軍家との対立を深め、補佐役である関東管領上杉憲実との関係が悪化したことが主な原因です。慣例を無視した行動などが引き金となり、幕府軍との戦いに発展しました。
鎌倉周辺の歴史的遺構: 鎌倉には、交通の要所であった切通し（釈迦堂切通し等）や、多くの古寺社が残っています。特に極楽寺や報国寺には、永享の乱で自害した足利持氏父子の供養塔など、歴史を物語る遺構が存在します。
伊豆七島と神奈河湊（横浜）の関係: 室町時代、関東管領上杉氏の支配下にあった伊豆七島の八丈島からは、年貢が船で武蔵国の神奈河湊（現在の横浜市神奈川区周辺）へ運ばれていました。
小栗判官伝説と長生院（藤沢市）: 藤沢市にある時宗の寺院・長生院は、小栗判官と照手姫の伝説に深く関わる場所とされ、関連する像や品々、史跡が残り、説経節として語り継がれてきました。
享徳の大乱の勃発: 永享の乱後、鎌倉公方に復帰した足利成氏が、対立していた関東管領の上杉憲忠を殺害した事件がきっかけとなり、東国全体を巻き込む長期的な戦乱（享徳の大乱）が始まりました。
太田道灌の役割: 扇谷上杉氏の家宰であった太田道灌は、享徳の大乱期に軍事・政治の両面で大きな影響力を持ち、荘園の管理や治安維持、さらには文化振興にも貢献しました。
戦国時代初期の伊豆・相模情勢: 享徳の大乱以降も関東では混乱が続き、伊豆国や相模国では、大森氏、土肥氏、三浦氏といった在地領主たちが、堀越公方や古河公方、あるいは上杉氏同士の争いに巻き込まれながら、複雑な勢力争いを繰り広げました。