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大江健三郎 自選短篇 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2014/08/20 |
| JAN | 9784003119716 |

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大江健三郎 自選短篇
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商品レビュー
4.1
22件のお客様レビュー
考えたことを丁寧に描写させているように感じ、人の心の中に踏み込んでいくような怖さがありました。後期の作品には、親の子を思う気持ちが溢れています。 全体的に面白かったです。
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大江健三郎が亡くなったニュースをみて、この作家の本を全く読んでいないことに気づいた。あれから数年が経ち、読む機会を得ることが出来た。 それぞれの作品ごとの感想を書くと長すぎるので、全体の感想のみまとめる。 初期短編は有名な死者の驕りをはじめ、大江作品としては読みやすい。ただ暗鬱な...
大江健三郎が亡くなったニュースをみて、この作家の本を全く読んでいないことに気づいた。あれから数年が経ち、読む機会を得ることが出来た。 それぞれの作品ごとの感想を書くと長すぎるので、全体の感想のみまとめる。 初期短編は有名な死者の驕りをはじめ、大江作品としては読みやすい。ただ暗鬱な世界観ではある。そして覇気がない主人公(セブンティーンは覇気だらけだが、あれは異質だろう)でありながら、作品そのものには強い推進力があるのが特色だろう。どの作品も面白い。傑作といってよいのではないか。 問題は中期以降だ。ここから主人公が大江自身をモデルにした小説家となることが多く、思考がいろんなところに飛んでいく。読者はそれに付き合う羽目になるのだが、それが読書のテンポを大きく崩す。大江作品は文章が独特で読みづらいというが、この構成のことではないか。 そして中期以降(初期でもアグイーのような作品はあるが)では、障害を持った長男が軸になっているのが特徴である。また娘の視点から書いた作品もある。大江自身をモデルにすると、小難しい思考になるが、娘の視点は分かりやすく、また家族の愛情を感じる。 後期作品は、長男を軸にした話は少なく、最後の火をめぐらす鳥だけだった。これはあえて、そのような構成にしたのかもしれない。鶯を火の鳥と象徴させ、一遍の詩で終わらせる構成。そういえば最後の長編も詞で終わらせていた。大江の感性だろう。そして、これにより一人の小説家としてのクロージングをさせようとしたのではないか。これは非常に興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初に描かれるのは、犬の殺処分や大学病院での死体管理といった題材。そこで主人公は「死」と真正面から対峙するのではなく、ただそこにあるものとして淡々と受け止めているように感じた。生と死の境界が明確でありながら、強く拒絶もせず、平静さをもって描かれている点に独特な世界観を感じた。 続く作品では、日本人の共同体に現れる外国人兵士がいくつか取り上げられる。閉じられた共同体に異物が入り込み、風景が歪む。その異物に人々が慣れ、同化したかに見える瞬間があっても、再び異質さが露呈する構成となっており、その不気味さが際立っていた。 「空の怪物アグイー」がとても印象に残った。作曲家には、これまでの人生で失ったものの霊のような存在が、空に白いモヤとなって見える。その作曲家につきそう大学生の視点から物語は語られるが、作曲家の語りに妙なリアリティがあり、自然と引き込まれてしまった。何が心に響いたのかうまく言葉にできないが、それでももう一度読み返したいと思わせる不思議な作品だった。
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