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逃げる幻 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2014/08/21 |
| JAN | 9784488168094 |
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逃げる幻
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逃げる幻
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商品レビュー
3.5
20件のお客様レビュー
感想に入る前に……。 私は現在『The Elder Scrolls V: Skyrim』というゲームにドハマりしているのですが、北欧を舞台にしたこのゲームの下地があるからこそ、今作を読破できた気がします。うら寂しい荒野、迷信深い人々。それらへの馴染みがなければ挫折していたろうなあ...
感想に入る前に……。 私は現在『The Elder Scrolls V: Skyrim』というゲームにドハマりしているのですが、北欧を舞台にしたこのゲームの下地があるからこそ、今作を読破できた気がします。うら寂しい荒野、迷信深い人々。それらへの馴染みがなければ挫折していたろうなあ。。 さて、マクロイ作品4作目。 彼女の小説はシンプルな謎を極限まで突き詰めつつ、そんなことが!と予想外かつ納得のいく着地点に至るので、毎度満足度の高い読書が楽しめますね〜。 マクロイならではの詳細な描写でふんだんに不穏な雰囲気を醸しつつ、「なぜ少年は家出を繰り返すのか?」という謎に迫っていく本書。 スコットランドという土地の雰囲気もさることながら、第二次世界大戦(ナチス)がヨーロッパ諸国に落とした影について描かれているのが印象的でした。 強制収容所は言わずもがな、幼い子供たちに施した教育にいかにマクロイが憤っていたか。読む人によっては「戦争色が強すぎる」と感じるかもしれませんが、1945年に刊行された本書だからこそ、強いメッセージを発することができるのだと思いました。 『暗い鏡の中に』『幽霊の2/3』より以前の作品ということで、海軍に所属していた頃のベイジル・ウィリング博士が拝めるのも新鮮です。 変わらず仕事のできる博士ですが、奥さんを溺愛する後期の作品もまた読んでみたいですね〜。
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2025/5/18読了(再読) Naotyさんの『暗い鏡の中に』へのレビューにコメントしている内に、またマクロイを読みたくなって、前回読んだ『小鬼の市』の次に発表された本作をチョイス。ただ、前作ラストで、ウィリング博士はスコットランドでの新たなミッションを与えられているが、その件...
2025/5/18読了(再読) Naotyさんの『暗い鏡の中に』へのレビューにコメントしている内に、またマクロイを読みたくなって、前回読んだ『小鬼の市』の次に発表された本作をチョイス。ただ、前作ラストで、ウィリング博士はスコットランドでの新たなミッションを与えられているが、その件が本作だとすると時期が合わない(『小鬼の市』のラストは1943年1月の、本作は’45年の対独戦終了後の出来事とされている。本作の切っ掛けとなった事件もDデイ――'44年6月6日、ノルマンディー上陸作戦――の数日後なので、同一案件と考えるのは無理がある)。 以下、ネタバレ気味の内容になります。悪しからず。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 本作では、家出を繰り返す少年が、スコットランドの荒野の真ん中で忽然と姿を消す“人間消失”と“密室殺人”の謎が出てくるものの、トリックは……少々肩透かし。まぁ、マクロイはマクロイであり、ディクスン・カーではないということで、やはり“How”よりも“Why”に重点が置かれたミステリになっている。そして前作に続き、本作も第二次大戦の影響が色濃く出ていて、ウィリング博士が指摘していた問題は当時のリアルな“大戦の負の遺産”問題だった筈。実際、戦後世界はどのように対応したのだろうか。 ついでながら、部下の恋路をさりげなくサポートする、ウィリング博士の“物わかりの良い上司”の一面も見られます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1945年。米海軍大尉のダンバーは、とある使命によってスコットランドのハイランド地方へ向かう途中、飛行機で隣席だったネス卿と親しくなる。ダンバーの前職が精神科医であると知ったネス卿は、ある裕福な家の少年のことを話しだす。傍目から見れば何不自由ない暮らしをしているはずのその少年はひと月のあいだに何度も家出を繰り返し、数日前突然ひらけた荒地から姿を消してしまった……。家出少年ジョニーは何に怯えているのか。家庭に、あるいはこの土地に呪われた秘密が隠されているのか。スコットランドの田舎に舞台を移した〈精神科医ベイジル・ウィリング〉シリーズの一作。 生き残った少年のトラウマと田舎の閉塞感とナチの残党、この三つが織りなす緊張感だけで200ページを読ませる。やっと殺人事件が起こるのはそのあと。マクロイの筆力が高いからこそ成立している(カバー裏のあらすじはかなりのネタバレ)。 中盤になってこの物語が『バスカヴィル家の犬』にオマージュを捧げているとわかり、マクロイのホームズ・オマージュ!と嬉しくなってしまった。黒犬の伝承やインヴァー・トーの古城、谷間に突如姿を現わす湖などの幻想的な描写が冴えに冴えており、蘊蓄も楽しい。都会的なイメージが強いマクロイだけど、クラシカルな探偵小説らしい怪奇演出もイケるんだなぁと感心。この人は建築の構造を説明したり部屋のインテリアに性格を持たせたりするのが巧いので、このまま館ミステリを書いても絶対面白かったと思う。 本作のキモはやはりダンバーの一人称語りだろう。ミスリードの狙いが目につきすぎるところはありつつ、結末は予想外だった。ガタイが良く、精神科医として他人を分析することに慣れ、主観に絶対的な自信を持つ男性から見た偏見だらけの世界を冷徹にトレースしているのがヘレン・マクロイという女性作家であることをどうしても考えずにいられない。ダンバーのマージョリー・ブリス評を、どんな気持ちで書いたのだろう。 物語はウィリングたちアメリカ人が、ローティーンの少年を残忍な狂信者に仕立てあげてしまうナチとファシズムを断罪して終わる。ウィリングが逃亡捕虜を間接的に殺し、それが是とされているところは今の感覚ではやっぱり飲み込みづらい。だが、進歩的な顔をした彼らの前にハイランドは何層にも重なった争いの歴史を見せ、踏み躙られてきた者たちが地霊となって悲しみの声を響かせ続けている。
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