癒し屋キリコの約束

森沢明夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2014/08/01
• JAN: 9784344026155

商品レビュー

2024/05/03

珈琲屋さんオーナーの霧子さんは、いつも予想することの斜め上のことをする人で、キリコさんのお店には悩みを抱えた人がやってきて、悩みを癒やすことが出来るという物語。
はじめは本当に解決してるかと半信半疑だったけど、悩みのアドバイスをするんじゃなくて、その人自身に考えてもらったり、感じてもらうことがこの本の"癒やし"につながるのだと思った。
人生は、冒険！いつからでも遅すぎることはないし、やってみることで気づくことはある！
それぞれのストーリーで自分にも何かしら響く言葉が得られそうな本だった！

2024/01/08

茶店ものが読みたくって手に取った一冊でしたが、店長のカッキーは何処となく実直で訳ありぽい設定で共感持てたんですが、オーナーの霧子さんが性格歪んでいるようで馴染めずに読むのに時間かかってしまいました。
昭和歌謡が流れる純喫茶「昭和堂」は裏稼業として癒し屋をしているとゆう。風の噂を頼りに時より訪れる依頼者を癒し法外な賽銭を要求するとゆう、何だか殺し屋風な設定が興味をひくのですが目的のためなら手段を選ばない奇想天外な方法に引いてしまい後味悪そうでした。
慣れてくると常連さんとの会話や連携が楽しく、無茶振りする霧子さんに対しても呆れながらも受け入れる、それはそれでアリなのかって感じで終盤に差しかかると見方が一変し好感が持てるようになる巧妙な展開に読まされた感じでした。各章が70年〜80年代のアーティストたちの歌詞の一部が引用されていてオシャレなオヤジ臭漂わせてるような感じで、口ずさむことができてしまうのがちと年代を感じてしまいました。

2023/12/16

純喫茶の昭和堂では、様々な人からの依頼に応える裏稼業「癒し屋」がある。お金大好きなオーナーの霧子さんを中心に、雇われ店長と喫茶の常連達が癒し屋として人を救うなかで、霧子さん宛に殺害予告が届く。

タイトルと表紙からは想像していなかった不穏な要素もあったが、最終的には心温まる話だった。
依頼を解決していくなかで、ハッとさせられるような言葉がたくさんあったのが良かった。

一方で、特に前半の霧子さんはお金への執着や自由人な振る舞いが目立っていて、霧子さんの元に皆が集まるような魅力が中盤までは伝わりづらかったように思う。後半に進むにつれて霧子さんの良さが分かってきて読みやすくなったので、もう少し早い段階で魅力が分かったらより楽しめたかもしれない。