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心理療法論考
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新曜社 |
発売年月日 | 1986/02/20 |
JAN | 9784788502284 |
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心理療法論考
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心理療法とか臨床心理とかの題名がつく河合さんの本は、難しいので敬遠していますが、河合隼雄著作集1期3巻に、この本の中の「夢のなかの治療者像」というのが掲載されてて、その繋がりで古書を購入して読みました。 この本が想定している読者は、臨床心理を生業にしている人で、私のような素人には...
心理療法とか臨床心理とかの題名がつく河合さんの本は、難しいので敬遠していますが、河合隼雄著作集1期3巻に、この本の中の「夢のなかの治療者像」というのが掲載されてて、その繋がりで古書を購入して読みました。 この本が想定している読者は、臨床心理を生業にしている人で、私のような素人には難解で、なかなかページが前に進みませんでした。やっとこさ、読み終わりました。 その中でこの話が印象に残りました。 『精神分析は科学か?という問いに対して、「われわれ人間の意識過程はそれ自体で完結した系列をつくっていない。そのときに、無意識的な心理作用の存在をそこに推定するとき、その心理作用全体が因果的に了解されること、なお、当人もその無意識的な心理作用を後で意識化し、それによって治療が行われる」という実利的な面が重要である。 という話、つまり「客観性という価値観は、ものごとを解決する絶対条件ではない」ということで、これは真理だと思いました。 あと、印象に残ったのは 『考えて見ると、生まれる以前の領域や、死んでからの領域の方がはるかに広いのであり、このふたつの無限の領域にはさまれた僅かの境界にわれわれは生を享けているのである。このような実態が明らかになると、われわれはそれほど「安心」したり「満足」したりもしておれないのだが、一応ノーマルといわれている人は、このような境界性をあまり意識することなく、安定して生きているのである。しかし、考えてみると、境界例の人の感じている強い不安は、このような人間存在に本来的にそなわっているものなのかも知れないのである。そして、上述したような人間の境界性は、一生の間変ることがないのだから、そのことを不問にして、簡単に「安心」していることは、一種のまやかしであるとさえいえるであろう。』 確かに、生まれる以前と死んだ以降のほうが生きてる期間よりも途方もなく長い、しかし、その期間は自分が登場できない期間である。まやかしでなく解決する方法はやはり、宗教的しかないのでは?わたしは、まやかしでも我慢できますけど・・・優柔不断な正確なんで。
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「なにもしないことをする」「何事にもこだわらないということにこだわる」のが河合心理学の身上だから、初期論文をあつめた本書でも、「主張しないこと」がたっぷりと主張されている。臨床と学問を重ねながら考え抜かれた茫洋なので、いくら文章が平易でも、下手をすると何も残らないということにもな...
「なにもしないことをする」「何事にもこだわらないということにこだわる」のが河合心理学の身上だから、初期論文をあつめた本書でも、「主張しないこと」がたっぷりと主張されている。臨床と学問を重ねながら考え抜かれた茫洋なので、いくら文章が平易でも、下手をすると何も残らないということにもなりかねない。なかなか難しい対決である。 「自分の弱点で勝負をする」これはほんとうにたいへんなことだが、 わからないひとには、せんせいは徹底的に厳しいのである。
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