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アメリカ自動車産業 競争力復活をもたらした現場改革 中公新書2275
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2014/07/25 |
| JAN | 9784121022752 |

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アメリカ自動車産業
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商品レビュー
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アメリカ合衆国の現代労働史。『アメリカ自動車産業』というタイトルに偽りがないわけではないが、「アメリカ合衆国の自動車産業で働く近代的産業労働者(プロレタリアート=ブルーカラー労働者)の労働動態」が主題であり、本書では経営についてはそれに付随する範囲内で述べられている印象を受けた。...
アメリカ合衆国の現代労働史。『アメリカ自動車産業』というタイトルに偽りがないわけではないが、「アメリカ合衆国の自動車産業で働く近代的産業労働者(プロレタリアート=ブルーカラー労働者)の労働動態」が主題であり、本書では経営についてはそれに付随する範囲内で述べられている印象を受けた。 1952年に「アメリカにとって良いことは、GMにとっても良いことだ」と述べたのはGM会長にして国防長官のチャールズ・ウィルソンであった(本書13頁)。1914年のフォード主義誕生以来、アメリカ合衆国は自動車と、自動車を使わずには生活できない現代社会を築き上げてきたのである。 その自動車産業で働くアメリカ合衆国のプロレタリア階級の姿は、本書では労働組合と労組の掲げる同一労働・同一賃金の原則によって守られた、極めて平等主義的なあり方であり、同盟系の労組が中心となって成果主義を受け入れて来た戦後日本のプロレタリア階級の姿(本書62-71頁に記載あり)よりも遥かに働きやすそうだと、本書を読んで私は感じた。 “……日本における一般通念では、アメリカ起業においては厳しい競争主義が職場を貫いていると思われがちである。しかし実際のところ、ビッグ3では長い間、いかに職場労働から競争を排除するかについて、労使間で交渉がなされてきた。 意外にもアメリカでは労働組合員であるブルーカラーはもちろん、一般にホワイトカラーでも中層以下なら厳しい能力主義で処遇されているわけではない。むろん例外はあろうし、すべてのケースで同様なわけではない。”(本書44頁より引用) 無論、この労使関係の悪さが1960年代まで世界をリードしていた合衆国の自動車産業のビッグ3が、70年代に日本車や欧州車に追いつかれ、80年代には日本の自動車産業に追い抜かれてしまい、必死になってトヨタから「カイゼン」を取り入れるも、結局は経営改革に失敗し、リーマン・ショック後を受けた2009年にビッグ3がそれぞれなりにあり方を変えざることを得なくなったことは周知の事実であり、著者もその点で合衆国の労働組合のあり方や同一労働・同一賃金の原則を批判する立場から本書を書いている。また、アメリカ合衆国の労働運動の主流には、組合による反移民主義といった問題や、経済史の立場から “……ソ連消滅前の日本などから見ると,アメリカの労働組合は「意識が低い」のであって,AFLもCIOも冷戦の中で共産主義に反対し,朝鮮戦争やヴェトナム戦争を支持した。さらには保守的な共和党大統領候補ロナルド・レーガンを応援したりもした。いったい,こうした特徴はなぜ生まれたのか。” (岡田泰男『アメリカ経済史』慶應義塾大学出版会、2000年5月1日発行、155頁より引用) といった保守的・民族主義的な発想についての指摘が存在する。私も合衆国の労働運動排外主義的なあり方はどうかと思うものの、昨日一昨日と2日連続13時間以上の労働を行わざるを得なかった日本のホワイトカラーとしては、本書で描かれたしっかりと労働組合が労働者を守る姿について、正直なところ羨ましいとも感じるのである。
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アメリカの自動車会社の労働者の働き方や価値観がうかがわれて、非常に勉強になった。と同時に日本人の「働き方」についても考えさせられた。昨今の「働き方改革」は改悪であって改善ではない。特に「同一労働同一賃金」の導入が本当の改善になるのかは、はなはだ疑問である。結局は、社会保障制度維持...
アメリカの自動車会社の労働者の働き方や価値観がうかがわれて、非常に勉強になった。と同時に日本人の「働き方」についても考えさせられた。昨今の「働き方改革」は改悪であって改善ではない。特に「同一労働同一賃金」の導入が本当の改善になるのかは、はなはだ疑問である。結局は、社会保障制度維持のための「働かせ改悪」に過ぎない。そこそこ充実感をもって各自それぞれの幸福感を維持できるように社会のベクトルを向けるようになる日はいつ来るのだろうか。
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自動車産業から見た労使関係の日米比較論。一般的に「実力社会」「競争社会」のイメージが強いアメリカだが、それはホワイトカラーの話。組み立て工場などで働くブルーカラーの世界では「平等主義」「年功序列」が徹底されており、それがアメリカ自動車産業の復活を阻害しているという。即ち、労働者...
自動車産業から見た労使関係の日米比較論。一般的に「実力社会」「競争社会」のイメージが強いアメリカだが、それはホワイトカラーの話。組み立て工場などで働くブルーカラーの世界では「平等主義」「年功序列」が徹底されており、それがアメリカ自動車産業の復活を阻害しているという。即ち、労働者間の格差をなくすため、組合側は「同一労働、同一賃金」の原則に固執し、成果による賃金の差異化を拒否してきた。また労使対立の結果、管理職である職長の権限を規制するため、移動や昇進は「年功」(先任権)に拠ることが協約で定められた。その結果、現場のモチベーションは上がらず、柔軟な人事配置も難しい状況に陥っているという。こうした現状を打破する鍵として著者は「日本的能力主義」=「査定付き定期昇給制度」の有効性を説く。 本書は、アメリカの一般的な労働者の実情を知ることができ、それは我々がイメージするものとは大きく異なっていることが分かる。一方で、普段はネガティブな文脈で言及されることが多い「日本型経営」の意義も理解できるようになっている。今後の労働問題を考える上で、まず前提となる知識を整理・理解するのに最適な一冊である。
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