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怪談四代記 八雲のいたずら
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2014/07/01 |
JAN | 9784062190244 |
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怪談四代記 八雲のいたずら
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商品レビュー
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2件のお客様レビュー
怪談というよりは、ちょっと不思議な因縁譚が中心。「へるん先生」のひ孫である著者の手にかかると、スピリチュアル方面のいかがわしさがほとんどなくて、「ああ、そういうこともあるかも」とすんなり読んでいけるものになっている。 なによりもいいのは、著者が、曾祖父ハーン、その妻セツをはじめ...
怪談というよりは、ちょっと不思議な因縁譚が中心。「へるん先生」のひ孫である著者の手にかかると、スピリチュアル方面のいかがわしさがほとんどなくて、「ああ、そういうこともあるかも」とすんなり読んでいけるものになっている。 なによりもいいのは、著者が、曾祖父ハーン、その妻セツをはじめとする小泉家の人たちに、心からの敬意とあたたかい愛情を持っていることがよく伝わってくくることだ。こんなにハーンを身近に感じられるものを初めて読んだ。 また、今更ながら、ハーンの「思想」に感銘を受けた。自然と調和した暮らしのありよう、霊的なものがごく自然に生活の中に溶け込んでいるさま、権威主義とは無縁な厚い宗教心…、ハーンがかつての日本人に見いだし、この上なく尊いと認めたものを、今の私たちは失っている。時々ちょっとしたイタズラをなさるらしいあの世のハーンは、どんな顔で今の日本を見ていることやら。 作中に、「境港は妖怪、松江は怪談、出雲は神話の里」というようなくだりがあって、出雲生まれの私は、しみじみなるほどなあと思った。若い頃は早く出て行きたいばかりだった、あの湿った土地柄を、やはり年のせいだろう、懐かしく思い出したりする。
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ラフカディオ・ハーン/小泉八雲は、間違いなく松江の文化英雄です。極めてナイーブな感性と徹底した思考力を持つこの作家は、明治の松江で暮らした一年足らずの間にこの街の自然と人の営みのディテールを魂に刻み込み、文学として世界に発信しました。彼の魂に濾し取られた「松江」は、現代の松江に非...
ラフカディオ・ハーン/小泉八雲は、間違いなく松江の文化英雄です。極めてナイーブな感性と徹底した思考力を持つこの作家は、明治の松江で暮らした一年足らずの間にこの街の自然と人の営みのディテールを魂に刻み込み、文学として世界に発信しました。彼の魂に濾し取られた「松江」は、現代の松江に非常に豊かな意味世界を与え続けています。 ハーンは東京へ転居し、子孫も長く首都圏に暮らしていました。しかしハーンの曾孫に当たる民俗学者・小泉凡先生が松江にIターンされ、島根県立大学で教鞭を執りながら、ハーンの開拓した意味世界を更に賦活させる様々な文化活動を続けておられます。そのひとつの核が「怪談」、ハーンの代表作であり松江の文化資源である物語群を活用した町おこしです。 本書はその現時点での集大成といえるでしょう。帯の惹句「110年ぶりの新刊」とは、今年がハーン没後110年であることに依ります。ハーン自身とその直系親族の歴史の中で起きた様々な綺譚を紹介しながら、そこに潜むtruth人間の真実を浮かび上がらせる──本書は間違いなくハーンの文学活動の正当な後継です。普通の文章から突然文字が太文字に変わる、それは「ここからが怪談だよ」という明瞭なシグナルで、読者は息を呑み心を構えて読み進めることになります。現実と地続きの怪異、私たちの日常に滑り込む不可思議。それは現実を見失わせる夢想ではなく、かえって現実を照らし返し、読者の現実を見る目を広げ深める役割を果たすのです。 本書は普通に読んでも抜群に面白いのですが、ハーンとその子孫にまつわる様々なエピソードを記述した資料性の高さは、ハーン文学愛好家にとって何物にも代え難い価値を持っています。妻セツや長男一雄のエッセイが今もなお第一級資料として輝くように、本書も百年スパンで読み継がれるでしょう(本気で言ってます)。
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