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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | NTT出版 |
発売年月日 | 2013/10/23 |
JAN | 9784757142824 |
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
★2019年1月26日読了『人類哲学へ』梅原猛著 評価B たまたま先々週借りて帰ったら、梅原猛氏の死去が報じられた。かなり特殊な自我の強い学者だった印象だったが、その冥福を祈りたい。 人類哲学なるものがこの著作で明確に提示されてはいなかった。しかし、2011年の東日本大震災を受けて、いよいよその自然の持つ脅威に相対しながら、人類が科学技術を含めた哲学、生き方の方向性を考えるべきと語る 西洋哲学を元にした西洋文明、資本主義はいよいよ行き詰まりを見せている。 ・ニーチェのニヒリズム(虚無主義) ・デカルトの考える我(コギトー)=肉体のない我 理性の絶対信仰=物事は一義的に決定される⇔対極には 曖昧な多義的なもの(多神教) 人類の原始的な思想に帰って、そこから文明がどう変わったのか、文明のもつプラス面とマイナス面をよく斟酌して新しい哲学を考えたい その新しい哲学とは、アニミズム源流の天台本覚論すなわち草木国土悉皆成仏という縄文、稲作漁撈社会で培った自然との関係における叡智に学んだものであるべきだという。 彼は、著名な、かのトインビーや「文明の衝突」を書いたサミュエル・ハンティントンからは、日本の視点を取り入れた独自の哲学を考えろと言われていたとのこと 自然崇拝→アニミズム→多神教→一神教へ 太陽神+水の神(農耕社会から)昼間働く社会 →北極星(狩猟社会へ) 夜家畜を見張る社会へ メソポタミヤ文明→ギリシャ文明・ユダヤ文明→ローマ文明 表音文字文明 エジプト文明 象形文字 表意文字文明
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吉村作治、松井孝典、安田喜憲、梅原賢一郎との白熱議論。帯にある通り、「草木国土悉皆成仏」がなぜ21世紀を救う哲学なのか、それが語られている。梅原先生は86歳にしてようやく序説が語れるようになった、本設を語るにはあと10年かかるとおっしゃっている。何とか最後まで語りつくしてほしい。...
吉村作治、松井孝典、安田喜憲、梅原賢一郎との白熱議論。帯にある通り、「草木国土悉皆成仏」がなぜ21世紀を救う哲学なのか、それが語られている。梅原先生は86歳にしてようやく序説が語れるようになった、本設を語るにはあと10年かかるとおっしゃっている。何とか最後まで語りつくしてほしい。トインビーやハンチントンにも「お前が新しい文明を作れ!」と言われたそうですが、ぜひそれを成し遂げてほしい。最近どうもいろいろと読んでいる中で、一つの方向性が見えてくるような気がする。イオニアの自然哲学を語るあたりは、柄谷行人氏とつながるものがある。中村桂子氏が著書の中で紹介されている、大森荘蔵先生の密画と略画の重ね描きの話。デカルトをどう批判していくのか、17世紀ヨーロッパに始まる近代科学を全否定まではせず、それといかにうまく付き合っていくのか。南方熊楠や宮沢賢治をどう読んでいくのか。柄谷氏が最近語り始めた柳田国男とはどう接するか。道元など日本の仏教とどうかかわるか。そして、「草木国土悉皆成仏」をどう具現化していくのか。大惨事の後の日本でこそ、しっかりと議論していくべきと思える。これからの10年はこのあたりを追いかけていきたい。
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哲学者・梅原猛が、80代後半になって見出した「人類哲学」への方向性。 その芽生えが、アイデアの提出とそれに関する議論・批判を交えて展開されています。 ポストモダン思想で一度は軽やかに乗り越えられたかに見えた西洋近代思想ですが、人類にとっては――少なくとも日本人にとっては、東日本...
哲学者・梅原猛が、80代後半になって見出した「人類哲学」への方向性。 その芽生えが、アイデアの提出とそれに関する議論・批判を交えて展開されています。 ポストモダン思想で一度は軽やかに乗り越えられたかに見えた西洋近代思想ですが、人類にとっては――少なくとも日本人にとっては、東日本大震災と原発事故を経たことでようやく、本当の「乗り越え」の必要性が見えてきた感じもします。 そして実は、その乗り越えのために必要な精神と方法論は、既に日本人の中にあった。 これからの人類は、そこに一端が垣間見えるような、古くて新しい原理を原理として見据えていくべきではないか。 そんな梅原の主張が示されています。 この人の哲学は西欧のものはハイデガー止まりで、それ以後は日本古来の思想と精神をより深く掘り下げる方向へ進んでいきました。 その行き着く先で見つけた人類哲学の思想と、そこで発生した震災と原発事故。 結果だけを見ると、まるで時代はこの梅原哲学を待っていたかのようですし、梅原自身も来るべき時代のために無意識のうちに着々と準備を整えていたかのようにすら見えます。 この本に示されている思想は、今後の哲学の新しい可能性への指針になるんじゃないか。そんな気がします。
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