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古典を読んでみましょう ちくまプリマー新書216
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2014/07/09 |
JAN | 9784480689207 |
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商品レビュー
3.7
12件のお客様レビュー
高校時代、古文の授業を受けながら「同じ日本語なのになんでこんなにわからないんだ。訳さなきゃ意味がわかんないなんてもう外国語じゃん」などと理不尽さを感じ、よくわからない怒りをおぼえていたものでした。 あれから数十年、大人になってもなおこの思いは持ち続けていましたが、読書を愛するよ...
高校時代、古文の授業を受けながら「同じ日本語なのになんでこんなにわからないんだ。訳さなきゃ意味がわかんないなんてもう外国語じゃん」などと理不尽さを感じ、よくわからない怒りをおぼえていたものでした。 あれから数十年、大人になってもなおこの思いは持ち続けていましたが、読書を愛するようになった今、「日本語なのに何て書いてあるかわからないのは悔しい!」という思いに変化、「古文をすらすら読めるようになってやる!」と強く思うようになりました。どうやら高校時代のイライラは、日本語なのに理解できない自分への苛立ちだったようです。 古文の文法書を買ってみたり、「近い将来読む!」と決めて原文のみの古典の文庫をボックスで買ってみたりしながらも、読みたい本は次々と現れるので、古典はなんとなく先延ばしになっておりました。それが最近になって古典文学を読みたくなり、それにはまずここからだと、本書を手に取った次第。 本書は〈ベーシックで普遍的なテーマを扱い〉、〈若い読者にもわかりやすい表現を用い〉た入門書の新書レーベルなので、古典はなぜ読みにくくてわからないのか、という、私が長年抱いてきた疑問について、とても読みやすくてわかりやすい解説がなされています。だからもう我が意を得たり、うれしくておもしろくて、ザックザック読めました。 樋口一葉の『たけくらべ』を皮切りに、『南総里見八犬伝』、『源氏物語』、『古今和歌集』、『枕草子』、『徒然草』、『伊勢物語』など、数々の例文を挙げながら、「ほらね、わからないでしょ、めんどくさいでしょ」と説明されています。 小野小町の 《花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに》 という歌の解説には笑ってしまいました。こんなに〈ぼんやりした〉歌だったとは。 そして『浦島太郎』にはまぁびっくり。私の知ってる『浦島太郎』じゃなかった。亀をいじめる悪ガキなんて出てこないし、海の底でタイやヒラメの舞い踊りなんてのも出てこない。ラストがまた、この亀ったら、もうおもしろすぎるぞ『浦島太郎』。しかも、他にもいろんなパターンの『浦島太郎』があるなんて。 古典というものは、基本的にぼんやりしたものなんだというのがよくわかりました。何通りにも解釈できてしまうので、どういう意味で書いたのかは作者にしかわからない。でもそこは、作者の遊び心なのかも、という気もしました。読んだ人がどう解釈してもいい、という寛容さは、私には心の余裕にすら感じられます。あえてハッキリさせずにぼやかす、という、もともとの日本人のゆったり気質の現れのような気がして、なんとなくほんわかとうれしくなったのでした。 何が書かれているのかを探りながら本を読んでいく《智解》(慈円が『愚管抄』で説く「分かって行く能力」)を、ぜひこれから身につけて、古典をスラスラ、とまではいかなくても、読めばわかる、くらいにはなりたい、なるぞ、と決意を新たにしたところでこざいます。
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初読は高校生の時。 古典への世界が拓かれる1冊。 古典に苦手意識がある学生さんには是非読んでもらいたい。 何より橋本治の文体は読むやすい。
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塾の保護者向け定期冊子のオススメにあったので読んだ。 古典というものはそもそも難しくて投げ出したくなるものというのは仕方がないことというのがわかって良かった。 今の考え方と全く違う考え方をしていた時代もあると言うことを発見できるという面白さがあるということに共感した。 最近では毒...
塾の保護者向け定期冊子のオススメにあったので読んだ。 古典というものはそもそも難しくて投げ出したくなるものというのは仕方がないことというのがわかって良かった。 今の考え方と全く違う考え方をしていた時代もあると言うことを発見できるという面白さがあるということに共感した。 最近では毒親という言葉も流行っていて、放任主義な親を恨んだりもしたが、そもそも昔の貴族は自分の手では子どもを育てないから親子関係が希薄であったとか、在原業平が詠んだ句の「おもふことはでぞただにやみぬべき、我とひとしき人しなければ」を読んでこんな昔から歳をとるにつれ自分と同じ意見の人ばかりではないから思った事を言わないでおこうと思うことに深いなと思ってみたり、作者の伊勢物語の説明に「人の思いの集積が人生という物語を作る」という言葉にハッとしたり、私にとっては古典に興味を持つキッカケを与えてくれる充分に価値のある本だった。
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