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古典を読んでみましょう の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2023/05/11

高校時代、古文の授業を受けながら「同じ日本語なのになんでこんなにわからないんだ。訳さなきゃ意味がわかんないなんてもう外国語じゃん」などと理不尽さを感じ、よくわからない怒りをおぼえていたものでした。 あれから数十年、大人になってもなおこの思いは持ち続けていましたが、読書を愛するよ...

高校時代、古文の授業を受けながら「同じ日本語なのになんでこんなにわからないんだ。訳さなきゃ意味がわかんないなんてもう外国語じゃん」などと理不尽さを感じ、よくわからない怒りをおぼえていたものでした。 あれから数十年、大人になってもなおこの思いは持ち続けていましたが、読書を愛するようになった今、「日本語なのに何て書いてあるかわからないのは悔しい!」という思いに変化、「古文をすらすら読めるようになってやる!」と強く思うようになりました。どうやら高校時代のイライラは、日本語なのに理解できない自分への苛立ちだったようです。 古文の文法書を買ってみたり、「近い将来読む!」と決めて原文のみの古典の文庫をボックスで買ってみたりしながらも、読みたい本は次々と現れるので、古典はなんとなく先延ばしになっておりました。それが最近になって古典文学を読みたくなり、それにはまずここからだと、本書を手に取った次第。 本書は〈ベーシックで普遍的なテーマを扱い〉、〈若い読者にもわかりやすい表現を用い〉た入門書の新書レーベルなので、古典はなぜ読みにくくてわからないのか、という、私が長年抱いてきた疑問について、とても読みやすくてわかりやすい解説がなされています。だからもう我が意を得たり、うれしくておもしろくて、ザックザック読めました。 樋口一葉の『たけくらべ』を皮切りに、『南総里見八犬伝』、『源氏物語』、『古今和歌集』、『枕草子』、『徒然草』、『伊勢物語』など、数々の例文を挙げながら、「ほらね、わからないでしょ、めんどくさいでしょ」と説明されています。 小野小町の 《花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに》 という歌の解説には笑ってしまいました。こんなに〈ぼんやりした〉歌だったとは。 そして『浦島太郎』にはまぁびっくり。私の知ってる『浦島太郎』じゃなかった。亀をいじめる悪ガキなんて出てこないし、海の底でタイやヒラメの舞い踊りなんてのも出てこない。ラストがまた、この亀ったら、もうおもしろすぎるぞ『浦島太郎』。しかも、他にもいろんなパターンの『浦島太郎』があるなんて。 古典というものは、基本的にぼんやりしたものなんだというのがよくわかりました。何通りにも解釈できてしまうので、どういう意味で書いたのかは作者にしかわからない。でもそこは、作者の遊び心なのかも、という気もしました。読んだ人がどう解釈してもいい、という寛容さは、私には心の余裕にすら感じられます。あえてハッキリさせずにぼやかす、という、もともとの日本人のゆったり気質の現れのような気がして、なんとなくほんわかとうれしくなったのでした。 何が書かれているのかを探りながら本を読んでいく《智解》(慈円が『愚管抄』で説く「分かって行く能力」)を、ぜひこれから身につけて、古典をスラスラ、とまではいかなくても、読めばわかる、くらいにはなりたい、なるぞ、と決意を新たにしたところでこざいます。

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2022/12/29

初読は高校生の時。 古典への世界が拓かれる1冊。 古典に苦手意識がある学生さんには是非読んでもらいたい。 何より橋本治の文体は読むやすい。

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2022/03/31

塾の保護者向け定期冊子のオススメにあったので読んだ。 古典というものはそもそも難しくて投げ出したくなるものというのは仕方がないことというのがわかって良かった。 今の考え方と全く違う考え方をしていた時代もあると言うことを発見できるという面白さがあるということに共感した。 最近では毒...

塾の保護者向け定期冊子のオススメにあったので読んだ。 古典というものはそもそも難しくて投げ出したくなるものというのは仕方がないことというのがわかって良かった。 今の考え方と全く違う考え方をしていた時代もあると言うことを発見できるという面白さがあるということに共感した。 最近では毒親という言葉も流行っていて、放任主義な親を恨んだりもしたが、そもそも昔の貴族は自分の手では子どもを育てないから親子関係が希薄であったとか、在原業平が詠んだ句の「おもふことはでぞただにやみぬべき、我とひとしき人しなければ」を読んでこんな昔から歳をとるにつれ自分と同じ意見の人ばかりではないから思った事を言わないでおこうと思うことに深いなと思ってみたり、作者の伊勢物語の説明に「人の思いの集積が人生という物語を作る」という言葉にハッとしたり、私にとっては古典に興味を持つキッカケを与えてくれる充分に価値のある本だった。

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2019/11/07

「あとがき」には、「この本は、すでにちくま文庫から出ている『これで古典がよくわかる』という私の本の続篇というか、別ヴァージョンのようなものです」と書かれています。 『これで古典がよくわかる』のほうは、古典文学を読むさいに留意しておくべき基本知識を、著者らしい軽妙な語り口で解説し...

「あとがき」には、「この本は、すでにちくま文庫から出ている『これで古典がよくわかる』という私の本の続篇というか、別ヴァージョンのようなものです」と書かれています。 『これで古典がよくわかる』のほうは、古典文学を読むさいに留意しておくべき基本知識を、著者らしい軽妙な語り口で解説している本で、おもしろく読んだのですが、本書はそこまで親切ではありません。「まえがき」には、「私は、ただ「読んでみましょう」と言っているだけです」と述べられています。さらに次のような文章もみられます。「読んでみたら、意外とおもしろいかもしれません。なにかの形で、役に立つかもしれませんし、心を癒してくれるものと出会うかもしれません。「そうだったのか―」という発見をするかもしれませんし、しないかもしれません。でもそれは、読んでみなければわからないことです」。 こうした、投げやりにも見えてしまうようなスタンスではじまる本書は、古文のリズムをじっさいにあじわうことで、その読みにくさ、めんどうくささを読者に体験させることを眼目としているように感じます。『これで古典がよくわかる』ほど親切ではありませんが、ともあれ古典文学の世界にじっさいに読者をみちびこうとする著者の態度には一定の共感をおぼえました。

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2019/05/26

でたときにとりあえず入手してずっと積ん読だった。2月に訃報を聞いて追悼読書を始めたときにはみつからず、『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫)を買って読み終えた頃に思い出した。著者あとがきによると、ちょうどその本の続編というか別ヴァージョンのようなもの、とのこと。 日本の古典は文...

でたときにとりあえず入手してずっと積ん読だった。2月に訃報を聞いて追悼読書を始めたときにはみつからず、『これで古典がよくわかる』(ちくま文庫)を買って読み終えた頃に思い出した。著者あとがきによると、ちょうどその本の続編というか別ヴァージョンのようなもの、とのこと。 日本の古典は文体も多様で読み慣れるのも簡単ではないし、読んでもすぐにわかるものではないけれど、それがわかるようになる楽しみを知るにはあれこれ読んでみるしかない。古典入門期の中高生が古典に親しむために必要な(あったほうがいい)日本語史と日本史のバックグラウンドをていねいに解説していてよかった。

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2018/07/25

様々な古典を紹介する本かと思いましたが。 (中には確かにいろいろな本が紹介はされているのですが) 古典を読む技術を紹介する内容でした。 そういう意味では新鮮でしたが。 古典をそのまま読もうとはあまり 思えません。いろいろ現代訳されているものも あるので、それを読んでいきたいと思い...

様々な古典を紹介する本かと思いましたが。 (中には確かにいろいろな本が紹介はされているのですが) 古典を読む技術を紹介する内容でした。 そういう意味では新鮮でしたが。 古典をそのまま読もうとはあまり 思えません。いろいろ現代訳されているものも あるので、それを読んでいきたいと思いました。

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2018/02/27

◇目次 ○まえがき ○一:「古典」て、なんでしょう ○二:古典を読んでみましょう ○三:ちょっと意地悪な樋口一葉 ○四:和文脈の文章と漢文脈の文章 ○五:日本語は不思議に続いている ○六:はっきりとした説明をしない小野小町 ○七:春はどうして「曙」なのか? ○八:分からないものを...

◇目次 ○まえがき ○一:「古典」て、なんでしょう ○二:古典を読んでみましょう ○三:ちょっと意地悪な樋口一葉 ○四:和文脈の文章と漢文脈の文章 ○五:日本語は不思議に続いている ○六:はっきりとした説明をしない小野小町 ○七:春はどうして「曙」なのか? ○八:分からないものを読んでもよく分からない ○九:亀の恩返し ○十:古典を読んだ方がいい理由 ○十一:今とは違うこと ○十二:意外に今と同じこと ○十三:歴史はくるくると変わる ○十四:日本語が変わる時 ○十五:人の声が言葉を作る ○十六:漢文の役割 ○十七:『日本書紀』の読み方 ○十八:王朝の物語を読んでみましょう ○あとがき 一般に古典は取っつきにくく、そもそも読み方や調べ方が分からないため敬遠されているので、まず相手を知ることから始めようというのが本書である。 古典もいきなり難易度高めのものから読み始めるのではなく、まず比較的読みやすいものから始めていって、まず慣れていくことが大事ということが分かった。 樋口一葉『たけくらべ』とか以前読んだ時は、意味を厳密に調べてから読むというより、まず大まかな大意▪概略を読んでおいて、それから文章を味わったように思う。 これを機に、また色んな時代の古典に触れてみようと思った。

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2017/03/15

思ってた内容と違いました・・・。 タイトルだけ見ると古典の良さを説明する本なのかと思っていかけれど、違いました。 この本を読んでも古典を読みたいとは思わないかも。

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2015/05/04

もう少し「古典の読み方」を簡単に説明してもらえると良かった。 ちょっと自分が予測していた内容とは違いました。 しかしながら、それなりに楽しめる部分はあったので、古典に対してまったくの素人である自分なんかは、一度は読んでおいて損はないでしょう。

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2015/02/09

日本の古典文学を読んでみましょう。ということで、さまざまな古典が紹介されています。 室町時代に書かれた浦島太郎。浦島太郎の最後は、玉手箱を開けてジイさんになってしまうというあの話。オリジナルは、なんと亀になってしまうんですって。 ぜひ、読んでみたくなりました。

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