一流教師が読み解く教師力アップ！堀裕嗣・渾身のツイート30

堀裕嗣(著者), 多賀一郎(著者), 中村健一(著者), 長瀬拓也(著者)

• 販売会社／発売会社: 黎明書房
• 発売年月日: 2014/07/05
• JAN: 9784654019014

商品レビュー

2017/12/31

　北海道の中学校の先生（2014年当時で48歳）による30のツイートに、59歳、44歳、33歳の先生たちがコメント、解説するという本。４人とも教師として「意識高い系」ではあるけれども、思想がまったく同じという訳ではなく、あるツイートに関しては「堀先生はこう言うけど、私はちょっと違います」というものもある。けど、だいたいは４人とも似たり寄ったり。ツイートの内容は、仕事に対する姿勢や、物事の捉え方といった話。
　ややビジネス本、自己啓発本っぽい感じになってしまっていて、こういうのが好きな人は良いかもしれない。むしろ教師以外の人が読んだらどう思うのだろう、という感じがする。悪く捉えれば、なんか説教されている感じがする。おれは堀先生の本『10の原理・100の原則』シリーズを読んでだいぶん影響を受けたし、指導技術を勉強するのは好きだけれども、説教みたいな話は時々読むだけでおなかいっぱいになっちゃうので、やっぱりこういう本はしばらくいいや、という感じになってしまった。（と言って今は若林先生の『教わったように教えるな』を読みたいと思っているのだけれど。）さらに４人で寄ってたかって説教する？というコンセプトもよく分からない上に、33歳の先生なんか「20代は～。30代は～」という感じで仕事を語っているが、33で30代の仕事の在り方を語るというのもどうなんだと、今33のおれが思う。
　そういうところはさておき、また好き嫌いの問題もさておいて、特に参考になったり、共感できる部分も多い。「まず量をこなせ。量を蓄えよ。質はあとからついてくる。」(p.108)、「量も質だ」(同)というところは同感。「怖いけど、おもしろい先生」(p.51)を目指す話なんかは共感する。あとは「怒鳴ることは、実は子どもに負けていることではないでしょうか。」(p.41)も激しく同感する。怒鳴った後の罪悪感がものすごい。怒鳴ることの効果について、「機能度というものは『落差』によって高まる」(p.40)というのは、わかっているつもりだけど、本当によく肝に銘じておきたいと思う。あと平たく言ってしまえば、謙虚に学び続ける姿勢の大切さ、というのも複数のツイートにまたがって主張されている。特にある特定の同僚や生徒を排除しようとしない姿勢、それから自分をよく見せようとしないという話は、わかっちゃいるけど…、という感じで、時々読み返してちゃんと出来ないといけないなあ、と正直に反省した。
　たぶんこの本が2017年最後に読み終えた本。（今読みかけの別の本があるけど、たぶんこれから紅白とか見てたら今年中には読み終わらない…。）来年、もっとおれが人間的に良い人、良い教師になれればいいなあと思う。(17/12/31)

2015/07/02

教師による教師論や精神論は酒場のネタで十分だな。一生懸命やっている人間にとっては今更のことだし、それがわざわざ活字化されたり、商売になっているとしらけるしかない。